付いているモノは皆一緒なのに、なぜ皆、違う相手を渡り歩くのだろう。
マスターは言った。
「性欲は一種の征服欲なんだよ。山登りみたいなもんだ」
確かに、あそこばっかり見て腰を振っている訳じゃない。どちらかといえば、顔を見ている。眼差しを、表情を見ている。
きっと不安なんだな、お互いを見合いながら事に及ぶっていうのは、自分を好きで居続けてくれるかを確認する作業なんだろうなあ。
そして、相手の頭ン中が自分で埋まっちまう刹那、登頂の喜びに近い感動を味わう、そんな相手を捜し求めるのだ。






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