亘理町の「復興・活性化検討委員会」の委員として会議に参加させて頂きました。
震災からの復旧については、ある程度目処が立ってきましたが、その後の産業創出と地域活性化についての施策を打ち出すための議論を重ねています。
考えるべき項目は多岐にわたり、プライオリティを決めかねている現状をどのような形で打破するかが今回のテーマとなりました。
観光・農業・水産・産業・企業誘致等々様々な意見が交わされていますが、「亘理の最大のポイント」は何なのか?という見方をすると、やはり、日本最大級といえる「イチゴ団地」と地元の人に古くから愛されている「はらこ飯」がキーワードになると考えます。
もともと東北有数のイチゴ団地でしたが、震災で95ヘクタールの農地が壊滅しました。その後、復興交付金(112億円)を利用して、68ヘクタールのイチゴ団地を造成し、104戸のイチゴ農家が新しい場所でイチゴ栽培をスタートさせています。
3ヶ所に分かれてはいるものの、壮大な土地にイチゴハウスが並んでおり、実際に見ると、まるで、工業団地一面にイチゴハウスが集積しているような感じで、名所になる資質を十分備えていると考えます。
震災前は年平均3598トンの出荷量でしたが、新しい施設群では、年間3850トンの収穫を目指しています。
イチゴは魅力ある作物ですが、差別化がとても難しいですし、用途によっても必要とされる物が違うため、かなりシビアな作物です。
ブランド化する上で考えなくてはいけない事は、どういうストーリーで市場に出していくかという事になります。
すなわち、品種や栽培方法を売りにするのか。ターゲットをどこに設定するのか。生食用・製菓用・加工用をどうするのか。料理するシェフが要望する物を共同開発してみるのか。新技術を用いた貯蔵方法を特徴にするのか等々たくさんの施策検討が必要です。
でも、ひとつ言えることは、「日本最大のイチゴ団地を有する亘理町。イチゴのことなら亘理町に聞けば何でも分かる。」という存在価値を作り上げる事が必要ではないかと考えます。
6次産業化の推進も検討の一つでありますが、JAとの連携、近隣の学校との連携、研究室との連携、仙台や首都圏のシェフとの連携、海外輸出を睨んだ企業との連携、観光事業者との連携等々、今後、たくさんの方々の知恵と力をお借りしながら、取組んでいく事が必要と考えております。
多数あるハウス施設は電気も重油もたくさん使う事から地域内での循環型エネルギー施策も検討の余地がありますし、まさしく、多くの可能性を秘めた亘理町であります。
いよいよ今年のクリスマスには、イチゴ団地からのイチゴが出荷される予定です。
たくさんの方々に愛される宮城県亘理町にしたいと思います。