太宰治『晩年』
15編の短編から成る創作集![]()
その最初の短編に
『葉』という小説がある。
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『死のうと思っていた。
ことしの正月、よそから着物を一反もらった。
お年玉としてである。
着物の布地は麻であった。
鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。
これは夏に切る着物であろう。
夏まで生きていようと思った。』
『なぜ生きるのか?』
『生きる意味は何か?』
いろいろ考えちゃうけど
生きる理由ってのは
これだけで十分なのかもしれない。
同じく『葉』から
もう1つ。
『生活。
よい仕事をしたあとで
一杯のお茶をすする。
お茶のあぶくに
きれいな私の顔が
いくつもいくつも
うつっているのさ
どうにか、なる。』
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よい仕事のあとの
五臓六腑に沁みる
一杯のお茶![]()
お茶を一口啜り
ほっと一息ついたなら
いろいろと
しんどいこともあるけど
たしかに
どうにか、なりそう。
心に刺さる文章ってのは
長々と書いたものだけでなく
無駄を
極限にまで省いて
必要なものだけを
最低限
かつ
必須な分だけ
そこに綴った
そういうものを言うのだろうな。
そういうものに
私もなりたい。




