逃げるな 闘え(1) | lilychien-fc2012

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ショートストーリー、イラスト制作(練習中)記事、音楽関係、日常の話題など・・・気ままな日記です。


自動車メーカーN社に勤務していた時期・・・

キャリアパスの一環で、販売会社への出向時期がありました。

私の場合、25ヶ月。

人事部門に所属していた私は、部門の伝統?でもある、

激戦区の名古屋への出向になりました。


T社のお膝元である、名古屋ですから私のN社のクルマは・・・

いいえしっかり当時も沢山?走っていました(^O^)

しかし、占有率、台数ともそれは言うまでもなくT社が圧倒的。

25ヶ月間はあっというまであり、毎日が苦闘の日々でした。

営業という仕事であるからというのではなく、毎月いくら売上

(台数)ても、翌月になれば全てゼロからのリセットスタートになる世界・・・


またいくら科学的なマーケティングや商品計画の下に

開発されたクルマでも、商品力がなければ絶対売れない・・・


売れない商品を販売しなければならない販売会社は次期型が

販売されるまでの2年ないし4年は冷や飯を食う・・・


「お前たちがダサいクルマをつくったから、俺たち販社のプロパーは

フロントガラスに万札20枚貼り付けてこうして売ってるんだよ・・・」


配属された営業所長の口癖です。


まあ、どんな業界も厳しさはいっしょだと思いますが・・・、

このような世界をキャリアパスの一環とはいえ経験させて

くれたことは、・・・今の自分にとっては幸いな事だったと思います。

担当エリアは名古屋駅の裏側のエリア

中村区太閤通りの周辺・・・。


こんなことがありました。

店頭営業にシフトしてきているとはいえ、当然担当エリアの

車検リスト等をもとに訪問営業も行います。

ある、車検時期の到来を迎えるお宅(自営業)にほぼ1年を

かけて足げに通っていました。

とうとう車検残3ヶ月になった時・・・

具体的な買い替えのおすすめ訪問を・・・半ば強引に行っていました。

ある日、ついにそのお宅から見積もり依頼をいただいたので、

ここはチャンスといい条件提示で見積書を持っていきました。

雰囲気的に、そこで決める感じをそのご主人から感じ取ったので

かなり粘った商談をした・・・そんな記憶があります。

粘ったものの、ご主人の顔は冴えませんでした・・・。

どこが納得いかないか・・・聞き出そうと必死になっていると

とうとうご主人から本音が・・・


「N社の○○○←(私の名前)さんは、この1年間よく通ってくれた・・・

でもね・・・T社のセールスは、8年目なんだよね・・・○○○さんと

同じようによく立ち寄ってくれてね・・・8年間 」


この言葉を聞いて、そしてご主人の本音を聞いて私はいったん

見積もり条件を含めて出直すことにしました。


ご挨拶をしてご主人宅から出て・・・人の気配を感じました。


それはT社のセールスでした。


彼は、私の商談が終わるのを1時間待ってたようです。

私の入れ替わりに、彼はご主人宅のベルを鳴らしました・・・。


それから1ヶ月後、ご主人のお宅の車庫には新しいT社の

新車が輝いていました。


これは出向期間中の全ての商談の中の一つです。

でも、とても印象深い自分にとっての体験でした。


勝つために必要なものって何か・・・。


今は義理なんてものは・・・ないと思います。


また自分が持つ商品の商品力だけではないことは

営業に携わっている方、経験のある方はおわかりでしょう。



ネットで全てが手に入る・・・そんな時期に

こんな話は古臭いかもしれませんが、

そうはいっても商品のやりとりって・・・

最終的には人間と人間の行動やそれぞれの意思が

大きく関わっていることに変わりはないと思う

今日この頃です(^O^)。