この新作の映画評読んで、ボンドもんも変わったもんだな、と感慨深い。
なんと21作目という!
最初のS.コネリーの「殺しの番号」は62年製作。44年も経った訳か!
一部引用紹介してみたい。いずれも絶賛だ。

(誕生以来ボンドの女性に対する愛は一貫して性愛だった)
ボンド映画史上初の女性製作者によって選ばれた実力派性格俳優
ダイニエルクレイグの新ボンドは、女性と友情をわかちあうこともできる現代の男だ。
その一方では恐れを知らないタフガイでゴージャスな肉体と冷たく青い瞳を持つ。
ポーカーの大勝負に送り込まれたボンドは、莫大な賭け金の監視役の女性
リンド(エヴァグリーン)を殺人に巻き込む。

(殺しの)衝撃のあまりシャワーに打たれながら指の血が落ちないと泣きじゃくる
彼女を、ボンドは服も脱がないままともに濡れて肩を抱き、指を吸う。
このおもいやりは、これまでのボンドにはなかったもの。
冷酷な固い殻の下に、温かな人間味を供えていることが分る名場面だ。

見終わったあとに残るのが胸に沁みる悲しみであり甘美なやるせなさなのが素晴しい。
(渡辺祥子、12・1 日経夕刊)

....シャワーの水を浴びながら、泣き崩れる彼女にボンドが手を差し伸べ悲しみを共有する。
人間ボンドの振る舞いに心を揺さぶられた。
(近藤 孝、12・1 読売夕刊)