=第10話「足長マンチカンがやってきた」=
我が家に2匹目のマンチカン、「メル」がやってきました。
メルは足長マンチカン。それはそれは天真爛漫で、初日こそ警戒していましたが、すぐに家中を駆けずり回るようになりました。
ぐれおじさんはいつものように優しく面倒をみてくれました。
ゆき姐はメス猫の在り方を教えているようで、優しくしたり、制裁を加えたり。
ある日のこと、
メルがゆき姐にちょっかいを出しました。
メルの左がゆき姐に直撃と思った瞬間、
ゆき姐の見事なクロスカウンターが炸裂しました。
メルはたいそう可愛がって育てられました。
ティオパパも、最初こそ「シャーッ」と言っていましたが、すぐにメルを気に入ったようでした。
ところが、毎回返り討ち。
メルの猫パンチで追い返されます。
メルは、明らかに先住のティオを下に見ておりました。
なんでこんな上下関係が生じたのか不思議だったのですが、ひとつの仮説は、
「足が長い方が優位」
というものです。
ぐれおじさんもゆき姐も、メルとは仲良し。メルも本当の親同様に懐いていましたから。
とはいえ、短足猫はこの時点でティオパパだけでしたから、この仮説の実証はまたあとのお話になります。
まあ、いずれにしても、ティオパパの弱さを見て
「あぁ、この2匹は夫婦にはならないかな」
そう思っていました。
しかし、ティオパパの愛は人間の予想を超えていました。
何度も何度めげずにメルにアプローチ。
そして、メルが生後半年を超えた頃、我が家の2階の猫部屋から、メルのいつもと違った鳴き声が聞こえて来ました。
ティオの愛が成就したようでした。
第10話 完