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「白澤」つながりでもう一作品ご紹介です
ザ・妖怪小説、京極夏彦の京極堂シリーズより『塗仏の宴』です
題名からは塗仏が主役(?)のように見えますが、実は伝説の霊獣・白沢を巡るお話でもあるのです
白沢に関する文献は本国・中国のみならず、本邦にも多く存在していて、その中には白沢の目撃談も含まれています
白沢に関しては、聡明にして万物を知るということの他、その肉を食べると不老不死を得る、という伝説があるそうです
そして件の白沢は、伊豆の韮山の山奥の村に実在するという
村の名はへびと村
しかしその村は戦後、廃村どころか、存在したことすら消されようとしていた
背後には、GHQや旧日本軍の気配が…
それは白沢の存在ゆえか
白沢だけか
はたまた別の目的が?
へびと村を巡り、多くの人間の思惑が錯綜する
新興宗教団体・成仙道
経営コンサルタント・太斗風水塾
稀代の女占い師・華仙姑処女
中国式古武道道場・韓流気道会
警察捜査に協力する霊感少年・藍童子
漢方薬局・長寿延命講
民間研究団体・徐福研究会
その争いに京極道の仲間たちはそれぞれの理由で巻き込まれていく
決着を付けるのは黒衣の陰陽師・京極堂こと中善寺秋彦
混迷した事態にどう幕を引くのか
シリーズ最長の本作は、スリリングで、最後まで先の読めない展開
京極先生の筆力には脱帽です