今週の週刊新潮 コラム「人間自身」最終回より抜粋

タイトル 墓碑銘

墓碑ウォッチング 「次はお前だ」 
他人事だと思っていた死が、完全に自分のものであったことを
人は嫌でも思い出す。
こんな文句を自分の碑に書かせたのはどんな人物なのか。
諧謔を解する軽妙な人物である一方、存在への畏怖に深く目覚めている
人物ではないか。生きている者は必ず死ぬという当たり前の謎、謎を生者に
差し出して死んだ死者は、やはり謎の中にあることを自覚しているのである。
私はどうしよう。こんなのはどうだろう。

「さて死んだのは誰なのか」


ここに再び、知を愛した(「哲学」の原意)彼女の若過ぎた死を悼む。

美人でグラマーだった。