まんが日本昔ばなし
📺️1984年(昭和59年)1月21日
🎙️ナレーション市原悦子さん
母キツネを助けたお礼に柿の木をもらった話
昔、山深いところに吾助という獣とりの名人が、かみさんと二人で住んでいた。
罠にかかった獲物を町で売って、
生活の足しにしていた。
ある冬の日のこと、
吾助の罠に大きな女狐がかかっていた。
この狐を売れば、
かみさんにあったかい角巻き(肩掛け)を買ってあげられると喜んだが、
この女狐には二匹の子狐がいる事に気が付いた。みなしごだった吾助は、
幼少期に寂しい思いをしていたことを思い出し、子狐が可哀そうになり母狐を逃がしてやった。
そして、吾助はこれを機会に獣とりの仕事をやめた。
春になった頃、吾助夫婦の家に一人の若者が訪れ、
「母からの使いです」と、
数本の柿の苗を差し出した。
吾助がその柿の苗を植えてみると、
次の年から沢山の甘い実をつけた。
この柿の実は評判となり、
町からも買いに来るようになり、
吾助夫婦は大金持ちになった。