強迫症状を抱えた著名人 | ジョン・コルトレーン John Coltrane
2007年06月21日(木)

強迫症状を抱えた著名人

テーマ:ジョン・コルトレーン・エピソード集

喪の作業、そして強迫的儀礼としての?〈2〉


コルトレーン、ヘロインを断つ その34



仕事にせよ遊びにせよ、他のことを余所にして一心不乱にあることに打ち込んでいたりすると、オブセッシヴだ、と言われたり、言ったりする。そしてそこには何物かに取り憑かれたような、といった比喩的なニュアンスが込められることもある。オブセッシヴな行為に結果が伴えば賛嘆の意と共に口にされるが、その結果に受け止める側の理解が及ばなければ敬遠が意図され、結果が伴わなければ揶揄と侮蔑があからさまに或いはこっそりと舌を出す。


他方、オブセッション obsession、オブセッシヴ obsessive は、紛れもない精神疾患としての強迫的な症状を指示するのにも使われる。精神医療では一般に強迫観念には obsession、強迫行為には compulsion と、使い分けているみたいだが、ただ通常の用法では obsessive や obsessively は行為にも観念にも共に使われている。


だが特別な能力としての強迫性と、病理としての強迫性の区別がよくわからない。例えば、コルトレーンがプロのミュージシャンになることを可能にした練習や、ずっと後に達成された数多の偉業はある種の病のなせる業なのか、それともそこに病理を認めるのはとんだ筋違いで、両者は全くの別物なのか。ここで窮してどうにも先へ進めない。そこでちょっと設問を変えてみる。強迫性の症状を持ちながら偉業を成したとか頗る有能であった(或いは現に有能な)人達はいないものか。


精神病(統合失調・精神分裂)の「天才」だったらゴッホやらシューマンやらすぐに思い浮かぶ。しかし強迫神経症の「天才」ってのはあまり耳にしないので不安だったが、さっそく検索してみた結果、18世紀の文学者サミュエル・ジョンソン、作家の泉鏡花、和光大学教授の岸田秀(心理学・精神分析学)、サッカーのウィリアム・ベッカム、映画プロデューサーのハワード・ヒューズ等の名前が出てきた。まあ、「天才」ではないかもしれないが有能な人たちがいることはいるわけだ。そういや異才戸川純も児童期に強迫症状を持っていたっけ(『樹液すする、私は虫の女』参照)。強迫症状を抱えつつ、それなりの(或いは大変な)業績を残した人々は確かに存在する。ただハワード・ヒューズだけは強迫症状が昂じて晩年は隠遁生活に追い込まれちゃったみたいだけど。



泉鏡花:汚染恐怖、確認強迫
・『群像日本の作家5 泉鏡花』(小学館)、吉村博任「病跡学から見た鏡花」/登張竹風「鏡花の人となり」

健康ネット「老年期の神経症」

精神科カウンセリング 「強迫神経症の相談」
目玉おやじのブログ 「文人悪食」
真サンドラブロックス 「ビデオカメラが壊れたよ」
ふくろう通信 「不潔恐怖と強迫神経症」
Wikipedia 「泉鏡花」逸話



サミュエル・ジョンソン:入室時の儀式(決まった歩数といつも同じ側の足で)、「正しい」足の屈伸へのこだわり
・リー・ベアー『強迫性障害からの脱出』(晶文社)p.22-23
・ジェイムズ・ボズウェル著、『サミュエル・ジョンソン伝』(みすず書房)



岸田秀:強迫観念

・岸田秀『ものぐさ精神分析』「わたしの原点」(中公文庫)
・岸田秀&町田静夫『自己分析と他者分析』(KKベストセラーズ)
・岸田秀『唯幻論物語』(文春新書)



ウィリアム・ベッカム:完全主義、数(偶数)・配列(直線)への執着
小さなことが気になるあなたへ 「サッカーワールドカップドイツ大会を前に、デイヴィッド・ベッカムがOCDを告白」
さびしんぼうのブログ♪ 「ベッカム、強迫性障害を告白」
海外ボツ!NEWS 「ベッカムが強迫神経症を告白」
ABCdane.net 「デヴィッド・ベッカムが強迫性障害に悩まされ続けていると語る」
医学処 「強迫性障害をカミングアウトしたベッカム」



ハワード・ヒューズ:汚染恐怖、洗浄儀式、髪・爪を切れない、自身の糞尿を処分できずに貯留する。
・リー・ベアー『強迫性障害からの脱出』(晶文社)p.23-25
All About 「心の病気と有名人VOL6 バイ菌を恐れた大富豪」



さらに、ネット上で公開されているピアニスト青柳いづみこのエッセーには『強迫性障害』 (*)のタイトルで3人の著名なピアニストの名前が挙げられている。アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、クリスティアン・ツィマーマン、エレーヌ・グリモー。クラシックだけど、同じミュージシャンだからミケランジェリとグリモーというかなり傾向の違ったサンプルを他の資料で補足しつつどんな感じか具体的にみてみよう。ちなみにツィマーマンの場合は、自宅スタジオでレコーディングするが、完璧主義のあまり満足のいく結果がなかなか得られず、テープばかりが累積して肝心のアルバムが一向に完成しない、という「症状」(ちょっとだけ誰かさんに似ている。でも同じじゃない)(詳しくは上記エッセーを参照せよ。というか、ツィマーマンについては資料が見つからなかったというのが実状)。 (つづく)
(*)『6本指のゴルトベルク』第8回、岩波『図書』2007年2月号。このエッセーでは以上の3人に加え、ノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクの小説『ピアニスト』に言及されている。訳あってここでは触れない。後でちょっとだけ突っつきます。




◆ジョン・コルトレーンに関連してその他


『ジョン・コルトレーン 『至上の愛』の真実』 / 『コルトレーンを聴け!』



◆ジョン・コルトレーン・サイト


Trane's Works 55, 56 / ジョン・コルトレーン年譜




コウタ姐 目次


コルトレーン、ヘロインを断つ 目次

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