ニサン14日-イエスにとって最も重要な日(1)

 

 イエスの地上の生涯最後の日はイエスにとって最も試みとなる日で、その日にイエスはご自分と人類にとって最も重要な贖いの犠牲を捧げるという事を成し遂げられました。イエスにとってその一日はどのように重要な日となったでしょうか。この記事で説明します。
 

  ニサン14日について説明する前に、ユダヤの暦の一日がどのようになっているかを説明する必要があります。

 

(1)ニサン14日とはいつか
 

 ユダヤ人は,一日を日没後に始まり翌日の日没に終わるものとみなしました。ですから、ニサン14日は日没後に始まることになります。聖書は,キリストが過ぎ越しの犠牲であると述べています。(コリント第一5:7)過ぎ越しのいけにえの雄羊は、イエスを予表していました。

 

 過ぎ越しとは、昔イスラエル人がエジプトの奴隷状態から解放された時に、エホバはみ使いによってエジプトの人間と獣の長子を裁かれたことと関連する事柄です。過ぎ越しとは、その時に、み使いが雄の羊の血が流されたところを見た時に、イスラエル人を過ぎ越したことに基づいて制定された祭りです。(出エジプト12:23,27)


 

Israel's_Escape_from_Egypt

過ぎ越しの祭りは昔モーセによってイスラエル人がエジプトから解放された時に制定された



 

    過ぎ越しが祝われるのは,ニサン(アビブ)14日のスタート時の日没後の夕方でした。(出エジプト9:1-3;12:6;13:3,4。レビ23:5。申命記16:6)律法によって備えられた型もしくは影を正確に成就するためには,キリストの死の日付はニサン14日でなければなりませんでした。(ヘブライ 10:1)

 

 ですから、イエスの生涯の最後の日のニサン14日は、太陽暦の木曜日か金曜日の日没後の夕食から始まり、金曜日か土曜日の午後三時ごろ、地上で最後の息を引き取るまででした。日没は普通午後六時なので、ニサン14日が始まってから、イエスが亡くなるまでおよそ、21時間しかありませんでした。

 

 イエスは、記念式が始まってからご自分の地上での生涯が終わる時まで非常に苦しまなければならないことをご存知でした。(ルカ12:16)

 

(2)ニサンの14日のスタートに制定されたキリストの死の記念式


 

 

 

 キリストは、日没後、その当時恒例の過ぎ越しの祭りを祝っていました。(ヨハネ13:1,2。ルカ22:15。マルコ14:12,16)過ぎ越しの祭りは、年々定めの時に祝われることになっていました。(出エジプト13:6,7)

ですから、記念式も年々定めの時に、開催されるのが正しいやり方です。イエスは、この時が弟子たちを励ませる最後の機会だったので、さまざまな話をして弟子たちを励まされました。


 

pass over
 

Table set for the Passover Seder

Gilabrand at en.wikipedia

過ぎ越しの祝いが年に一度年々開催されるように記念式も年々開催されるのがふさわしい




 

 

 

 

 

 

 イエスは、過ぎ越しの祭りの時に、ご自分の記念式を制定され、年ごとに守るように命じられました。イエスは、「取って,食べなさい。これはわたしの体を表わしています」と言われましたが、さいた無酵母パンが載せられたご自分の皿を渡して、そう勧められたのかもしれません。(マタイ26:26)


 

Shmura_Matzo2

Hand made shmura matzo

 

 

 

  また、後ほど、ご自分のぶどう酒の杯を弟子たちに回されて、「これはわたしの『契約の血』を表わしており,それは,罪の許しのため,多くの人のために注ぎ出されることになっているのです。」と説明されて飲むよう勧められました。(マタイ26:27,28)

 

(3)ゲッセマネの園でご自分の願いではなくみ父のご意志を優先される

 

 イエスは記念式での集まりが終わった後、ゲッセマネの園に行かれて祈られました。(マタイ26:36)イエスは、最も身近な三人の弟子ペテロとヤコブとヨハネを連れて来られていました。(マルコ14:33)イエスは、ご自分が拘束されることをご存知だったので、他の人にできるだけ累が及ばないようにゲッセマネの園に行かれたのかもしれません。

 

 イエスは、そこで、血のような汗を流して祈られました。(ルカ22:44)イエスはダニエルの預言をご存知だったので、その時がご自分が苦しみの死を遂げなければならないと時であることをご存知でした。(ダニエル9:24-27)

 

 しかし、イエスはみ父に対して「もしできることでしたら,この杯をわたしから過ぎ去らせてください。」と祈られました。(マタイ26:39)杯という事によって、この時に苦しみの死を遂げるという酒杯を飲むことを過ぎ去らせてくださいと祈られたと考えられます。(マタイ20:22)イエスは、み父が全能の神なので、ご意志であればどんな祈りでも聞き届けることができるという信仰を持っておられてこのような祈りを捧げられました。(ルカ14:36)

 

 イエスがこのような思いをもったことを聖書はイエスの完全さを損なう事であったとは記していません。このように考えることは、イエスにとって失敗ではありませんでした。完全な人であっても、苦しみを受けることにためらいを感じるものであり、エホバはそのように感じることを否定されないことが分かります。エホバが完全な人とみなされる人に、自由な感情を持つことを許されることが分かります。

 

 でも、結局、イエスはご自分の願いではなく、み父のご意志を優先され、「これが,わたしが飲まないでは過ぎ去ることのできないものでしたら,あなたのご意志が成るようにしてください」と祈られました。(マタイ26:42)


 

Jesus-in-Gethsemane

イエスは極度のストレスのもと神のご意志をご自分の願いより優先された



 

 

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