エジプトの友人がFacebookにとある写真を載せてて、もう3年も経つんだ~と思った。

{D4D6B6F6-8D8F-4A3E-8397-F72904B46822:01}


写真のエジプト人男性は、元カイロ国立オペラバレエ団の芸術監督と劇場の総監督でした。
アブデル・モネム・カーメルさんでいつもマイクで怒鳴ってるからDr,マイクとみんな呼んでました。


彼には本当にお世話になって、18歳で何もわからないままエジプトに働きに行って一年で帰る予定だったのに7年半も働けたのは当時芸術監督がDr,マイクだったからというのはとても大きい理由でした。


入団初の大事な最終リハーサルで初めてDrマイクに会った時に

『君は新人か、何語がわかるかい?』という問いに

真剣に『日本語です』と答え、そんなのわかってるわ、英語かアラビア語かロシア語かどれか
聞いてるんだ!と怒鳴られたの覚えてます。


それから彼を見かけるたびに逃げ回ってましたが、ビザの申請や飛行機チケットトラブルなど
外国人特有の面倒臭い問題にも嫌な顔一つせず周りを怒鳴りつけて(笑)手続きを手伝ってくれました。


彼がリハーサル室に入ってくるだけで、シーンとなりDrマイクが明日リハに来る!というだけで前日から大騒ぎだったり、バラバラだった団員が一致団結したり....etc
とにかく監督とかリーダーとかに相応しい方でした。


私が21歳で初めて主役を踊った時も、Drマイクの推薦でした。

リハーサルでパートナーと喧嘩たり失敗続きで泣いてた時も『男なら黙って謝れ!踊れないのはパートナーのせいだ!』と怒鳴りつけたり(ほんとゴメン!って思った笑)

{DC22549B-72AB-4B3F-BB5A-D03C5A75A77B:01}



本番一週間前に、肋骨や足を負傷してた時に呼び出されて『薬を飲んででも絶対踊れ。踊らないのは許さない。』と言われて、気が引き締まり踊らなかった時の恐怖の方が痛さよりも勝ち、無事に踊りきることができました(笑)
この時は日本から遥々母もエジプトに公演を観に来てたので、まさか棄権ということは出来なかったので気持ちを奮い立たせてくれて感謝してます。
その肋骨も足も未だに痛みますが(笑)


その後も、革命から遅れてバレエ団に戻った時も私の役を違う人がやっててリハーサルにきたDrマイクは『リザ!なんでお前が踊ってないんだ!?』と叫ばれ、シーンとした中、『すみません、今から踊ります』というやりとりがあったり.....


すっごく厳しくて、団員で泣いてない人はいないくらいキツい事言って、いつも怒鳴っててあんまり笑った顔見たことなかったけどカーテンコールでは必ずハグしてくれて笑顔で声をかけてもらって。やっててよかった。諦めないでよかったと毎回思いました。

{1FDAC4ED-99F2-4DBB-838A-7085D4996EB3:01}



バレエを愛していて、常に真剣でリーダー的カリスマ性のある人で、もう会えないと思うとなんだか寂しいです。

{9D2ADE39-9F75-4E85-92BC-F1E03D3BB7E7:01}



久しぶりにDrマイクに会いたいなぁ~。
また怒鳴られるんだろうな(笑)