神秘主義者が取り沙汰する奇跡や啓示の類は、真理の表層に点在する、染みのような、澱のようなものなのかも知れない。
それらは一見、トリックじみた「もの凄いこと」の様に見えるが、飽くまでもデモンストレーションの域を出ていない。真理とは、実はとても簡単で普遍的で親しみやすく、しかし、我々が捉えようとしても簡単に辿りつけぬほど底深く、天高いものだと思う。大海の水の様に、大空の大気の様に。
どんなパワーよりも「ゆるしてあげるよ」という「肯定」の力強さを持ち続けるのが、難しい事だが、より真理に近いような気がする。
