超期待作

 先日、大学の図書館でぶらぶら雑誌を閲覧しておりましたら、創価の機関誌だと思われる「潮」に、面白い記事を見つけました。


 それには、今各方面で話題沸騰中のアニメ、落語天女おゆいの紹介が載っていました。そもそも、このアニメはすごく売名要素が強いので、アニメ誌のほうが良く取り上げているでしょうが、一般の、しかも創価の機関誌に載っているということがまず興味深いところです。

一応おゆいの公式 

 http://www.rakugo-tennyo.com/


 このアニメについては、あまりにも既視感があったし、アニメ誌にもあまり最近目を通さなかったので、このアニメのできた経緯などはしらなかったのです。それで、簡単な経緯を読んでみると、歌丸の三番弟子の桂歌若氏が、「アニメと落語一緒にしたらおもしろそうじゃね?」みたいなことを言って、始まったようです。そして、歌丸師匠も、「落語を広めるにはしかたない。おもしろければいいだろう。」ということになって、めでたくアニメ化という運びになったようです。


 この記事は、その前に、昨年のドラマタイガーアンドドラゴンの影響で、落語にたいする人気が高まっていて、若者が落語を聞きに集まっているという前フリがあって、

「さて、しかし、これはいわゆる美少女アニメ。アキバ系が大挙して落語を聴きにやってくるのだろうか。」などと結んでいました。


 オタのオタたるゆえんを理解していれば、こんなおろかな売名方法はとらないはずです。オタは漫画アニメゲームには強い関心を示しますが、ほかの事にはほぼ無関心、それが守られればあとはどうでもいいという連中のことを指しているということを理解していれば、これでオタが落語を見に来るなどという短絡的なことはいえないでしょう。


 もしかすると、これはもっと深い戦略なのかもしれません。つまり、堅そうな落語界が介入する、ということを宣伝文句にして関連商品、声優の売り出しにかかっている、ということです。宣伝文句のないアニメほど集客力のないものはありませんから・・・。


 最近ホリエモンが逮捕されて、自民党とホリエモンは利用しあっていた、といわれています。自民党は票を得て、ホリエモンは売名をした、と。


 この落語アニメにも同じような構図が見え隠れします。ともに利用しあうつもりで企画自体は持ち上がってきたような気がします。しかし、オタの本質を考えた場合、落語界には利益はないような気がするのです。


 歌丸師匠の「おもしろければおk」というのは、豪気なことであり、いかにも2ちゃんねる的な発想で僕は好きなんですが、このアニメをみて、落語面白そうだなぁとはまったく思いませんでした。むしろ、このアニメのパーツの寄せ集め的なつくりにうんざりしています。


 落語界の黒歴史になりそうなこのアニメ、先行きが楽しみでもあります。革新的な試みであったのは間違いないでしょう、アニメの内容以外は。