『鬼眼城』で問いかけること | 檜木田正史のブログ(ツイッターより)

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ツイッターを2012年6月21日に始めました。
@hinokida_m

仕事のこと、新作のこと、講師をしている専門学校のこと、趣味のミュージカル・講談・マーダーミステリーのことなどのツイートを、ここに格納していきます(多少、加筆修正)

■何かを達成するのは、簡単ではありません。


それを本当に達成したいのか? そのために、他のすべてを失ってもよいという覚悟があるのか?

『鬼眼城』は実は、それを問いかける話です。



隼人という主人公の、この物語における最終目的は、


「天守で出会って心を通わせた幼い姫を助けること」。

ところが物語が進むうちに、隼人はその目的のために、大切なものを犠牲にする岐路に、何度も何度も立たされます。



多くの敵兵の生命を奪い、

敵に回せば恐ろしい相手を本気で怒らせ、

仲むつまじい夫婦の仲を永遠に裂き、

恩人の厚意を踏みにじり、

死んでいった大切な人にかつて約束した「誓い」を捨て、

尊敬してやまない名君をも敵に回し、

そして最終的には、城が焼け、その国が滅び、多くの家臣やその家族が路頭に迷うという事態にも直面します。


たった一人の少女を助けるために。


大事のためには小事を捨てよ。

そういう「大人の論理」は痛いほど分かっていながらも、だからといって、小事(その少女)を見捨てるわけにはいかない。

いかに大事を損ねることになろうとも、心に重い荷を背負うことになろうとも、その小事を守ることを貫く。

隼人はそういうキャラクターです。




私が今まで書いてきた物語には、こういう人物が多いです。

たとえ他人から見たら「ちっぽけな、こだわり」にしか見えないことでも、


その本人にとっては、重大なこと。

それを守りぬくためには、どんな犠牲をも厭わない。

世間や他者との間に軋轢が生じようとも、甘んじて、それを受けとめる。


ゲーム『金田一少年の事件簿~悲報島新なる惨劇』もそうですし、


今、某出版社さんで準備中の新作小説もそうです。



『鬼眼城』もまさにそれで、


このたび配信した「其の四」から、ますます過酷になっていきます。


次々と隼人の前に立ちはだかる試練。


それが、どんどん困難になり、


そして「其の四」では、取り返しのつかない事態を招いてしまうのです。


胸に突き刺さるような悲劇で、、、私が最も好きな章です。


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