ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.146 (2026.8.19 報告)【キューバ】 | リブ・イン・ピース☆9+25

リブ・イン・ピース☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.146 

(2026.8.19 報告)【キューバ】


(米帝による封鎖強化=「経済戦争」の下での危機に対処する新たな大改革 要点)

• 今回のような市場経済を導入する改革の必要性は、15年前に2011年の共産党大会で提起され、それ以来議論されてきた。だが、表面的には社会主義経済を前進させることに対する「一定の後退」といえる改革なので、また不平等を招くということへの反発によって、実施に移されないままできた。 / しかし、その下でさまざまなマイナス面が生じていたことも自覚されていた(具体的な内容は後の記事参照)。 / 「経済戦争」と表現されている現在の米帝による極度の攻撃・圧迫の下で、もはや実施に移さないままでいることはできないという判断が下され、176項目からなる包括的な経済対策パッケージが国民議会で全会一致で承認された。 / ディアス=カネル大統領は、トランプ政権をかつてのドイツ・ファシズムに匹敵する「ネオ・ファシスト政権」と規定し、次のように述べている。キューバの現状は「緊急かつ必要な変革を求めている」。道のりは険しいが「困難を乗り越えようとする私たちの意志は揺るぎない」。「解決策が存在しないものはないという確信」をもって取り組み、「困難が克服不可能に思えるような最も暗い時においても」人民の「団結の中に打ち勝つ力を見出す」と。
• 今回の改革は1921年にソ連で開始されたレーニンの「新経済政策(NEP)」になぞらえられている。1978年以降の中国の「社会主義市場経済」や1980年代のベトナムの「ドイモイ(刷新)」に相当するという指摘もあり、それも一定の妥当性を持っている。 / 経済的な意思決定においては、労働者、協同組合、自治体、地域社会などの人民の役割を拡大することが不可欠な要素となっている。
• (改革の具体的な内容とキューバの現状については後の記事参照。)
•  キューバへの連帯・支援の拡大。「ALBA運動」の第4回大陸会議が8月6~9日ハバナで開催され、キューバへの連帯が確認された。(詳しくは最後に。) / 中国が5,000基の太陽光発電システムを寄贈(2度目)。また、米6万トンを寄贈。
• 米帝国主義による経済封鎖の強化はベネズエラに対する攻撃と連動。米帝は、1月3日の攻撃とマドゥーロ大統領夫妻の拉致・連行以降にベネズエラを経済的に支配し、石油の輸出入についても掌握。その下で、ベネズエラの石油にエネルギー源の50%を依存してきたキューバに石油封鎖を実施。さらに、キューバに物資を輸送するあらゆる国に制裁を課すことで、この封鎖措置を世界規模に拡大。 / 2026年に入ってからの7ヵ月の間に、キューバに入港できた石油タンカーは1隻のみという状況。食料、エネルギー、水資源、医薬品などを積んだコンテナ7,000以上が、カリブ海のさまざまな港で足止め。
•  医療と教育でのキューバ革命の顕著な成果と国際的貢献。 キューバは、無償の医療制度を確立。数十カ国に医療サービスを提供。医療における先端技術で世界水準に達し、医薬品の60〜70%を国内で生産。 / 他国への医療団の派遣は、1963年から始まり、165ヵ国にまで拡大。2005年に「ヘンリー・リーブ」医療団が結成され、現在、2万4,000人以上のキューバ人協力者が56カ国で活動。 / 教育制度でも、あらゆる段階の教育が無償。「ラテンアメリカ医科大学」は122ヵ国から3万1,200人以上を受け入れ、無償教育で医師を育成し輩出。

           ――  ――  ――  ――  ―― 

(米帝による封鎖強化=「経済戦争」の下での危機に対処する新たな大改革)

【これまでは新しいものが上で古いものが下という順でしたが、今回は上から下へ古いものから新しいものへという順にしました。 / 重要な長文の論説がいくつもありますが、できるだけ縮めて、全体を短くするように努めました。】

teleSUR June 18, 2026 Hour: 11:25 am
Cuban Economic Reforms to Address the Crisis Caused by U.S. Blockade: Diaz-Canel
(キューバ、米国の封鎖によって引き起こされた危機への対応として経済改革を実施: ディアス=カネル大統領)

https://www.telesurenglish.net/cuban-president-diaz-canel-announces-economic-reforms-amid-severe-crisis/
6月18日、ミゲル・ディアス=カネル大統領は、臨時総会で共産党(PCC)が承認した経済改革パッケージに言及し、キューバの現状は「緊急かつ必要な変革を求めている」と述べた。 【以下、略】 【ディアス=カネル大統領の演説全文がGranmaにある。
https://en.granma.cu/cuba/2026-06-18/reality-demands-urgent-and-necessary-changes 】

teleSUR June 19, 2026 Hour: 12:35 am
Cuba Approves 176 Structural Transformations to Overcome U.S. Blockade
(キューバ、米国の封鎖を克服するため176の構造改革を承認)

https://www.telesurenglish.net/cuba-approves-structural-transformations/
 2026年に入ってから現在までに、米国の石油封鎖の影響でキューバに入港できた石油タンカーは3月に1隻のみ。同時に、5月に発令され6月に発効した新たな一方的強制措置により、キューバで事業を行う外国企業には厳しい制裁が科される。
 キューバ国民議会は、6月18日、米国による一方的な制裁強化に対抗し、キューバ革命の成果を守るための176項目からなる経済・社会改革案を全会一致で承認した。
【以下、略】 

Orinoco Tribune June 25, 2026 By C.J. Atkins – Jun 22, 2026
Socialism Under Siege: Cuba Embarks on Emergency Reforms To Survive
(包囲下の社会主義: キューバ、生き残るための緊急改革に乗り出す)

https://orinocotribune.com/socialism-under-siege-cuba-embarks-on-emergency-reforms-to-survive/
【前略】 6月18日、キューバの人民権力全国議会は、マヌエル・マレロ首相が議員に向けた2時間近くに及ぶ演説で提示した176項目からなる包括的な経済対策パッケージを全会一致で承認した。 ・・・
 【中略】
 改革の内容 変更の範囲は広範にわたり、事実上、国家経済のあらゆる領域に及んでいる。外国投資家は、もはや国との合弁事業を設立する必要がなくなり、すべての対外投資においてキューバ政府を必須のパートナーとすることを求めてきた長年の規定が撤廃される。また、民間銀行が初めてキューバの金融セクターに参入することが認められ、数十年にわたる国家独占体制に終止符が打たれる。
 一般的な価格統制は撤廃される。政府は、この統制がインフレ抑制に失敗したばかりか、むしろ製品を闇市場へと流出させる結果を招いていたと認めた。今後は、最も弱い立場にある人々を対象とした補助金制度へと切り替えられる。
 私有財産に関しては、今回の改革は過去の慣行から大きく転換するものである。マレロ首相の発表によれば、国有資産は、今後「海外在住のキューバ人を含む国内外の法人および個人」に売却可能となり、民間による不動産開発も数世代ぶりに許可されることになる。 民間企業については、従業員数の上限が撤廃され、資本を持つ人々が事業を立ち上げたり拡大したりする機会が開かれる。また、キューバ人は複数の事業を所有したり、複数の企業の株式を保有したりすることも認められる。株式会社を含む新たな企業形態も許可される見通しである。これらは、市場経済では一般的であるが、株式の売買が資本の集中や富の不平等を招く恐れがあるとして、キューバでは歴史的に導入されてこなかった。
 労働面では、民間事業者が自由に雇用を行えるようになるほか、国の仲介を介さない直接的な輸出入も許可される。キューバ人・外国人投資家の双方が、かつて国営だった企業の株式を取得できるようになる。マレロ首相が議員らに語った通り、これらの措置は市場を「資源の効率的な配分手段」として正式に認めるものである。
 封鎖が変革を促す こうした改革の背景は明らかである。キューバのGDPは2020年以降少なくとも15%縮小しており、「国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)」は2026年末までにさらに6.5%縮小すると予測している。これにより、キューバは、同地域で2年連続して最も経済状況が悪い国となる見込みである。
 30時間を超える停電が日常化している。食料、燃料、医薬品、飲料水が慢性的に不足している。国連のフォルカー・テュルク人権高等弁務官は、医師が基本的な医療物資を入手できないために「子どもたちが命を落としている」と警告している。
 この差し迫った危機の原因は、トランプ政権による石油封鎖、そして66年に及ぶ米国の経済封鎖全体にある。 2026年1月、米国によるベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領の拉致・連行を受け、トランプ政権はベネズエラからキューバへの石油輸出を遮断した。それまでキューバは、燃料需要の実に50%をこの供給に依存していた。
 さらに、トランプは、キューバへ石油を輸送するあらゆる国に関税を課すと警告する大統領令に署名し、事実上、この封鎖措置を世界規模へと拡大させた。1月下旬以降、キューバに到着したのはロシアの石油タンカーわずか1隻にとどまっている。また同政権は、キューバの国営石油会社や、同国経済のほぼすべての分野に関与する軍系複合企業「GAESA」に制裁を科したほか、国際観光による収入を断つべく、VisaやMastercardに対しキューバでの決済サービスを停止するよう圧力をかけた。
 【中略】
 「いずれにせよ、なすべきことだった」 ディアス・カネル大統領は、これらの提案の多くが長年にわたり ―― 少なくとも2011年の共産党大会以来 ―― 内部で議論されてきたこと、そして政府が「今や不可欠とみなされる決定を15年以上も先送りしてきた」ことを認めた。大統領は、「たとえ現在のような状況でなかったとしても、いずれにせよ、これはなすべきことだったと私は考えている」と述べた。
 1984年頃の鄧小平を彷彿とさせるように、ディアス=カネル大統領は、経済成長の必要性、キューバ国民の生活水準の急速な改善の必要性、そして社会主義の原則に対する厳しく新たな見直しの必要性を、繰り返し強調した。
 「富がなければ分配するものもない」と大統領は述べ、社会正義を実現するにはまず物質的な豊かさを創出しなければ意味がないという事実を強調した。約40年前、中国が市場改革の初期段階にあった頃、鄧小平も同様のことを述べており、貧困は社会主義とは同義ではないと語っていた。
 「課題は、こうした状況下で生産を行い、富を生み出し、それを平等主義ではなく、社会正義と公平に基づいて分配することだ」とディアス=カネル大統領は述べ、キューバ経済は一律賃金制度を廃止しなければならないと断言した。
 【中略】
 むしろレーニンに似ている? キューバの野党指導者マヌエル・クエスタ・モルア(今回の改革案を「遅ればせながらの中国の改革」と呼んだ)をはじめとする一部の評論家は、これらの変化を1978年以降の中国の「社会主義市場経済」や1980年代のベトナムの「ドイモイ(刷新)」と比較するだろう。こうした比較には表面的な妥当性がある。 ・・・
 しかし、より適切な歴史的類似例は、1921年にソビエト連邦で開始されたレーニンの新経済政策(NEP)かもしれない。当時も今も、状況は、産業基盤が著しく未発達で、敵対勢力によって世界経済から切り離され、積極的にその経済を締め付けようとする状況という構図だった。レーニンは、新経済政策(NEP)が「国家資本主義」への後退、すなわち私的貿易、外国との利権、市場メカニズムの容認であり、社会主義が最終的に発展するための物質的基盤を再構築するための必要な生存策であると明言していた。
 決定的な違いは、レーニンはNEPを開始する前に、外国からの軍事侵攻と国内の反革命運動を(ほぼ)撃退していたことである。キューバは、まさに残忍な外部からの攻撃を受けている最中に、こうした譲歩を強いられている。
 トランプ政権は、体制転換を目標に掲げていることを明確にしており、マルコ・ルビオ国務長官も、1996年の「ヘルムズ・バートン法」に基づく禁輸措置を解除する前提条件として、キューバの社会主義政権の排除を公言している。キューバが国家資本主義を試みているのは、安定した状況下においてではない。いわば銃を突きつけられた状態で、そうせざるを得ない状況にある。
 誰が投資するのか、そしてその代償は? ・・・ 米国は、世界の金融システムの大部分を支配しており、キューバと取引を行う第三者に対して制裁を科す姿勢を明確に示してきた。たとえ規制が部分的に緩和されたとしても、投資に関して中国か米国のいずれかが大きな動きを見せる必要があるだろう。
 ハバナにとって最も楽観的なシナリオは、おそらく、中国企業が鉱業、エネルギー、観光インフラ、農業といったキューバ経済の主要分野に投資することだろう。
 中国は、キューバやカリブ海地域との関係強化に長期的な戦略的関心を抱いており、米国の制裁を回避しながら活動してきた経験もある。 / しかし、このアプローチでは米国の封鎖措置は解除されないだろう。
 【中略】
 今後の展望 とはいえ、まだ何一つ決まったわけではなく、改革が実際に進展し、成果が表れるまでには時間がかかる。ディアス・カネル自身、「これらの変革を承認することと同等あるいはそれ以上に重要なのは、適切かつタイムリーに実施することだ」と述べ、法的な承認と現実の変革との間にある隔たりを認めた。 【以下、略】
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2026.06.28 Sunday)に全訳あり

https://latinpeople.jugem.jp/?eid=2591】

Orinoco Tribune June 26, 2026 By Isaac Saney – Jun 22, 2026
Walking the Tight-Rope and Threading the Needle: Cuba's Strategic Adaptation Under Siege
(綱渡りと針に糸を通すような状況: 包囲攻撃の下でのキューバの戦略的適応)

https://orinocotribune.com/walking-the-tight-rope-and-threading-the-needle-cubas-strategic-adaptation-under-siege/
 キューバが発表した新たな経済改革案は、キューバ国内だけでなく、国際的な革命支持者の間でも激しい議論を巻き起こしている。改革の一部が、資本主義への後退、社会主義原則の弱体化、あるいはアメリカ帝国主義の容赦ない圧力への譲歩を意味するのではないかと懸念する声もある。 ・・・
 しかし、真剣な分析の出発点は現実でなければならない。キューバは、現代史において最も深刻な経済危機の一つに直面している。この危機は、 ・・・ 前例のないエスカレーションを遂げた米国の対キューバ経済戦争と切り離して理解することはできない。
 キューバに対する経済戦争 ワシントンの目的は変わっていない。キューバ国民が革命の理念を放棄し、主権を放棄するよう、極度の苦難、困窮、社会混乱を引き起こすことである。
 60年以上にわたり、歴代の米国政権は、侵略、破壊工作、テロ、外交的孤立、あるいは政治的転覆工作をおこなってきたが、それらでは成し遂げられなかったことを、すなわちキューバ革命の破壊を、経済戦争によって達成しようとしている。そして、その攻撃の現在の段階は、前例のないレベルに達している。キューバは、金融迫害、燃料輸入制限、国際銀行取引への障害、外国人投資家に対する制裁、そして国家経済を窒息させることを目的とした露骨なキャンペーンに直面している。
 このような状況下で、キューバ革命指導部は傍観しているわけにはいかなかった。何もしないこと自体が一つの決断であり、キューバ国民と革命の存続にとって壊滅的な結果をもたらす可能性があった。キューバの経済学者や政策立案者が繰り返し指摘しているように、現在実施されようとしている措置の多くは数十年にわたって議論されてきたものである。実際、現在の危機の一因は、遅延、不完全な実施、あるいは制度的惰性によって改革が阻害されてきたことにある。何もしなかったことによる代償は計り知れないものになっている。
 したがって問題は改革が必要だったかどうかではない。改革は必要だった。真の問題は、どのような改革が誰の権限の下でどのような目的で実施されるかということである。
 一部の批評家は、外国投資の拡大、貿易協定の変更、国営企業の柔軟性の向上、新たな資金調達形態といった措置を、資本主義の復活の証拠と見なしている。こうした結論は時期尚早であり、社会主義社会が直面する根本的な問題をしばしば誤って理解している。
 社会主義は理想的な条件下で築かれたことは一度もない。 ・・・ あらゆる社会主義革命は、矛盾、物資不足、外部からの脅威、および困難な妥協を乗り越えざるを得なかった。革命運動の歴史は、完璧な条件下での進歩の歴史ではなく、敵対的な状況下で解放のプロジェクトを守り抜いた歴史なのである。
 キューバ、経済政策、米国制裁、社会主義、革命 レーニンは1921年にまさにこうした現実に直面した。何年にもわたる内戦、外国の介入、経済崩壊、荒廃を経て、ソビエト・ロシアは「新経済政策(NEP)」を導入した。NEPは、限定的な民間企業活動、市場取引、そして外国資本への利権供与を容認するものだった。この政策をめぐっては、革命運動内部で激しい議論が交わされた。しかしレーニンは、決定的に重要な問題は ・・・どの階級が政治権力を握っているか、そして社会主義国家が社会の戦略的方向性に対する主導権を維持しているかどうかである、と主張した。
 NEPは「降伏」とは見なされなかった。それは、極めて困難な状況下で革命権力を維持し、生産力を再建し、時間を稼ぐための「戦略的後退」として理解された。
 歴史は決して機械的に繰り返されるものではなく、キューバはソビエト・ロシアではない。にもかかわらず、この比較は示唆に富んでいる。革命政府は、時に、戦略的目標を維持するために戦術的な柔軟性が求められる状況に直面する。
 根本的な問いは、「誰が国家を統治しているのか」という点にある。キューバ革命は、国内の資本家、外国企業、あるいは国際金融機関に対して政治権力を明け渡してはいない。キューバは、依然として、革命の過程で創出された諸機関によって統治される主権国家であり続けている。共産党が引き続き指導的役割を担っている。国家は経済の管制高地(要(かなめ)となる中枢分野)に対する統制を維持している。国家の独立は、決して譲れない一線であり続けている。
 この区別は極めて重要である。問題は、市場メカニズムが存在するかどうかではない。 ・・・ 決定的な問いは、社会的な生産物が「誰のために」生み出され、社会的な余剰が「どのように」利用されるか、という点にある。
 【中略】
 そこには現実的な危険が存在する。真剣な革命家であれば、それを否定べきではない。不平等が拡大する危険性、官僚主義的な歪みが生じる危険性、そして特権的な階層が出現する危険性がある。市場のインセンティブは、放置されれば、社会主義の目標と相容れない形で社会関係を徐々に変容させてしまう恐れがある。
 しかし、危険の存在だけで政策を決定することはできない。こうしたリスクに向き合うことの代替案は、過去の現状を理想化して維持することではない。そういう代替案では、経済崩壊を深刻化させ、物不足を悪化させ、国外への流出を増加させ、公共サービスの低下、そして革命の基盤となる物質的土台の弱体化といった事態となるかもしれない。したがって、課題は、あらゆるリスクを回避することではなく(それは現実的に不可能である)、革命権力を維持しつつ、それらのリスクを管理することにある。
 この点において、現在の議論の重要な側面は、労働者の参加を深め、協同組合の発展を深め、地域社会による管理を深め、そして民主的な経済運営のあり方を深める、そのような代替案に関わるものである。こうした議論は、真剣に検討されるべきものである。キューバの未来は、官僚的な中央集権化か、それとも民間資本の蓄積か、という二者択一に矮小化される必要はない。経済的な意思決定において、労働者、協同組合、自治体、地域社会の役割を拡大することは、社会主義の刷新における不可欠な要素であり続けている。  【中略】
 最大の脅威は、キューバを屈服させようとするワシントンの執拗なキャンペーンである ― 軍事侵攻の現実的な可能性を含む ― 。だからこそ国際的な連帯が不可欠である。  【中略】
 こうした状況下で、キューバの闘いは依然として変わらぬもの、極めて敵対的な条件下で国家主権と社会正義を守ろうとする努力である。したがって、現在の措置は、降伏や社会主義の大義の放棄として理解されるべきではない。むしろ、歴史上最も強大な帝国からの集中した敵意にさらされ続けている革命的事業を守るために、危うい局面を乗り切ろうとする試みとして理解すべきである。 【以下、略】

teleSUR July 29, 2026 Hour: 4:11 pm
Cuban Assembly Denounces U.S. Policies As Trump Escalates Economic War
(トランプ大統領が経済戦争を激化させる中、キューバ国民議会は米国の政策を糾弾)

https://www.telesurenglish.net/cuba-denounces-u-s-trump-economic-war/
キューバ国民議会は、今週水曜日(7/29)、米国政府に対する強い非難の姿勢を改めて示し、トランプ大統領が発令した2つの大統領令(1/29と5/1のもの)を、同国に対する最大限の圧力政策の証拠として糾弾した。 【以下、略】

teleSUR July 30, 2026 Hour: 12:15 am
U.S. Blockade Leaves 7,000+ Cuba-Bound Containers Stranded in Caribbean Ports
(米国の封鎖措置により、キューバ向けのコンテナ7,000以上がカリブ海地域の港で足止め状態に)

https://www.telesurenglish.net/u-s-blockade-leaves-7000-cuba-bound-containers-stranded-in-caribbean-ports/キューバ政府は、水曜日(7/29)、食料、エネルギー、水力資源、医薬品などを積んだコンテナ7,000以上が、米国による対キューバ制裁のため、カリブ海の様々な港で足止めされていると発表した。 【以下、略】

teleSURtv.net 30 de julio de 2026 Hora: 13:24
Cuba: audacia, realismo y participación popular marcan actualización del modelo económico
(キューバ: 大胆さ、現実主義、そして国民参加が経済モデルの刷新を象徴する)

https://www.telesurtv.net/cuba-actualizacion-modelo-economico/
 キューバのマヌエル・マレロ・クルス首相は、人民権力全国議会において、1か月前に議会で承認された176項目の経済・社会改革の実施が順調に進んでおり、最も重要かつ困難な段階に入ったと報告した。一連の措置は、経済モデルの刷新、財・サービスの生産最適化、そして60年以上にわたる米国による経済・商業・金融封鎖による荒廃の中で国民の福祉向上を目指すものである。
 176項目の改革のうち、121項目は7月と8月に実施される予定である。そのうち110項目は既に承認されている。最も複雑な措置は8月と9月に実施される。これらの改革の実施には、現在進行中の経済関係者への研修や、138の法令改正が含まれる。
 これらの改革の実施には、大胆さ、知性、現実主義、そして国民の参加が不可欠であり、キューバ社会主義を強化して確固たるものにするための経済モデルの刷新として構想されている。
 マレロ・クルス首相は、議会演説で、最大の試練は今まさに始まると警告した。首相は、既に承認された110項目の施策の実施方法を組織化することに成功したと述べ、今後の課題は、各施策の効果的な適用を確保し、その影響を体系的に評価し、発生する可能性のあるあらゆる逸脱を迅速に是正することにあると指摘した。
 国有企業への新たな権限付与 承認された施策により、国有企業は、独自の給与体系を承認する権限、あらゆる合法的な活動を行う権限、価格と料金を設定する権限、金融投資を行う権限、利益配分の柔軟性と確立された原則に基づき雇用契約の終了を決定する権限など、新たな権限を獲得した。これらの企業における労働者の参加と社会的責任も強化される。
 給与制限は撤廃され、給与基金は基本的に各企業の経済力と財政力に依存し、労働組合との事前合意を条件とする。これは近年実施された労働組織と給与に関する最も重要な変革であると、国有企業の組織と運営を規定する政令の承認に言及しながら、マレロ・クルス首相は説明した。
 非国家経営形態に関して、認可申請中で所定の要件を満たしていた非農業分野の零細・中小企業(MSME)および協同組合は、すべて認可された。キューバには、現在、こうした組織が15,000以上存在する。
 その他の変更点として、非国家部門の認可活動がより柔軟化され、46の禁止事項が撤廃され、36の禁止事項が部分的に修正されたことが挙げられる。これにより、これらの主体が国の経済社会発展に参画する機会が拡大するだろう。
 事業の自律性の強化とインセンティブに基づく計画策定 承認された改革の特徴の一つは、経済計画が放棄されるわけではないということである。キューバは、より柔軟でインセンティブに基づくモデルへと移行しつつあり、事業の自律性の向上と戦略的・財務的計画の策定が進められている。
 いくつかの決定がなされ、その中には、国有企業、商社、外資系プロジェクト、および自治体について、それぞれの財政能力に応じて投資承認権限を地方分権化することが含まれていた。10億ペソを超える投資のみが中央政府の承認を必要とする。
 地方の権限と生産力を強化 マレロ・クルス首相は、中央政府再編の重要な側面の一つとして、より効率的な政府運営、組織の合理化、国家機能と企業機能の分離を挙げた。これに関連して、保健省、教育省、文化省、スポーツ省では、主に空席となっている行政職を中心に、9万2000以上のポストを削減する提案が承認された。他の機関も9月中にこのプロセスを完了する予定だ。
 さらに、地方開発の強化、権限の地方分権化、および地域貢献金の管理を目的とした規制の改定が行われた。その結果、全168自治体のうち111自治体が2025年の歳入目標額を超える資金を割り当てられ、各自治体はそれを開発戦略に活用できるようになった。
 再生可能エネルギーの利用拡大 現在までに、1,464メガワットの再生可能エネルギー発電設備が設置されている。これは総発電量の13.8%に相当し、米国のエネルギー禁輸措置によって悪化したキューバの発電能力不足を緩和するものである。生活必需サービス施設や一般家庭には4,292基の太陽光発電システムが設置され、慢性疾患患者、医師、教師、科学者、その他社会的に優先的に支援を必要とする人々の家庭には11,000基以上のシステムが設置されている。
 【中略】
 外国投資、観光、貿易 マレロ・クルス首相は、承認された外国投資に関する改革の最初の成果が既に現れ始めていると報告した。外国企業とキューバの民間零細・中小企業(MSME)による初の合弁事業が設立され、燃料の輸入、流通、販売に関する初の外国投資プロジェクトが承認された。また、旧ハバナにおける初の外国投資プロジェクトと、医療と観光に特化した完全外国資本企業設立のための特別規制区域が初めて創設された。
 100を超える経済主体が燃料卸売販売の認可を取得しており、キューバが最近承認した手続きの簡素化により、この数は増加し続けている。外貨の管理、統制、配分に関するシステムも更新され、自由に交換可能な外貨が経済の主要部門に確実に流入し、生産を促進し、様々な経済主体間の連携を強化することが期待される。
 観光業の再生 議会会期中、観光セクターで実施される13項目の改革のうち10項目が承認されたことが発表された。これにより、あらゆる経済主体が関与する新たなビジネスモデル、エコツーリズムやその他の専門分野に関連するプロジェクトへの税制優遇措置、自家用車レンタルサービスの開発認可、民間旅行代理店の規制、ツアーガイドおよび販売代理店の資格認定制度などを導入した。さらに、国の観光地の持続可能性、プロモーション、ポジショニングを支援するため、特別拠出金が創設された。
 観光業は、米国の制裁強化とエネルギー封鎖によって深刻な打撃を受けている。現在、キューバのホテル施設の73%が閉鎖されたままで、約2万5,000人の従業員が待機状態にある。ホワイトハウスの「最大限の圧力」政策により、7つの国際ホテル・チェーンがキューバでの事業を停止した(これは、これらのチェーンが運営していた客室の46%に相当する)。
 キューバが実施している経済・社会変革は、専門家パネル、議会、そして企業経営者、労働組合指導者、労働者、農民との数千回に及ぶ会合で提言されたものである。この包括的な改革案は、共産党政治局、中央委員会、そして人民権力全国議会によって承認された。

INTERNATIONALIST 360°on July 31, 2026 Pedro Monzón Barata
Without Surrender: Cuban Sovereign Reforms as Continuity of Socialist Survival Strategy
(屈することなく: 社会主義存続戦略の継続としてのキューバの主権的改革)

https://libya360.wordpress.com/2026/07/31/without-surrender-cuban-sovereign-reforms-as-continuity-of-socialist-survival-strategy/

【前略】 / 達成された成果: 人間的発展の不可逆的な達成 キューバの経験を単なる生存に矮小化することは、革命の最も重要な成果を見落とすことになる。キューバは、単に生き残ってきただけではない。国際的に際立った存在感を示すための人的能力を創出し、革新し、発展させてきた。
 キューバのバイオテクノロジーは、逆境下におけるこうした創造的能力を如実に物語る好例である。キューバは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時に開発された「アブダラ(Abdala)」や「ソベラナ(Soberana)」ワクチンをはじめとする独自の製品を擁し、世界水準の産業を築き上げた。「アブダラ」は92.28%の有効性を示し、ラテンアメリカで開発されたCOVID-19ワクチンとして初めて緊急使用許可を取得した。一方、「ソベラナ」の併用接種も91.2%の有効性を達成している。キューバは、経済封鎖下において不可欠な要素である医薬品の60〜70%を国内で生産する能力を確立した。1986年に設立された「遺伝子工学・バイオテクノロジー・センター(CIGB)」は、社会に貢献する革新的な製品を生み出す機関として、世界的にその名を知られるようになった。
 キューバの医療制度は、おそらく革命がもたらした最も目に見える成果と言えるだろう。1959年以来、キューバは公的かつ普遍的で無償の医療制度を構築してきた。無償の医療は基本的な権利となり、同国は大規模な医療従事者養成体制を整備し、数十カ国へ医療サービスを提供するに至った。出生時平均寿命は先進国に匹敵する水準に達しており、これは同制度の有効性を雄弁に物語る指標である。
 教育制度もまた、重要な成果の一つである。あらゆる段階の教育が公的かつ無償で提供されている。識字キャンペーンは非識字を根絶し、教育と文化の向上を継続的に推し進めるきっかけとなった。今日のキューバは、国民の識字率が高く、誰もが高等教育を受ける機会がある。 ・・・
 異例の事態を生み出した封鎖 専門的な研究により、経済封鎖が単に米国との直接貿易を制限するだけでなく、キューバの経済構造全体を変容させているという実態が、ますます詳細に明らかにされている。これは通常の経済運営における単なる障害の一つではない。この封鎖こそが、キューバの「異例な状況」を作り出している根本的な要因なのである。米国の制裁体制は、他国がキューバと取引を行う際に多大なコストやリスクを強いることで、同国の国際的な経済関係を分断している。
 【中略】
 防衛的対応としての集権化 封鎖がもたらした最も深刻な構造的影響の一つは、防衛策として経済が極度に中央集権化したことである。支配的な世界的資本主義の枠組みに沿った「通常の」経済発展プロジェクトに頼ることが不可能となる中、キューバ政府は、教育や医療といった社会正義の実現に向けて希少な資源を分配すべく、中央集権的な政策を導入した。しかし、この過程で官僚機構が肥大化し、それが生産力の発展を阻害する要因となった。防衛策として生まれた中央集権化が、それ自体を目的とするものへと変質してしまった。
 【中略】
 平等主義と団結の弁証法 原則的な理由のために、また米国の脅威に対抗するために、いかなる犠牲を払ってでも統一を維持することへの根本的な関心は、広範な国民に大きな影響を及ぼしかねない急進的なショック政策を避けることを必要とした。その結果、ある種の平等主義が生まれたが、それは経済封鎖という状況下で独特の性質を帯びるものとなった。赤字企業の肥大化した給与支払いや、社会扶助としての配給制度、補助金によって支えられた生活必需サービスといった現象も、この論理によって説明がつく。国家は、効率的ではあっても不平等で社会の分断を招く経済よりも、歩みは遅くとも公平な経済を選んだ。
 【中略】
 GAESA: 経済封鎖を回避する方策 こうした状況下で、「GAESA」が経済封鎖を回避する方策として登場した。「特別期間」における財政基盤として1995年にラウル・カストロによって設立された「GAESA」は、軍が運営する組織化された効率的なキューバの複合企業体である。
 同グループは、観光、金融投資、輸出入、送金といった主要な経済活動を担っている。「GAESA」は、経済封鎖による制約に対する制度的な対応策といえる。国際的な事業展開や外国企業との提携が可能であり、外貨を獲得して国家に集約し、主に社会政策の財源に充てる役割を担っている。同グループは、民間企業の利益を追求するものではない。米国政府は「GAESA」やその関連企業に対して繰り返し制裁を科してきたが、それは、同グループが経済封鎖を回避する仕組みとして有効であることを暗に認めるものであり、米国の目的が通商ルールの遵守ではなく、キューバの社会体制を窒息させることにあると裏付けるものでもある。
 国際的な連帯と「失敗国家」というレッテル トランプやマルコ・ルビオが繰り返す「破綻国家」という言説を覆す事実が一つあるとすれば、それはキューバの姿そのものである。キューバは、非人道的な封鎖下で自国の経済を維持しつつ、同時に現代史上最大規模の国際連帯活動を展開してきた。キューバは、単に持ちこたえただけでなく、他者と分かち合ってきた。1963年にアルジェリアへ医療団を派遣したことから始まったこの使命は、今や165カ国にまで広がっている。今日、2万4,000人以上のキューバ人協力者が56カ国で活動しており、米国主導の悪意ある中傷キャンペーンにも屈していない。2005年に結成された「ヘンリー・リーブ」医療団は、西アフリカでのエボラ出血熱流行時に継続的な医療団を派遣した唯一の組織であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の際にも、イタリアを含む42カ国へ58の医療団を派遣した。
 教育分野では、「Yo, sí puedo(はい、私にもできる)」という識字教育法によって数百万人が読み書きを学び、ラテンアメリカ医科大学は122カ国から3万1,200人以上の専門家を輩出した(その中には244人の米国人も含まれる)。これらすべてが、無償で教育を受けた人々である。
 破綻国家は崩壊するが、キューバは、抵抗し、外に向かって貢献し続けている。破綻国家は自国民を見捨てるが、キューバは、封鎖下でも無償の医療と教育を維持している。破綻国家は世界のために医師を育成しないが、キューバは、3万1,000人以上を輩出してきた。破綻国家は56カ国に2万4000人もの協力者を派遣しないが、キューバは、封鎖された状況下でそれをおこなっている。真に問うべきは、「60年間にわたり同様の封鎖を受けながら、これほどまでに生き残り、かつこれほどの連帯を示し得た国が他に存在するだろうか」ということである。
 屈することなき改革 キューバ革命の歴史は、危機ごとに本質的なものを維持しながら付随的なものを変容させる創造的な対応を生み出してきた弁証法的な過程である。2026年6月に承認された176項目の経済・社会変革のパッケージは、23のテーマ軸に分類されているが、まさにこの論理に基づいている。これは資本主義への屈服ではなく、歴史上最も激しい包囲攻撃の下で、抵抗し続け、社会主義を維持し続けるための経済の変革であり、社会主義の生存戦略の継続性を新たなレベルへと引き上げるものである。
 背景: トランプ政権は2026年1月に石油封鎖を実施し、キューバが半世紀にわたって苦しんできた危機をさらに悪化させた。この封鎖は、「ジェノサイド的エネルギー封鎖」を支持する大統領令と、二次制裁を通じた国際的な金融、エネルギー、投資への迫害によって激化した。トランプ大統領は、キューバを「テロ支援国家」リストに加えることを含め、合計300件以上の新たな制裁措置を採択した。 ・・・ 30時間を超える停電や食料、燃料、水、医薬品の不足に直面し、大統領は「現実が緊急かつ必要な変化を迫っている」と認識した。 ・・・
 内容: 176項目に及ぶ措置は、政治局、党中央委員会、国民議会、閣僚会議における広範な協議を経て策定された。主な柱としては、国営企業における分散化された価格設定および給与による自治権の拡大、国家による強制的な仲介の撤廃と外国直接投資の容認による貿易の自由化などが挙げられる。政府官僚機構は27省庁から21省庁に縮小し、地方自治体は経済計画権限を強化する。また、中小零細企業(MSME)の増加、規制の緩和、キューバ国内外のキューバ国民および外国人投資家に対する平等な条件の導入などにより、民間セクターは拡大する。
 【中略】
 結論: 歴史的総合に向けて キューバ革命が11代にわたる米国政権下でも存続し得たのは、制約から長所を、欠乏から能力を引き出すという弁証法的なプロセスを経たからである。
 【中略】
 キューバが、多大な困難にもかかわらず、歴史上最も苛烈な封鎖下で経済を維持し、社会正義の柱を守り抜き、世界最大級の国際連帯事業を展開してきたという事実は、そのモデルが失敗したわけではないことを示す何よりの証拠である。それどころか、それは、比類なき抵抗力、創造性、そして人間主義的な展望を示している。破綻国家には、キューバが成し遂げたようなことは決してできなかっただろう。
 2026年の改革は、全く降伏などではなく、その論理を継承するものである。
 【以下、略】

Granma july 31, 2026 12:07:17 Miguel Díaz-Canel Bermúdez
"The path is difficult, the situation is complex, but our will to overcome is unwavering"
(「道のりは険しく、状況は複雑ですが、それを乗り越えようとする私たちの意志は揺るぎません」)

https://en.granma.cu/cuba/2026-07-31/the-path-is-difficult-the-situation-is-complex-but-our-will-to-overcome-is-unwavering

2026年(「最高司令官フィデル・カストロ・ルス生誕100周年」の年)7月30日、コンベンション・センターにて開催された第10期人民権力全国議会第7回通常会期の閉会式において、キューバ共産党中央委員会第一書記兼共和国大統領ミゲル・マリオ・ディアス=カネル・ベルムデスがおこなった演説。
【前略】 ・・・ 今年1月3日に行われたベネズエラに対する背信的な軍事侵略と、その正当な大統領の拉致以来、「法に基づく世界」という概念は完全に消し去られようとしています。新自由主義的資本主義の猛烈な進展によってすでに無秩序で不安定だったこの地球を、さらに深刻な無秩序と不安に満ちた場所へと変貌させる恐れがあります。
 現在米国で権力を握るネオ・ファシスト政権は、20世紀前半にドイツ・ファシズムが領土拡大の熱狂の中で引き起こした数々の惨禍を、恥じることなく繰り返しています。これら二つの政権の類似点は、人類の運命と世界の平和にとって、ますます憂慮すべき危険なものとなっています。
【ガザでのジェノサイドについての深刻な事態の指摘。略】
(2026年1月29日の大統領令について)
 その大統領令は、キューバに燃料を供給するいかなる国に対しても制裁を科すと脅すものです。こうした動きは、貿易関税を用いた威圧や脅迫によって主権国家の意志を屈服させるという、米国政府がこれまで示してきた手法の一環です。この手法は、事実上すべての国に対し、自発的か否かを問わず、対キューバ経済封鎖への参加を強いるものとなっています。
 この恣意的な決定により、キューバは過去7ヶ月間で燃料輸送船を1隻しか受け取っていません。この集団懲罰がもたらす経済的・社会的影響は耐え難いものです。 ・・・
【苦難の具体的な状況、略】
 さらに加えて、医療物資、食料、太陽光発電設備、発電所修理用の部品や資材など、国の活力維持に不可欠な物資を積んだ数千個のコンテナが、国際港で何週間、何ヶ月も待たされているという問題もあります。 ・・・
【医療制度への攻撃、観光業への攻撃、外国投資や貿易への攻撃、略】
(2026年5月1日の大統領令について)
 2026年5月1日付の大統領令は、出身国を問わず、キューバとのいかなる商業関係も維持する外国の個人および企業に対し、個人口座への制裁、米国へのビザ発給停止、その他様々な制裁措置を科すと脅迫しています。私たちは、世界最大の超大国が、小さな島国の経済を世界の他の国々から切り離そうとする、最も広範かつ深刻な企てを目の当たりにしています。
 キューバ国民に対するこのジェノサイドが進行する一方で、加害者たちは厚顔無恥にも世界に嘘をつき、自らの犯罪を否定しています。 ・・・
 我々や国際機関の試算によれば、この封鎖がキューバにもたらした経済的損失は、累計で1,500億ドルを超えています。これは単なる抽象的な数字ではありません。我々の日常生活のあらゆる側面に、その影響が及んでいるのです。
 7月7日に開催された国連総会の特別会合は、この攻撃的な政策に対する国際社会の広範な非難を浮き彫りにしました。この議論を阻止しようとした米国の試みは、136対9という圧倒的多数で退けられました。
(経済・社会変革のために承認された176の措置について)
 ・・・ かつての「特別期間」のように、・・・ 現在も私たちは、独立、国家主権、そして革命の社会的成果を損なうことなく、党の指導の下、集団的かつ民主的な方法で、国民との対話を通じて、この時代が求める変革に着手しています。
 経済・社会変革のために承認された176の措置は、2011年の第6回党大会で承認された「経済・社会政策指針」と完全に整合するものです。さらに、これらは2025年末に採決に付された「政府綱領」(すでに同年12月に議会で承認済み)をめぐり、全国各地で開催された数千もの集会で集約された民意を反映したものです。 ・・・
 私たちが今日実施している変革は、資本主義を推進するためのものではなく、社会主義建設を擁護し前進させるためのものです。それは、人間をその取り組みの中心に据える社会主義なのです。 ・・・ 当面の間、私たちは、党の組織内で労働者との議論のプロセスを進め、リアルタイムで議論、明確化、招集、貢献、最適化、そして修正をおこなっていきます。
 これらの変革を効果的に実施することは、国家にとって戦略的な優先事項です。、私たちは、皆、国家的な責任感を持って、そのように理解しなければなりません。これらにはリスクを伴う変化も含まれますが、挑戦を受け入れることこそが、それを克服するための第一歩です。
 【中略】
 中央レベルからの一般的な方針提示や、州レベルでの調整だけでは不十分です。決定的なのは、地域やコミュニティのレベルで実効性のある運用・実施を成し遂げることです。私は、州に対して、そして何よりも地方自治体に対して、経済的権限を委譲することの重要性を強調したいと思います。 ・・・
 私たちは、惰性を打破し、障害を克服し、意識を変革し、非生産的な官僚主義を排除し、そして汚職に断固として立ち向かわなければなりません。それも、可能な限り迅速にです。
 【中略】
 医療、教育、科学、文化、あるいは国家にとって戦略的に重要なサービスが民営化されることはありません。この点は、極めて明確にしておく必要があります。 ・・・
 国家にとって戦略的に重要なこの複雑なプロセスにおいて、社会と国家を導く力であるキューバ共産党が果たす先導的な役割が、極めて重要となります。社会主義的国営企業、民間企業、そして地域社会における党、党員、活動家の役割に関連する事柄を刷新・革新することが求められています。それと同時に、日常的な課題をめぐる理論的・実践的な議論の場を継続的に活性化し促進し、大衆組織や社会組織の活動のあり方を改善・更新していくことも必要です。
 【中略】
(国民議会議員への呼びかけ)
 革命は、米国のファシスト政権による軍事的脅威にさらされています。私たちが警告し、主張してきたように、この脅威は地域平和に恐ろしく予測不可能な結果をもたらし、キューバ人とアメリカ人の命に不必要な犠牲を強いることになるでしょう。これは私たちが決して望まないことです。いかなる理由も、侵略や脅迫を正当化するものではありません。キューバに対する計画は、誤った前提に基づき、極めて露骨な嘘と操作によって煽られています。
 【中略】
 ラテンアメリカとカリブ海地域では、極右への明らかな政治的転換が見られます。近年の主権擁護と地域統合・協力の促進において達成された有望な進展は、米帝国主義の圧力、大国の利益への服従、そして国民のニーズから乖離し多国籍資本に屈服した右翼エリート政権の傾向によって、従属の兆候へと転じてしまいました。
 こうした状況下にあっても、我々は、ラテンアメリカ・カリブ海諸国の人々からの支持と連帯を得ており、同地域の複数の政府とは友好的な関係を築いています。
 【中略】
 こうした新たな策動に直面しても、私たちは、連帯、国際主義、反帝国主義という自ら掲げた責務が何ものにも揺るがされることはないと、断固として再確認します(拍手)。これらの原則は、あらゆる国や人々との友好・協力関係を築こうとする私たちの献身的な姿勢と同様に、私たちのアイデンティティの一部なのです。
 道のりは険しく、状況は複雑ですが、困難を乗り越えようとする私たちの意志は揺るぎないものです(拍手)。 ・・・
 歴史が私たちに教えてくれたことがあります。それは、帝国が支配を強め、困難が克服不可能に思えるような最も暗い時においてさえ、キューバ人民は団結の中に打ち勝つ力を見出す、ということです。これこそがフィデルが私たちに残した遺産です。すなわち、どんなに複雑に見える状況であっても、解決策が存在しないものはないという確信です。そして私たちは、知性と心を結び合わせ、献身的に取り組むとき、その解決策を見出すのです。
 キューバの革命家にとっても、そして世界中の革命家にとっても極めて重要な日、すなわち「最高司令官」生誕100周年まで、あと数日となりました。現在進行中の変革を完遂すれば間違いなく歴史的なものとなるであろう本会議の締めくくりの言葉を準備しながら、私は、フィデルの並外れた、そして不朽の存在感に思いを馳せました。彼の死から10年が経った今もなお、彼は私たちに呼びかけ、挑戦を突きつけ、変えるべきあらゆることを自らの手と努力で変えるよう促し続けています。 【後略】

teleSUR August 6, 2026 Hour: 1:21 pm
Cuba Hosts the ALBA Movements Continental Assembly
(キューバ、「ALBA運動」大陸会議を主催)

https://www.telesurenglish.net/cuba-hosts-the-alba-movements-continental-assembly/
木曜日(8/6)、ハバナ大学にて「ALBA運動」の第4回大陸会議が開幕し、25カ国から150名以上の代表者が参加した。 / 8月6日から9日までの会期中、参加者は新自由主義の攻勢に対抗するための重要な手段として民衆の団結を再確認し、世界的な地政学的動向の中で米国覇権が衰退している現状を分析するとともに、闘争の統一課題を確立するため大陸規模の行動計画を策定することを目指す。 / 「ALBA運動」は、第4回大陸会議の開催地にキューバを選定することで、同国との連帯を示すとともに、60年以上にわたり日々数百万人のキューバ人に影響を及ぼしてきた米国の経済戦争を拒絶する姿勢を明らかにしようとしている。 / 【中略】 / 2007年に形成が始まった組織 「ALBA運動」は、ラ米・カリブ地域の何百もの社会組織、草の根運動、労働組合、先住民団体、農民組織、フェミニスト・グループ、青年組織、および政治活動家を結集させる国際的なプラットフォームである。 【以下、略】

teleSUR August 6, 2026 Hour: 1:16 pm
UN Works with Several Countries to Send Fuel to Cuba
(国連、キューバへの燃料供給に向け数カ国と連携)

https://www.telesurenglish.net/un-works-with-several-countries-to-send-fuel-to-cuba/
火曜日(7/4)、国連事務総長室は、人道的な理由からキューバへの燃料供給に関心を持つ数カ国と連携していることを確認した。
 国連のファルハン・ハク副報道官は、参加国や具体的な進展状況については明言しなかったものの、その目的はキューバが人道的なニーズを満たすために必要な燃料を確保できるようにすることだと説明した。 【以下、略】

Orinoco Tribune August 7, 2026 By Janna Kadri – Aug 5, 2026
Unbreakable Cuba: Why Washington Still Fears a Defiant Island
(屈しないキューバ: なぜワシントンは今もなお、抵抗を続けるこの島を恐れるのか)

https://orinocotribune.com/unbreakable-cuba-why-washington-still-fears-a-defiant-island/ 60年以上にわたり、キューバは戦略的脅威と見なされてきた。それは、キューバの軍事力ゆえではなく、堅持し続けている主権と米国の支配への抵抗が、この半球地域に対するワシントンの支配に挑戦するものだからである。【全訳があるので、以下略】
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2026.08.09 Sunday)に全訳あり 
https://latinpeople.jugem.jp/?eid=2607】

teleSUR August 8, 2026 Hour: 5:33 am
China Delivers Second 5,000‑Solar‑System Donation to Cuba Amid Energy Crisis
(中国、エネルギー危機下のキューバに5,000基の太陽光発電システムを2度目の寄贈)

https://www.telesurenglish.net/china-delivers-second-5000%e2%80%91solar%e2%80%91system-donation-to-cuba-amid-energy-crisis/

 

teleSUR August 9, 2026 Hour: 1:44 pm
ALBA Movimientos Assembly: 190 Delegates Unite in Defiant Havana Summit
(「ALBA運動」総会:190人の代表者が反抗的な「ハバナ・サミット」に団結)
https://www.telesurenglish.net/alba-movimientos-assembly/
「ALBA運動」総会は、27カ国から190名の代表者と400名以上の市民団体代表が一堂に会し、日曜日(8/9)にハバナで閉幕した。 / キューバで初めて開催された第4回大陸総会では、現在の地政学的状況、極右勢力の台頭、そして主催者がネオファシスト勢力と呼ぶ勢力の地域および世界各地における勢力拡大に焦点が当てられた。 / 【中略】 / 公式歓迎式典において、ディアス=カネル大統領は、参加者たちがキューバを訪れ、ドナルド・トランプ米大統領政権からの圧力が高まる中でキューバへの連帯を表明してくれたことに感謝の意を表した。 / 【中略】 / 組織レベルでは、「ALBA運動」は400を超える加盟団体間の連携強化を計画している。また、若い活動家の参加促進、女性の参画拡大、デジタル・コミュニケーションの活用改善も目指している。 【以下、略】
【当初「25ヵ国」「150名以上の代表者」と報じられたが、この閉会記事では「27ヵ国」「190名の代表者」と報じられている。開会中に新たな加盟が行われたものと思われる。】

teleSURtv.net 14 de agosto de 2026 Hora: 10:10
China entrega nuevo donativo a Cuba de 15.000 toneladas de arroz
(中国、キューバに米1万5,000トンを新たに寄贈)

https://www.telesurtv.net/china-donativo-cuba-15-000-toneladas-de-arroz/
対外貿易・対外投資省は、この歴史的な支援を完了させる4回目にして最後の寄贈分が9月にキューバに到着すると発表した。 / キューバは8月13日木曜日、ハバナ港で中国政府から寄贈された米1万5,000トンの3回目の寄贈分を受け取った。この寄贈分は、合計6万トンの食糧緊急支援の一部である。 【以下、略】