志波くんの誕生日(スィーツ食べ放題編 志波&ハリー&みんな) | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

11月21日 志波くんお誕生日おめでとう☆

今年もお祝いストーリーを書いちゃいます(^^)


昨年の志波くん誕生日のお話は こっち → 志波くんの誕生日 準備編

                            志波くんの誕生日 パーティ編

                            志波くん&主人公ラブラブ誕生日編

 

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ときメモGS夢小説~ONEPIECEをめざして小説版~-志波勝己 白パーカー ときメモGS夢小説~ONEPIECEをめざして小説版~-ハリー夕暮れ時


ときメモGS夢小説~ONEPIECEをめざして小説版~-瑛女の子に囲まれて



「今年もかよ?」

呆れる瑛くんだけど、なんかちょっと楽しそう。

「うんうん!珊瑚礁様頼りにしています!」

私はにこにこと瑛くんを見る。

「で? 今年はなにやるんだ?」

「今年はみんなでケーキとか作って 志波くんにスィーツ食べ放題させてあげようと思って。」

「はぁ?・・・・・で、おれにケーキを教えろと?」

「うんうん!」

「ったく、大丈夫かよ?」

「頑張る!」

「頑張るねぇ・・・。 ハァ、ま、期待はしてないけど。

じゃ、21日学校終わったら来い! じいちゃんが使えって言ってくれてるから。」

「やったぁ~!」

交渉成立!

志波くんの誕生日に、瑛くん、かおちゃん、ハリー、私でたくさんケーキを作ろうと企画。

そろそろみんな来年の進路のことで忙しくて

なかなか大がかりなパーティなんかも出来ないし・・・・。

だったら、好きなケーキを思う存分、味あわせてあげようってことで、

みんなで色んなケーキを作ることにした。


「ん?なんだ?」

「はい、招待状。」

「招待状?」

私が手渡したカードを見て志波くんは不思議そうな顔をした。

「今度の水曜日に、来て! 絶対ね。約束だよ。」

カードを裏返して志波くんはうなづいた。

「あぁ。わかった。・・・・・・珊瑚礁?」

「うん、なんか店のイベントに協力してってことなんだ。いいよね?」

「あぁ。」

「ありがと、志波くん!」

私は志波くんの腕をぎゅっと掴んだ。

「お、おい・・・・・・。そんなに喜ばれても・・・。」

「ふふ。」

「・・・全く。 そんな嬉しそうな顔・・・するな。」

「え?」

「・・・いや、べつに。」

「? それじゃ、よろしくね。」

カードには、偽のイベント内容が書いてある。

志波くんの誕生日の為のイベントだと言うことは今年ももちろん内緒。


そして 21日が来た。

学校が終わり、急いで珊瑚礁へ駆けつける。

瑛くんとかおちゃんが昨日、おいしそうなプリンとゼリー、ババロアなんかを作ってくれていて

冷蔵庫に綺麗に並べてあった。

「すっご~い。さすがだなぁ・・・・・・。」

私が感心していると

「感心してる場合じゃない、さっさと作るぞ、早くしないと焼きあがらないぞ!」

「は~い。」

そこへ

「わりぃ、遅れた!」

ハリーが飛び込んできた。

「ハリー! 遅いよ~~~! 早く手を洗って、 これつけて。」

「は?エ、エプロン?」

「当たり前でしょ、料理するんだから。」

「ま、まぁ、そうだけど・・・・・・・。 なんでオレのだけ、ドクロくまなんだ?」

「ふふ、可愛いでしょ?ハリーに似合うと思って。」

「はぁ?オ、オマエなぁ・・・・。」

「はいはい、いいから、そこ、急ぐ!」

瑛くんに背中を押されて、ハリーはしぶしぶドクロくまのエプロンをつけた。

「じゃあ、針谷と小波はこっちの粉混ぜて。」

渡されたボールに粉を入れて混ぜる。

「あ、もう!ハリーそんな強くやったら・・・。」

「げ、げふ!」

もう、粉が舞って、思わず咳き込むハリー。

「ほらもう!」

私は粉を手ではらう。

「うわっ!こんな飛ぶと思わなかった・・・・。ったく、ケーキとか面倒くせぇ。」

「文句言わない! はい、次、こっち。」

瑛くんがてきぱきと用意し始める。

「瑛くんとかおちゃんは何作ってるの?」

「私たちは、シュークリーム!」

「えぇ いいなぁ~!」

「案外、生地が難しいんだよ。」

「そうなんだ?・・・・・・ シュークリーム 美味しいよねぇ~。 あぁ楽しみ。」

「ってか、志波くんのためじゃなくて、完全自分用になってない?」

「へ?は、ははは・・・。まぁ、みんなで食べれば、きっと志波くんも喜ぶ!」

「ははは、ようこちゃんらしい。」

「へへへ。」

わいわい、わいわい、お菓子作りは進む。

「ハリー、これ、泡立てて!」

「あん? この機械でやるんだろ?」

「うん。」

「どれ?」

ハリーが電動泡だて器のスイッチを入れる。

「う、うわぁ~~!」

「きゃ~~~! も、もう!!ハリー、クリームが飛んできたぁぁぁ!」

暴走する泡だて器から、私めがけて生クリームが飛んでくる。

「ははははは、オマエ、顔じゅう生クリームだ。」

「も、もう!笑い事じゃないってばぁ!」

「鼻にもついてるぞ。」

「えええ?」

私が手で鼻をぬぐおうとしたとき、

『グイ』

ハリーに腕を引っ張られた。

『ペロリ』

「きゃ・・・。」

「あめぇ~!うめぇ~!」

ハリーの顔が目の前にある。

「ばかっ!」

「ははっ!」

クリームついた鼻をハリーの舌がぬぐって行った。

「ん、んー!」

その声に振り向くと、瑛くんが呆れた顔で立っていた。

「はいはい、ラブシーンはべつのところでやれ!

ったく、おまえらは・・・・・・・。」

ハリーは、さっと離れてちょっと赤い顔。

「て、瑛くんの方は、出来たの?」

私が慌てて聞くと

「もう、シュー生地を焼き始めたからあとは焼き上がりを待つだけだ。

さっさと生クリーム作らないと、間に合わないぞ。」

「ごめん・・・・。」

「ま、おまえたちのことだから、期待はしてないけど。」

「ひっど~い。」

「・・・・・・ぶっ!」

「な、なに?」

「おまえ、顔洗って来いよ。くくくくくっ。」

私の顔を見るなり、吹き出しそうなのをこらえてる。

「もう、なによ?」

大騒ぎのケーキ作り。笑って笑ってあっという間に時間は過ぎて行く。

こうやってみんなで一緒に過ごせる時間がずっとずっと続けばいいのに。

高校3年の秋。

次にめぐってくる秋には、みんなバラバラな世界にいるのかなぁ。


「そろそろ、時間だな?」

瑛くんが時計を見る。

「あ、本当だ!志波くん、来ちゃうね。」

「今年もクラッカー用意してあっぞ!」

ハリーがにこにことクラッカーの袋を持ち上げた。

「ようこちゃん、志波くんを迎えに行ってきなよ。」

「そうだね。わかった。」

私はエプロンをはずして珊瑚礁を出た。

外は、もう暗くなり始めてる。

志波くん、ちゃんと来るかな?

私は、携帯を開いた。

メールを打とうとしたその時、携帯が震えだした。

〃新着メール1件〃

志波くんからだ。

= 部活、終わった。これから珊瑚礁へ行く。 =

短い文章。志波くんらしい。

= 部活、お疲れ様。うん、気をつけてね。階段の下で待ってるよ。=

返信を書く。

北風が少し強い。

(さむ・・・。

上着、おいてきちゃった。

また、階段上るのも面倒だし、ま、いっか。)

私は、少し震えながら志波くんを待っていた。

しばらくすると、夕闇の向こうに近づいてくる人影が見えた。

「ん?・・・・志波くんかなぁ?」

影はだんだんとはっきりしてくる。

(あれ?走ってる? ふふ、部活終わってもトレーニングかな?)

夕闇の向こうから志波くんが走ってきた。

「志波く~~~ん! そんなにあわてなくていいよ!」

急いでる志波くんににっこりと手を振って叫ぶ。

「ハァ・・・ハァ・・・。」

息が上がって志波くんは私の前にやってきた。

「もう、そんなあわてなくても大丈夫だよ。」

「ハァ・・・。悪い・・・。おまえ、この寒いのに、そんな恰好でずっといたのか?」

「あ・・う、うん。店に上着おいてきちゃって、取り行くのが面倒だったから。」

『サッ』

志波くんの大きな手が私の頬に触れる。

「冷たい。」

「あ、うん、ちょっと寒かったから・・・。」

志波くんは制服の上着を脱ぐと私にかけた。

『フワッ』

「え?あ、ありがとう・・・。ふふ あったかい!」

志波くんの大きな上着があったかかった。

上着を握ってニコリと笑うと

『ギュッ』

急に志波くんが私を抱きしめた。

「え・・・。」

「冷たい。・・・・・おまえの事だから、この寒いのに外で待ってるんじゃないかと思って・・・。」

「それで、走ってきたの?」

「あぁ。」

「あんなに急いで?」

「・・・じゃないと、おまえが凍るからな。」

「ひっどい~!」

突然、抱きしめられてびっくりしたけど、志波くんの腕の中はとってもあったかかった。

「頭まで冷たい。」

志波くんが私の頭をくしゃくしゃしてる。

「もう!・・・・・・あ。」

「なんだ?」

「お誕生日、おめでとう。」

見上げた志波くんの顔がいつもより近くてちょっとドキッとした。

「あ、あぁ・・・・。」

目が合った志波くんは慌てて目をそらして私の髪をさらにくしゃくしゃして一歩離れた。

北風がまた少し強く吹く。

「さ、寒いから、行こう。」

私の声に志波くんはうなづいた。

「ほら。」

大きな手が私の腕をひっぱった。

「え?」

「階段! ひぱってってやる。」

そう言って、志波くんは階段を上がり始めた。

「ありがとう。」

「いや・・・・。 ありがとうはおれの方だ。」

「え?なんで?」

「誕生日。」

「え?」

「覚えててくれたから。」

「ふふ。忘れないよ。もうずっと!」

「・・・。」

「志波くんも、瑛くんも、みんなの誕生日、絶対忘れるわけないじゃん。」

「・・・・だろうな。」

「ん?」

「いや、・・・・・・それでいい。」

「え?」

「なんでもない。」


珊瑚礁の入口について扉を開けると

案の定、ハリー、瑛くん、かおちゃんのクラッカーの嵐。

またやられたのかと苦笑いの志波くんは

目の前のテーブルいっぱいのケーキやスィーツに目を輝かせた。

「みんなで作ってみた。 今回はスィーツ食べ放題だよ!」

私が得意げに言うと

「おまえと針谷はほとんどできてなかったけどな。」

瑛くんにコツンとされた。

「もう! 一応、がんばったんだからね。」

「サンキュ。みんな。」

「よっしゃぁ~  志波 誕生日 おめでとう~~~~!」

ハリーが歌う。

ハッピーバースデー 志波くん☆

今年も素敵な一年になってね☆

みんなみんな 志波くんの事 大好きだから。


「ところで、オマエ、なんで 志波の上着着てんだよ?」

「あ・・・・。 そうだった、返さなきゃ。」

「・・・・・。」

ハリーがちょっと不機嫌ににらむ。

「へへへ。」

「ま、いいや、志波の誕生日だから!!

さ、オレもケーキ食ってこよう~。」

ハリーはケーキの並ぶテーブルへと目を向ける。

「ハリー?」

「・・・オマエは どこにいても オレだけのもんだ。」

「え?」

にっこり笑ってウインクして

「さぁ~ ケーキだ ケーキ!」

ハリーが嬉しそうに歩いて行った。


秋の終わりの誕生日。

みんなの色んな思いを込めて。