先日、久々にバレエを観てきました。場所はお馴染みロイヤルオペラハウス。前にNHKで見て以来ずっと舞台で見たいと思っていた「マノン」です。原作はフランス人貴族アベ・プレヴォーによる小説「マノン・レスコー(Manon Lescaut)」。美貌によって男性を虜にし、破滅へと導く悪女“ファム・ファタール”を題材にした、世界で初めての文学作品だそうです。舞台は第3幕まであり、演劇を観るような濃厚なストーリーを楽しめます。


いわゆる“悪女”にも様々なタイプがあると思いますが、マノンは悪知恵を使って人を陥れるタイプではなく、本人にその気がなくても天性の魅力で人を惑わせてしまう天然系。時に浅知恵を働かせるも詰めが甘いタイプです。バレエは台詞がありませんから、それを仕草や動きで表現します。この天性の悪女をどう演じるかがダンサーの腕の見せ所らしく“一度は演じたい役”にマノンを挙げる人も多いとか。*下の写真は、恋人が不在の間に富豪から宝石を贈られて心を許すマノン。むむ色っぽさが半端でない!


ロンドンマダムの寝言-マノン


簡単にあらすじをご紹介。美少女マノンは、パリの宿屋で学生デ・グリューと恋に落ちて駆け落ちするも、富豪の富に魅せられて彼の愛人になってしまいます。のちにデ・グリューとパーティ会場で再会。寄りを戻すにはお金が必要とデ・グリューをそそのかし、二人で詐欺を働きますが見つかって逮捕、アメリカへ流刑されます。しかしそこでも美しいマノンを看守が見初めてマノンを凌辱、そこへデ・グリューが踏み込んで看守を殺害。二人は沼地へ逃げ、疲れ果てて息絶える…。1、2幕ではマノンの兄レスコーも私欲のために彼女を利用しようと絡んできます。


結構大人な物語ですが、ちびっ子達も観に来ていました。際どい表現もあったので刺激が強すぎやしないか…と他人事ながらソワソワ。


あらすじから分かる通り、マノンは賢明な生き方をする女性ではなく、どちらかというと浅はかでおバカな娘。ただ魅力的すぎて男達が放っておかず翻弄されてしまうのですね。駆け落ちする前に、宿に集まった男達と次々に踊るシーンは、この娘の性(さが)を暗示しているように見えました。もう少し思慮深ければ幸せな人生が送れたろうに~と思いますが、この人間のダメな部分がドラマでもあり。


ロンドンマダムの寝言-マノン3



最後は息も絶え絶えのマノンですが、前半の美少女オーラは見事。無邪気で無垢で儚げで…たたずまいから周りのバレリーナとは全く違う空気を放っていて、仕草のひとつひとつが“私は特別”と言ってる感じ。


もちろん一つ一つの振りは振付師やバレリーナが計算し尽して生み出したものでしょうが、この舞台を見終わってから「もしや世の美少女や美女達も多少なりともこの“特別”な空気を醸すテクを持っているんじゃ!」と気付いたわけです。35歳にしてようやく。美人なのに仕草に気を配っていないと「綺麗なんだけどね~」と美人扱いされず、容姿が十人並みでも仕草が美しいと「なんか惹きつけるオーラがある」とか言われるんじゃないかと。美しい姿勢や仕草はオーラを作る、とみましたよ。今から美少女には逆立ちしてもなれないわけだし、目指すべきは姿勢・仕草美人ですね!





今日の寝言:「日没が9時過ぎ…慣れない」満月