タロットカードの21番「世界」にも見られる、輪(蛇の象徴)の頂点がウロボロスの尾と頭であり、その頂点と旧暦の閏月について。

ウェイト版タロット「世界」

 この人物がいる、蛇に囲まれた世界は、月の女神の子宮であり、そこに秘められた無限の創造力を行使しているといえます。
 言い換えるなら、ウロボロスはその全身をもって、月の女神の女性器を表し、その頂点である秘められた陰核が開くのが、19年に7回しか現出しない閏月。
 そして古代中東の神話においては、そのとき彼女の御子である豊穣神マルドゥク・バアルが、へびつかい座に化身して、貴重な雨期の到来を告げると信じられていたのでしょう。
 そしてその周期を捉えるべく、暦法が発達したと言えます。

へびつかい座と閏



 古代中東の神話が、貴重な実りに女性的な力を絶えず求めたからこそ、性魔術的なニュアンスが強くなったと考えられます。