2025年10月30日付の「MBS NEWS」が、

『約10m下の川岸に誤って転落か… 徳島「祖谷のかずら橋」で事故が発生 高齢男性が死亡』

と題した記事を報じていました。

 

筆者は、7~8年前に、「祖谷のかずら橋」を見学し、渡ったことがあります。

感想としては、橋の踏み板は、高所恐怖症の人にとっては、意外と感覚があり、恐怖感がありますが、しっかり固定されており、仮に踏み外しても、橋からからだが落下するようなことは、まずありません。

 

 

そのため、この記事を読んだときは、橋から落下したとしたら、身を乗り出すなど無茶な行動があったのではないか、と思いました。

以下に、この記事を引用し、事故原因を予想して、観光客の注意点とこの事故による風評被害など影響を考察しました。

 

《記事の引用》

2025年10月30日午後、徳島県三好市の観光名所「祖谷(いや)のかずら橋」で高齢男性が転落する事故があり、現場で死亡が確認されました。

10月30日午後3時すぎ、「祖谷のかずら橋」の料金所の職員から「70代の男性が橋の10m下に倒れている。

呼びかけても反応しない」などと消防に通報がありました。

消防隊が現場に駆けつけたところ、かずら橋の南詰から約10m下の川岸に、高齢男性が頭から血を流した状態で倒れていて、その場で死亡が確認されました。

男性はかずら橋に数人で観光に来ていたとみられるということで、警察などは男性が誤って転落したとみて詳しく調べています。

(引用、ここまで)

 

《筆者の考察》

徳島県三好市の観光名所「祖谷のかずら橋」で発生した高齢男性の転落死亡事故は、観光地としての安全意識と“体験型観光”におけるリスク管理のあり方を改めて問うものとなった。

警察は誤って転落した可能性が高いとみているが、現場の目撃証言によれば、男性は橋の途中からではなく、渡り終えた先で側面から無理に降りようとして転落したとされる。

つまり、橋そのものの構造的欠陥による事故ではなく、行動上の不注意や体力・判断力の低下が要因であった可能性が高い。

 

祖谷のかずら橋は、三好市の山あいにある全国的にも有名な観光名所で、シラクチカズラで編まれた吊り橋を渡るという独特の体験が魅力である。

とはいえ、木の踏み板の隙間から下の川面が見え、揺れも大きいため、足元の安定性やバランス感覚が求められる。

踏み板の間隔は安全基準を満たしており、転落防止のため内部にはスチールワイヤーも仕込まれている。

しかし、雨天時や湿気の多い日には滑りやすく、高齢者や小さな子供は特に注意が必要だ。

 

<事故の背景>

今回の事故の背景には、

1)高齢者特有のバランス感覚や反応速度の低下

2)観光地での過信

3)スマートフォンなどによる撮影行為の影響

が考えられる。

近年、SNS映えを狙った行動や、スリルを楽しむ観光心理が事故リスクを高めている。

添乗員や観光案内所では、「雨天後の滑りやすさ」「片手操作禁止」「手すり保持の徹底」などの具体的注意喚起を徹底すべきだ。

特に高齢者ツアーの場合、同行ガイドは参加者の体力や足腰の状態を確認し、渡橋を無理に促さない配慮が求められる。

 

一方で、このような事故は観光地の“風評被害”を招きやすい。

SNSやニュースの見出しでは「橋から転落」「安全性に問題」といった印象が拡散され、実際には橋の構造とは無関係の事故であっても、観光客離れを引き起こしかねない。

この事故報道後のSNSでは、「橋自体は安全な造り」「美しい景観を変えないでほしい」との声が多く寄せられており、地域の観光資源としての価値を守るためには、事故の事実関係を正確に伝えるメディア報道と行政の説明責任が重要である。

 

観光客にとっての最大の注意点は、「スリル体験=安全でない場所」と誤解しないことだ。

祖谷のかずら橋は、危険を楽しむ場所ではなく、自然と伝統の共存を感じる文化体験の場である。

安全策を講じたうえで、自らの体力や天候状況を判断し、慎重に行動する“自己責任意識”が不可欠だ。

 

事故を機に立入制限や安全柵の強化が検討される可能性もあるが、過剰な規制は観光価値を損ねかねない。

むしろ、「安全ガイドラインの見直し」「入場前の注意喚起映像」「歩行中の撮影禁止表示」など、体験を損なわずに安全性を高める工夫が求められる。

美しい祖谷の景観を守るためには、観光客・行政・地元住民が一体となり、“安全と感動の共存”を実現していくことが今後の課題である。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ983号より)

 

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