中百舌鳥(なかもず)スタンディング行動
~ ガザ虐殺を止めるまで ~ 20250915
私たちは、堺市民有志の呼びかけで、イスラエルによるガザ大虐殺に抗議する世界中の行動に連帯し、毎月2回、第1・第3月曜日に、堺市内複数個所でスタンディング行動を行っています。どなたでも、いつからでも参加できます。
先週9月9日イスラエルは、あろうことか停戦交渉の仲介国であるカタールの首都ドーハを空爆し6人を殺害しました。「ハマスの幹部を狙った」といつもの言い訳をしていますが、停戦交渉の仲介国の領土で、空爆で周囲を巻き添えにしながら、交渉相手を殺害するなど国際法違反どころではありません。カタールが非難している通り、まさしく国家テロです。カタールという主権国家の領土を何の通告もなく一方的に侵害する犯罪行為であり、停戦交渉をぶち壊すものです。イスラエルの団体「人質と行方不明者フォーラム」は「人質の解放と戦争終結を妨げる唯一の障害はネタニヤフ首相であることが明白になった」と声明で述べ厳しく批判しています。ネタニヤフ政権は明らかに暴走しています。
ガザではイスラエルの軍事攻撃が激化し、残忍な飢餓政策によって餓死者が急増し始めています。その大半は幼い子どもたちです。「ユニセフ」や「セーブ・ザ・チルドレン」「国境なき医師団」など国際的な支援活動団体がこぞってその悲惨な様子を訴えています。「子どもたちには話す力も、苦痛で叫ぶ力もなく」、「泣き声を上げる体力も奪われ」、「武器を持たない、罪のない人々が、ガザに生まれたというだけで無差別に殺されて」います。
国連は先月、壊滅的な飢餓に陥っているガザに対し、中東地域としては初めての「飢饉」を認定しました。アフリカ以外では初めてのことです。
飢饉というのは、ほとんどの場合は干ばつや洪水など自然災害によるものですが、ガザの飢饉は違います。イスラエルによって意図的・計画的に作り出された人為的なものです。農地を爆撃して農作物をつくれなくし、漁船を破壊して漁業を妨害し、食料を自給できないようにした上で、支援物資を遮断し、自らが保護する武装勢力を使ってわずかな物資を襲わせ、それをハマスのせいにしてきました。飢餓を軍事作戦として利用して作り出された人道危機です。
しかしこの人為的な飢饉は、止めることができるし止めなければなりません。大量の餓死を、今ならまだ止めることができます。国境の検問所に足止めされている、支援物資を積んだ何千台ものトラックを、直ちに届ければ多くの命が救えます。イスラエルが攻撃を止め、妨害しさえしなければ、飢饉は止めることができます。
イスラエルに即刻、食糧封鎖を解除させるために、日本政府は尽力するべきです。
ガザでは分かっているだけで少なくとも6万4000人以上が殺害されています。英医学誌「ランセット」の試算によれば、行方不明者や、関連死など間接的な死者を含めれば35万人以上とも推定されています。そのうち、4割が子どもたちです。
国際障害者権利委員会は、少なくとも4万人以上の子どもが負傷し、そのうち半分以上が障害を負っていると発表しました。ガザでは、障害者の8割以上は歩行のための補助具を持っていません。イスラエルによる度重なる避難要求に砂地を這って移動するなど、飢餓に苦しみながら、安全も人としての尊厳も奪われた状態を強いられています。
イスラエルは繰り返し退避要求をして人々に移動を強要していますが、安全な場所などどこにもありません。退避先に指定した場所まで攻撃していることが暴露されています。
イスラエルは、この凄惨な状況を世界に伝える報道関係者を締め出し、殺害し、明白な戦争犯罪の証拠隠滅をはかってきました。
9月1日には、「国際ジャーナリスト連盟」や「国境なき記者団」の呼びかけで、世界50ヵ国・約200社の報道機関が連帯して、イスラエルに対する抗議行動を展開しました。国際メディアはガザで自由に取材することができず、現地で命がけで活動するパレスチナ人ジャーナリストのみに頼らざるをえず、その人々が狙い撃ちにされ殺害され続けていること、ガザの真実を伝える者が誰もいなくなることに、世界中の報道機関が危機感を抱いています。
ジャーナリストを殺し続けて、真実が伝えられないようにして、イスラエル当局は今でも「飢饉は起きていない」「餓死者はいない」と開き直り続けています。しかし、その見え透いたウソはもう通用しません。イスラエルとこれを全面支援する米国の孤立はますます際立っています。
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんたちの支援物資を積んだ船団が、先月スペイン・バルセロナを出発しました。6月にも同様に直接支援を試みましたが、イスラエル軍によって妨害され強制送還されました。しかしあきらめることなく、イスラエルの封鎖を破るために再度船団を組み、支援物資を届けるためにガザに向かっています。本来、各国政府が国際的な責務を果たせば、このような市民による決死の行動など必要なかったのだと、グレタさんは訴えています。
船団には世界中から人々が集まっているそうですが、その中にオランダ在住の日本人女性が一人参加していることが明らかにされました。この女性は、グレタさんの試みを知り、「市民の力でガザに食料を届けたい」「自分にできることをしたい」と参加を決めそうです。
イスラエルは今回も、この船団に対し無人機を使った攻撃を仕掛け、妨害しようとしましたが、グレタさんは「脅しには屈しない。私たちを止めることはできない」と固い決意を語っています。この勇気ある行動に心から連帯したいと思います。
イスラエル国内でも、ネタニヤフ首相に対する抗議行動が拡大しています。9月7日には、イスラエル各地で戦争終結を求める大規模なデモが行われ、数万人が参加したと見られています。
このデモは、人質解放のための停戦を求めるものですが、「ジェノサイドを止めよ」と叫ぶ参加者が増えていると伝えられています。イスラエル国内において、イスラエル軍の殺戮を「ジェノサイド」だと認め、これを批判するということは非常に勇気のいることです。イスラエル国内でも勇気をもって声を上げる人たちが増え続けています。
人質の母親の一人エイナブさんは、集会の壇上で、「ネタニヤフ首相が進める戦争は、ハマスではなくイスラエルを破壊している」と訴えています。その通りです。他民族を抑圧する民族は、決して自由ではありえません。そのことは、私たち日本人にとっても無関係ではありません。
ガザで起こっている恐ろしい出来事と、これから日本で起ころうとしていることとはつながっています。
「台湾有事」という言葉、これを最初に言い出したのは米軍です。2021年の3月に突然、それまで誰も聞いたことのなかったこの言葉を、米軍幹部が発言した時、何の証拠も根拠も示されない、単なる「想定」でした。しかしその年の12月には、「日米共同作戦計画」で具体化され、2024年10月に日米共同総合演習が日本全域で実施されることになります。2025年3月には、「台湾有事」を「想定」した12万人避難計画を内閣官房が発表します。そのすべて、なんら証拠も根拠も示されないままに、です。根拠なき「想定」によって戦争準備が着々と進められているのです。
沖縄では、静かに語りかける住民に対して、自衛隊幹部が威圧的に怒鳴りつける様子が動画で拡散され問題になっていることが報道されています。「ノーモア沖縄戦・命どぅ宝の会」共同代表の与那覇恵子さんによれば、米軍基地に反対する住民たちが、朽ちたフェンスに手をかけただけで逮捕される事態まで起こっているのです。
米国が「台湾有事」を言い出し、それを安倍元首相は「台湾有事は日本有事」だと言ってエスカレートさせましたが、それは明らかな内政干渉です。
中国近海で繰り返される日米合同演習は明白な挑発行為です。中国はアメリカ近海まで出かけて行って軍事演習などしていません。
軍備増強は戦争を抑止するものではなく、緊張を高め戦争を招き寄せます。そうやって、私たちにとって切実な生活関連予算、教育や福祉や医療など、軍事以外の予算が大幅に圧縮され、大規模な増税がもくろまれ、そのことが、私たちの生活を苦しくします。
外国人が増えているから私たちの生活が苦しくなっているのではありません。外国人犯罪は減っています。増えているのは米軍関係者による犯罪です。沖縄をはじめとする米軍基地周辺では、性暴力・性犯罪など凶悪犯罪が事実上の野放し状態、日米地位協定に守られて特別待遇の米軍関係者による犯罪は、増える一方で日本政府はまともに抗議もしない有様なのです。
日本は世界で最も多く米軍基地を受け入れている国ですが、米軍は日本を守るために駐留しているのではありません。アジア・太平洋諸国を蹂躙した日本の軍隊は、沖縄でも日本国民を守りませんでした。それが沖縄戦の悲劇の教訓です。まして米軍が日本国民を守るはずがありません。米国の思惑は、日本に今まで以上に経済的負担を強いること、自衛隊を米軍の指揮下に置いて思うままに指揮・命令し、日本を米国の盾にして犠牲を日本に押しつけることです。
戦争準備のためのデマに惑わされることなく、日本が、加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないために、声を上げ行動しましょう。ガザ大虐殺を止めることは、私たち自身を守ることにつながります。日本を、私たち自身を守るためには、平和憲法にふさわしい姿勢を堅持し続けることが必要です。そのために、皆さんの力をお貸しください。
10月5日の日曜日1時半から、堺東駅ジョルノ前広場で行動が提起されています。スタンディングの後、商店街を歩いて訴えをします。いつも、ここ中百舌鳥と堺東そして泉北で行っているスタンディングですが、ガザ大虐殺が始まって2年を目前にした10月5日には堺東にみんなで結集しようと計画しています。ぜひ皆さん、集まってください。10月5日に堺東に集いましょう。短時間でもどうかご参加下さい。この歴史的な大虐殺を止めるために、共に声を上げましょう。
(2025年9月15日大阪府堺市中百舌鳥駅街頭にて)