ブロ友さんの素敵な画像を見て ネタ頂いちゃいましたぁ~☆(勝手に^^;) やっぱりハリーだよなぁ~
そんなところが大好きです☆
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「遅いな、ハリー・・・。」
下駄箱の前、放課後の学校は帰り道を楽しそうに行く生徒達の笑顔があふれてる。
みんな、今日はどこに寄り道するのかな?
花壇のレンガの台に腰掛けて楽しそうな下校のカップルを眺めていた。
「ねぇ、ねぇ、アナスタシアの新作食べに行こうよ。」
「またケーキかよ?」
「いいじゃん、好きなんだもん。」
「太るぞ。」
「もう!ひっど~い。」
カップル達の楽しそうな笑顔。
そっか、新作ケーキ出たなんだな。
ハリー、誘ってみようかな?
最近、バンドの練習か、バイトで二人で出かけるのってなかったし
学校の帰りも寄り道もしてないしなぁ~。
それにしても、おっそいよぉ!
今日は、ハリーは追試!
若ちゃんの小テスト出来なかったから・・・。
今日は、若ちゃん厳しく教えてるのかなぁ?
それにしても・・・寒いし。
「先輩!」
その声に振り向くと、天地くんだ。
「天地くん。」
「どうしたんですか?そんなところに一人で?」
「あ、うん・・・。」
「待ち合わせですね?」
「え?まぁ・・・ね。」
「しょうがない人ですね。針谷先輩は!
ボクならこんな寒い中、先輩をこんなに待たせたりしませんよ。」
「え?あ、あの・・・べつに私が勝手に・・・。」
「先輩と一緒に帰りたかったですけど、これから部活なんで・・・。」
「そっか、応援部ね。」
「オス!」
「ふふ。頑張ってね。」
「はい! 先輩も風邪引いちゃいますから、中に入ってた方がいいですよ。」
「気遣いありがとう~!」
「それじゃ、失礼します!」
天地くんはエンジェルスマイルで去っていった。
はぁ・・・。
本当遅い・・・。
教室に見に行ってみようかなぁ?
私は立ち上がり、正面玄関へ入ると
「あれ?ようこ?」
「ま、真咲先輩?」
「オウ! どした?こんなところで。」
「あ、せ、先輩こそ・・・。 配達ですね?」
「おうよ!いつものやつな!ったく校長は人使い荒いよ!」
「ふふ。真咲先輩だからじゃないですか?」
「なんだよ!それ!」
私たちは顔を見合わせて笑う。
「・・・おまえ、鼻赤いぞ!」
真咲先輩がそっと片手を私のほっぺに乗せた。
「え・・・。」
「つめて~なぁ。おまえ、こんな冷たくなってて風邪引くぞ?」
「だ、大丈夫です。」
相変わらず、優しい先輩。
いつでも頼りがいのあるお兄さん。
急に、そんなことされるとドッキリするよ・・・。
「配達終わったし、乗ってくか?車。」
「あ、いえ、大丈夫です。」
「遠慮しなくていいぞ。」
「いえ、本当に・・・。」
そんなやりとりの最中。
「何してんだよ?」
いつもの澄んだ通る声が響いた。
慌てて振り向いた。
「ハリー! お、遅いよ!」
「わりぃ、わりぃ、若王子がなかなか帰してくれなくて。」
「もう、ゆきだるまになるところだったんだから。」
「は?ゆきだるま?・・・つーか、・・・帰るぞ!」
ハリーは、真咲先輩の顔を見て
私の腕をがしっとつかんだ。
「わりぃけど、先約済みです、先輩。」
「はいはい、わかってます!」
真咲先輩は苦笑いして
「じゃあな、ようこ!またな。」
「は、はい!真咲先輩、また!」
私に手を振ると正面玄関から出ていった。
「・・・ったく、オマエは本当に・・・。」
「なに?ハリー?」
「な~んでもね~よ!」
「ハリーがいつまでも来ないから。
ほっぺだって・・・冷たくなって・・・。」
「どれ?」
ハリーがいきなり振り向いて
両手で私のほっぺを触る。
「きゃ!」
「な、なんだよ?」
「きゅ、きゅうに触るから・・・。」
そ、そんなことされたら・・・。
「さっき、花屋にもされてただろ?」
「見てたの?」
「べつに!」
「あれは、きゅ、急にだし、だから・・。」
もうその大きな目でじっと見ないでってば!
「・・・しょうがね~な。マジつめて~から許してやる。」
「え?」
「ごめんな。待たせて。」
「ハリー・・・。」
『ブンブン』
ハリーの両手ごと首を振る。
「今度からは教室でまっとけよ。」
「うん。」
「じゃ、帰るか!」
「ね、アナスタシア行きたい!」
「は?」
「新作のケーキ出たんだって。」
「ふうん。・・・ま、オマエ待たせちまったし・・・行くか。」
「うん! わ~い ありがとうハリー!」
「よし、寒いから 走ってくぞ!」
「え~~~!」
ハリーは私の手を握ると走り出した。
アナスタシア。
「もう!ハリーってば急ぎすぎ・・・ハァハァ。」
「オマエ、体力無さ過ぎ!今度、一緒にトレーニングだな。」
「もう!」
自動ドアを開ける。
中はやはり、すごいお客さん。
「いらっしゃいませ。」
店員さんの声が鳴り響く。
「新作ケーキ2つ!」
ハリーが店員さんに声をかける。
「申し訳ございません。新作は先程売り切れまして・・・。」
「はぁ?」
「え~!」
私たちは声を合わせる。
「マジかよ?」
「え~ 残念~ 食べたかったのに・・・。」
「あれ?ハリーやん!ケーキ買いに来てくれたん?」
どっかで聞いたことのある声・・・。
そっと振り向くと・・・。
西本はるひがいた。
「「あ・・・。」」
お互い顔を見て声を合わす。
「アンタも一緒やったんや。ふうん。」
「え、まぁ・・・。」
「な、ハリーこの前のあの雑誌見たん?」
西本はるひはハリーの腕を引っ張った。
「に、西本!」
「こないだ、言うてたやつやん!」
「こないだ?」
私がハリーを見ると
「あ、が、学校でな、そういやそんなこと言ってたよな。はは・・・。
ってか、新作のケーキね~のかよ?」
「あ、ごめ~ん!さっき最後の一個が売り切れたんよ。
ハリーが来るなら残しておいて・・・。」
「べ、べつにいい!じゃ、新作ねーなら、またな!」
ハリーは私の腕を掴んでアナスタシアから飛び出した。
ハァハァハァ。
また走らされた・・・。
「もう!ハリーどんだけ走るの?」
「わりぃ、西本にからまれるとなげ~から。」
「っていうか、雑誌の話したんだね。」
「ち、ちげ~よ、たまたまアイツが雑誌持ってきて・・・。だから、それ見て・・・・。」
「ふうん。」
「な、なんだよ?なにもないからな!」
「・・・。」
「お、おい!」
「うっそ!おあいこだよ!」
「オマエ~!」
「ははは。私だって先輩とはなんでもないもん。」
「・・・ったく!」
「ふふ。」
「はぁ・・・。走ったら喉渇いたな・・・。
ケーキも食えなかったし・・・なんか・・・。あっ!!!!」
「え?」
「ちょっと待ってろ!」
ハリーは私を置いて掛けだした。
「ちょ、ちょっと!・・・もう、ハリーったら!」
しばらくするとハリーがソフトクリームを片手に帰ってきた。
「待たせたな。」
「え?ハリー! ソフトクリーム?」
「オウ!うまそうだったから。」
「冬だよ、寒いよ?」
「はぁ?走ってきたから寒くね~よ!」
「まぁ、確かに。」
「ほれ!」
ハリーが差し出す、ソフトクリームを一口食べる。
「美味しい!」
「だろ?だから言ったんだつーの!」
「ふふ。」
「ま、オマエとなら 何食ってもうめ~けどな!」
「え?なになに?」
「な、なんでもね~よ、フレーズだよ フレーズ!」
「ん?」
「早く食わないと溶けるぞ!」
「あ、やだ!」
!!!!!!
と、タイミングよく二人でソフトクリームに口づけた。
「ん・・・。」
冷たくて甘いアイスの中に
ちょっとだけあったかいハリーを見つけた。
『チュ☆』
<冬のソフトクリーム(ハリー編) 完>