尋胡隠君  高啓(明)   胡隠君を尋ぬ  

渡水復渡水     水を渡り 復た 水を渡る
 看花還看花     花を看て 還た 花を看る
  春風江上路     春風 江上の路
   不覚到君家     覚えず 君の家に到る


  川を渡り、また川を渡り

   花を見、また花を見ながら

    春風の吹く川沿いの道を歩いているうちに  

     いつの間にか、君の家に来てしまった



これも有名な詩です。

ぼくの持っている本の解説には、春風の吹くままに 咲く花の誘うままに
隠者を尋(訪)ねる、とあるが、そうじゃないに決まっている。

これは恋の詞(うた)でっせ!
おとぼけのフリをしているも、春の暖かいさなかに、誰が隠者のとこなんかに
行くもんかって。

Love is there. なんでございますヨ!
おわかりですか、解説者さん。

あまり知られていない名とおもうので(↓);

1332~1370。長州(中国江蘇省蘇州市)の人。博学で詩をよくし、李白、杜甫に匹敵する天才といわれる。歴史にも通じていた。
明初めに戸部侍郎(こぶじろう:大蔵次官)に抜てきされたが、辞退して故郷へ帰った。梅を愛したことで名高い隠者。