スカンク(オッキオ)というガラスビーズは通称アイ・ビーズと呼ばれ、「目」をモチーフにした水玉模様が特徴である。
これら目をモチーフにしたビーズの源流は、3000年前のエジプトであり、それを皮切りに破邪の力を持つビーズは街道を行き交う旅人たちにより広く流布した。
それを遡ること2000年、古代インダス文明の中にエッチドカーネリアンは誕生し、そのモチーフのひとつにスカンク同様の「目」を見出す事が出来る。
インドとエジプトを隔てる距離に「目」の魔力についての一致があったと推測するのが自然だが、いわゆる「目」信仰は何を根拠に何処から発生したものであるか、非常に興味深いところである。
西アジアから発掘されるガラスビーズに「目」のモチーフが多いのも、同時的継時的な意思を感じる。
目は東に渡ってジービーズとなり、現在においても信奉する者が絶えない。
ベネチアからもたらされた「メディスンマン」という白もしくは黄の地に水玉を施したビードは、西アフリカにおいて破邪のビードともてはやされた。
我が国固有のビーズ「勾玉」の、紐を通す穴を「目」と呼ぶ。この「目」が力強く大きいほど、その神通力は絶大とされるが、ここにも「目」信仰がある様な気がしてならない。



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