車を換えてから
トリップ・カウンターの数値が
旧車とは変わり、
14インチから13インチの
タイヤに換わったからかと
怪訝に思っている。

室外温度表示も
道路沿いの気温表示板と
2℃くらい誤差があって、
どーも大雑把な精度のようである。





高速の長距離ドライヴに
飽いてくると、
3Dナビと高度計で浮遊感を味わい、
2Dナビと方位コンパスで
運航感を楽しもうとしている。

高速の途中では
サービス・エリアや
オービス・ポイント、
絶景ポインなどがあって
できるだけ単調ドライヴに
ならないように
それらを意識化している。

真上をドーンと
通過している太いパイプ・ラインには
「グリーン・ライン」と命名して、
ここから1㎞ほどの下り坂になるので、
運動会のスタート・ラインのつもりで
V字のボトムまで
フル・スロットルにベタ踏みし
最高機速(車速)をマークする。

もっとも軽は
140㎞/hがマックスなので
大したスピードではないが・・・。

前のターボ4WD車では、
エンジンの最高パフォーマンスを
時々引き出してやる
メンテのつもりでもあった。





中高のカウンセリング現場では
アートセラピーを
取り入れているが、
自分で道具を持参して
セッション内で黙々と
描画作業する子もいる。

きのうは
A子ちゃんの下絵から
彩色の完成まで
じっくりと鑑賞させてもらったが、
それは見事な手際であった。

コピックという
筆状のフェルトペンを
100本ほど専用袋に
ぎっちり詰めて持参したが、
これはけっこう高価で
72色で1.8万もする。

単なる“お絵描き”ではなく、
その製作過程が
“たましい”の真剣勝負のようでもあり、
楽しみながらも
サイキックなエネルギーが
全人的に投じられているのが
傍から観ていて感じられる。

それゆえに
仕上がった作品も
今時のアイテムではあるが、
見事にこちらの“たましい”に
伝わってくるものがある。

当人の許可を得て、
製作過程と作品の撮影、
ブログアップをさせてもらった。

“やらせ”ではなく、
本番・真剣勝負の
アートセラピー・セッション中の
一場面を切り取って
掲載できるのは、
心理臨床家にとっては
とても貴重な
資料提供の機会を頂いたと
A子ちゃんに感謝している。

当人も
自分や作品の画像を見て
嬉しそうにしていた。

このまま、
研修会やレクチャーに
サンプル画像として
使えそうである。

心理分析の実際では、
この碧眼、青毛の女の子が、
A子ちゃんの深層心理の
何を投影しているのか、
その内的人格と外的人格の
様相を対話で探り、その過程で
彼女の病理性・問題性の変容を
丹念に根気よく観察していくのである。

心理療法とは、
薬というケミカルな物質に拠って
脳というハードに作用するのでなく、
イメージや言葉、暗示、動作などに拠って
精神作用というソフトに働きかけるのである。





没後一日にして、
さっそくキーンさんの特番が
BS-TBSで放映された。

この局が、
キーンさんが帰化後、
7年間オッカケ取材をしてきた
そのストックがあればこそ
逸速く追悼番組が組めたのだろう。

これには、
さすがのNHKでさえ
後手を引いたようだ。

公共放送局では、
じっくりと編纂して
しかるべく時に
追悼特番を打つのだろう。

それは、それで、
楽しみである。

TBSのカメラも
なかなか真摯に誠実に
キーンさんの晩年を描いて
心に響くものがあった。

ことに、
2017年のケンブリッジ大再訪のシーンは、
若き日の留学地だったので
単なる懐かしさだけではない、
もう二度とは来れまいという感傷と
万感の喜びが表れていた。

かのバートランド・ラッセルとも
若き日に酒を酌み交わしたというから、
その交流歴たるやすごいものである。

追悼番組で
初めて知ったことも
多々あった。

キーンさんは
語学の天才で、
ラテン語は元より、
ギリシア、ロシア、
ドイツ、フランス語に
日本語ほどに堪能だったという。

それゆえに、
日本人でも読めない
古文を草書の原文で
判読できたというから、
天才的言語能力の持ち主でも
あられたのだ。

彼の翻訳がなければ、
川端康成のノーベル文学賞も
なかったという。

2008年の
外国人初の文化勲章授与式では、
マエストロ小澤や
ノーベル賞受賞の益川さんらと
堂々と顔を並べているから、
その偉人度の高さが伺える。

番組では最後に、
キーンさんの両親指が
大きく弓反りになった画像が
アップになり、
『キーン全集』を担当した編集長が
文字どおり「万巻の書」を読み、
それを押さえながら
メモをとってきたからだ、
と謎解きをしてくれた。

まさに、
文学者の【鑑】としか
言いようがない。