A:父の意見
父も同様の悩みを抱いた時期がありました。
でも、あることがきっかけで、それは杞憂であると悟りました。
つまり、旅に出よ、ということです。
きみが悶々としているのは、「気付き」の無いせいです。
何の疑問もいだかず、同じ環境から抜け出せないで、毎日同じ景色ばかり見、同じ人とばかり会い、同じタイムテーブルにしたがって行動し、頭はこり固まってしまう。
しかし、きみはまだ若いし、力もある。
息子よ、旅に出なさい。旅に出られるうちに、出発しなさい。
旅先でいろんな事件と相対しなさい。いろんな女と出会い、やさしくしてあげなさい。愛し、愛され、傷付きなさい。
100冊の本を読むのもいいが、見知らぬ土地の見知らぬ人々から教えを頂きなさい。
滅茶苦茶な、支離滅裂な、破壊的なエネルギーと対峙しなさい。
それらは、よほどきみに知恵をつけてくれる。
旅先では、さまざまな事件があるだろうけれど、それは必ずきみの強さのもとになる。
旅を終えたあと、きみがいままで見慣れてきた風景ですら、実は旅の途中であるということに「気付く」はずです。
朝、目が覚めたとたん、新しい旅が始まっている。
日々発見があることに気付けば、悩むことなど無いのです。
どうやって出発をしたらいいのか分からないなら、分からないままでかまわないから、今居る場所からどこへでも歩き出せば良い。同じ場所に居なければいけないなんてことは、必ずしもないんだよ。そして、出発のときから、きみの、きみだけの本当の人生が始まるのです。
いってらっしゃい。きみには帰る場所があるのだから、心置きなくいってらっしゃい。