小石本(こいしぼん)君のこの記事

http://blog.livedoor.jp/koishi_books/archives/50042671.html

を読んで、アニオタも一種の宗教なのかなと思いました。


 私まだまだ不勉強で、仏像とフィギュアの類似性などは、聞いたこともなかったし、また考えたこともありませんでしたが、まぁ言われてみればそうかなぁと感じたくらいでしょうか。ともに飾って鑑賞するという意味では偶像崇拝にあたると思って偶像崇拝やめれ、というコメントを書いたわけなんですが、そのあといろいろ思うところありました。


 オタクのフィギュアに関する愛着みたいのは、それをアニメ中のキャラクターとして重ねているから、というのを小石本君は書いているわけですが、そういうことを考え合わせると、オタの偶像崇拝と仏教徒の偶像崇拝は正反対の方向性を持っていると考えられます。

 

 それは、仏教徒の信仰は絶対上位のものに対する信仰、そしてオタの信仰は自分より下のものに対する愛玩としての信仰、ということです。信仰に上のものに対する憧れ、のような要素があればこの文章自体矛盾だらけなわけですが、魂の存在を信じる、というような解釈のもとでは仏教徒とオタでは別方向のベクトルに信仰方向をもっているといえるのではないでしょうか。自分の意見に固執し、優れた意見を認めない、という一般的オタ傾向を説明するのに適用できそうな気がします。すなわち、いつも自分より下のものしか相手にしないために、上位のものに出会ったときに困惑する、ということです。


 戦後教育世代は、絶対的な信仰対象を与えられることなく育ってきましたし、また個性重視とかいうのはいわれてきました。その隙間を縫うようにしてカルト宗教が台頭したわけでしょう。そうはいっても、このこと自体はむしろいいことでしょうし、思想の自由は守られてしかるべきだと感じます。


 しかし、ポスターやフィギュアを部屋いっぱいに飾る姿などをみていると、一種の宗教なのではないかという思いがあります。彼らはおそらく無神教でしょうし、おそらく宗教などには興味がない人が大半だと思います。恐ろしいのは無自覚な狂信者であって、熱心な信者ではないと思います。アニメ教のニヒリズムは現実世界に良い影響を及ぼすとは考えられないのですがどうでしょうか。


 そういえば、声優の熱心なファンのことを信者といって揶揄したりしますね。これは面白いことで、呼ぶ側はバランスが取れているということでしょうか。