けさ、阪神淡路大震災発生後12年。
黙祷。

時は容赦なく過ぎ去る。

正月の毎日を見てたら、「ひと」欄で、あらあらお懐かしや、平 朝彦(たいらあさひこ)の
写真付記事がでていた。

二十年ほど前、岩波新書「日本列島の誕生」をおおいなる興味と感動をもって読んだ。

この本が出て暫くして、日経日曜版にかれの写真入の日本列島に関する紹介記事が大きく
掲載された。長身で美男子、じつにイイおのこだった。
当時まだお若いのに、また東北大出にも拘らず、東大教授だった。
ながらく見なかった平さんは、すっかり熟年になっておられ、老眼鏡(?)も年月の隔たりを感ずる。
やむないか!

フィールドワーク、即ち、現場を重視する方法で世界のアチコチを調査。
この本も高知大学に籍をおかれたときに、四万十川など実地に探査された経験がもとになっている。

労作の巻末の地図。 500万年前の日本は大陸と地続きであったことがわかる。
また、1万8千年前は九州と大陸が、浅瀬・湖でつながっており、容易に渡ること
が可能だったろう。

南海トラフなる言葉を知ったのも、プレートテクニクスを分り易く図入りで解説されたの
も本書がはじめてだった。
大地震が起る度に平さんのコメントを聞きたくなるが、マスコミには登場されない。
惜しい!



<記事抜粋>

最大の目標は、地球内部のマントルと呼ばれる熱い岩石の採取だ。マグマとして海底から溶け出し、
大陸や島をつくるもとになるが、誰も手にしたことがない。
「成功すれば、日本列島の誕生や巨大地震の発生メカニズムの解明につながる」
高知で、激しく変形した謎の地層群「四万十帯」と出合った。学生たちと調査を重ね、
海洋プレート(岩板)が陸側プレートの下に沈み込む過程でできたことを突き止めた。
「本当は現場での研究が一番、楽しい」
「プロジェクトは20年にわたる壮大なもの。未来の研究者に、成果を渡す道筋をつけたい」

仙台市出身。東北大理卒。東京大教授などを経て02年海洋科学技術センター
(現海洋研究開発機構)地球深部探査センター長。
地球深部探査船「ちきゅう」運用責任者
専門は地質学。60歳。


あんまり真面目になら過ぎずに、長生きされて欲しい。

岩波新書は90年11月刊。
近著に「地球の内部で何が起っているのか?」(共著、光文社新書 05年7月)。
いま読んでいるところ。