君の語るその声色は、リズムは、どんな音楽よりも素晴らしい。


過去のどの天才が作り上げた音楽より、はるかに俺の心を慰める。


まだ幼い、幼い、小さい君の放つ、不完全な、頼りない声は、小川の流れのような、長い坂道をころころころがる鈴のような、青空の中の白い月のような、くすぐったい、やさしい、甘い、切ない、楽しい、最上の音楽だ。











お願いだ、なんでもいいから、語りかけてくれないか。


世の中の、ありとあらゆる苦悩から、ひとときでも脱却できるのは、君という音楽があるからだ。








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