きのうの
猛暑、酷暑には
参りやした。

35℃を越す
という予報だったので、
エアコンのないK中では
熱中症対策として、
クーラーいっぱいの保冷材と
飲み物5本に、バケツにタオルを
持参した。

扇風機の前に
冷やしたタオルを干して
冷風扇にしてやろうと
考えたのである。

しかし、
すさまじい猛暑には
歯が立たなかった。

午前10時から
室内は31℃のまんま、
まったく下がらす、
ついに前駆症状の
頭ボーッが発症したので、
急いでお隣の保健室に駆け込んだ。

エアコンが効いて
25℃の部屋は天国のようで
汗がスーッと引いて、
意識が戻ってきた。

こりゃアカンというので、
空き教室を臨時で借りて
バカでっかい業務用エアコンを
ブンブンと最強にしたら、
ものの5分で25℃になりやんの。

いや~。
この機械、
うちに持って帰りたいわぁ、
と思ったくらいだ。



午後からは、
冷房が効きすぎて、
鼻水がでた(笑)。

それでも、
一歩ローカに出ると、
クラクラッとくるような
蒸し暑さであった。

K中勤務は
あと来週の一日だけなので、
来週の分も使用願いをしてきた。




夕刻の帰宅路で、
積乱雲になり損ねた
小入道に入日が光背になって
パノラマチックに見えた。

雲の合間を縫って
放射する光の束が、
まるで天国への
トンネルのようであった。

こんな日に、
誰かがまた
昇天するんだろうなぁ・・・と、
自宅に着くと、
歌丸さんの訃報を聞いた。

『笑点』の噺家が
昇天したなんて、
洒落た末期である。

齢八十一だそうで、
歳に不足はなかろう。

歌さんの昇天ネタを
散々ふっていた現・円楽の
コメントが聞いてみたいものである。

偶然か、
大学時代から40年も
視聴してきた『笑点』を
先週きりで予約録画から消して
見るのをやめにした。

それと、
『サンデーモーニング』も
30年来見てきたが
同時にやめた。

定型パターンに飽きて
心からオモロイと
思えなくなったからである。

これも
終末効果の一種
なのかもしれない。

なんだか、
下らないこと
ありきたりのことに
時間を費やすことが
嫌になってきたのだろう。

これぞ「SOC」だな、
と生涯発達の勉強で知った
「Selective Optimization with Compensation」
(補償を伴う選択的最適化)
という理論を身を持って感じた。

これは、
発達心理学者バルテスの説で、
歳をとったら、
残り時間やエネルギーが有限なので
関与する領域を精選し(選択)、
そこへ集中して
パフォーマンスを維持すべし(最適化)
ということである。

その際、
自ら工夫をして
能力の低下を補うべし(補償)
という。

これは、
リサイタルのプログラミングにも
まったく当てはまる。

もう、
時間とエネルギーを消耗する
難曲や超絶技巧曲はやめて、
精選した曲を効率的に工夫してやる、
という今のスタンスそのものである。

もう、
本質的なこと、
自分が心からオモロイと
思ったこと以外、
やりたくないのである。

還暦過ぎたら
義理を欠くことを恐れるな、
というのは、ある意味、
正しいような気がしてきた。

今も、
いろんな類のオファーがあるが、
自分の残り時間に見合うこと以外は、
ほとんどスルーして、
ほんとうにやりたいセミナーなどを
新しく立ち上げる方を優先している。




『悲愴』の第一楽章を
久しぶりに練習しているので、
5人のピアニストで
聴き比べてみた。

コチシュの演奏は、
アクロバチックなほどに
快速で笑えてしまった。

ピアノって
そんなにも速く弾けるんかと
驚きもし、不思議にも思った。

古楽器奏者のも聴いたが、
途中、カデンツァなんだか、
勝手な即興部分を入れるので、
ベートーヴェン怒るぞー、
と思った。

なんだか、
古きよき日の
バックハウスの演奏が懐かしい。