有給消化は気楽なものだ、次の仕事が決まっているなら尚更である、そんなふうに思いながら、日々無益で怠惰な時間を食い潰し、気付けば12日が経っていた。
何もしない12日間は、12という数字が無意味なほど、ただ流れ去ってしまった。
それが例えば5日間でも2日間でも、数字に意味は無い。何もしないことに時間の観念は無縁だ。
俺の時間は、2009年2月23日から止まったまま動いていない。
例えばこのまま何もせず、ぼんやりとその日暮らしをするなら、きっと老衰で死んでしまったとしても、俺の時間は2009年2月23日のままだろう。
そう考えると、急に恐ろしくなった。
俺の時間の歯車を動かすために、何かを始める必要があった。
幸い、俺の日記の末尾には、俺が一生のうちにやらなければいけないことリストがあったことを思い出した。
リストには72個の項目があり、その殆どが未着手のまま、ただ文字に直されたまま、ほうったらかしになっていた。
12日の一瞬は、このリストを思い出させるための「警告」ではなかったのか、今となってはそう思えなくもない。
光陰矢の如し、少年老い易く学成り難し、時は金なり、いろいろあるが、先人の教えに間違いは無いようである。![]()