帰り道、三茶のブック・オフに立ち寄り。

 

先日、新宿で大量に仕入れたばかりなので特に追加購入する必要はないのだが、とりあえず立ち寄る。

 

なぜなら、ヒマだから。

 

閉店まで30分を切っている。

 

店内に入店して、年を追うごとに縮小化が進む100円コーナーに進んで、さささっと目利きを開始。

 

普段はすっ飛ばす外国文学のコーナーも、一応チェック。

 

なぜなら、ヒマだから。

 

そして、ジョン・スタインベックの『ハツカネズミと人間』を見つけて、心の中で叫ぶ。

 

子供の頃、父親の書棚から手にとって初めて読んだジョン・スタインベックの作品。

 

ジョン・マルコビッチが主人公を演じた映画も原作に劣らず素晴らしい作品だった。

 

今から10数年前、僕は日本のデニムの生地カウンターを持ってミラノへ行ったことがあった。

 

とあるショールームのリビングの様な空間で、その生地カウンターを渡してミーティングをした相手はマルコビッチさん本人。

 

若かった僕は今考えると恥ずかしいが、ジョン・スタインベックの作品が好きでとりわけ『ハツカネズミと人間』が一番好きな作品だということ、映画ももちろん見て、とても素晴らしかったことを下手な英語で伝えると、マルコビッチさんが握手をしてくれたのは、人生の中でも忘れられない思い出の一つだ。

 

そして、引き続き目利きを続ける。

 

すると、一冊、『俺を買ってくれ!』とばかりに目についた一冊があった。

 

『紀州のドン・ファン〜美女4000人に30億を貢いだ男〜』

 

タイトルよりもサブ・タイトルの方が刺さった。

 

『美女4000人』、『30億』、『貢いだ男』。

 

全ての単語がパワー・ワードすぎて、サブタイトルの中で交通渋滞が起きている。

 

0が多い暗算が得意ではないので、400人に100万貢いで4億だから4000人で40億・・・ということは一人当たり75万かぁ・・・と、ちょっとまどろっこしい暗算方法をとらざるをえなかった。

 

一人当たり75万と聞くと、まぁまぁ、そういうこともあるよね。と思えるが、4000人に30億というデカい数字 VS デカい数字になると、日高屋で440円のとんこつラーメンをすすりながらチラ読みしている自分には、なんだか別の惑星のおとぎ話のようだ。

 

しかも、美女4000人に30億を『奪われた男』ではなく『貢いだ男』というのが、また清々しくて素晴らしい。

 

各章のタイトルは非常に魅力的な言葉が並ぶ。




 

三茶のブックオフ、寄ってみて正解だった。

 

4冊で432円。

 

もうすでに432円分は楽しませってもらった。

 

あとの楽しみは、もはや全てロハだ。