下記のヘッドラインを出している。勿論、なぜあんなに水が出たかである。
以下、参考まで抜粋しておきたい。
タイ洪水が浮き彫りにしたインドシナの森林・環境破壊
タイを中心にインドシナ各国で経済成長が進むなか、急激な森林破壊や
農村から都市への人口移動、インフラ開発などが大規模洪水の発生の
要因の一つになった可能性が指摘されている。
その中でも最も影響が大きいとみられるのは熱帯雨林の急速な減少だ。
これは森林の保水能力の低下に直結する。経済成長につれ国土開発が進み、
タイの森林は東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも特に速いペ-スで
減少した。
国連食糧農業機関(FAO)の調べによると、タイの森林は販売目的の
伐採や開発などで過去20~30年間で急速に失われた。1980年から90年
までの10年間の森林減少率は年率3.3%とフィリピンに並びASEAN
最大で、90年の林野率(国土に占める林野の割合)は25%まで低落した。
現状では一段と減少している可能性が大きい。
さらに、森林減少がタイの北部で国境を接するミャンマ-やラオス
などや中国南西部を含む広域な範囲に及ぶのが問題の根深い点だ。
タイ、ミャンマ-、ラオスの山間部では少数民族による焼き畑農業が
今も続いている。3月になるとタイ北部のチェンマイ周辺は恒常的に
焼き畑の煙で覆われるほどだ。
ミャンマ-では年間40万haの森林が失われている。かつては15~20年
かけて山の一部を順番に焼いていたが、今では少数民族の生活にも
現金収入が欠かせなくなり、5~10年など短い周期で焼いていくケ-ス
が増えて山が荒れているという。一方で植林・造林のペ-スは遅く、
世界に誇るインドシナ半島の熱帯雨林は急ピッチで失われつつある。
タイ・ラオス国境を流れ、チベット高原に源流を発する大河、
メコン川を筆頭に、インドシナ半島には国境をまたぐ大きな河川が
随所にある。
半島一帯に大雨が降ると下流に集まる雨水は莫大となる。