ホミン小説「秘密」#51「Contact」 | 東方神起小説 Lily♡ホミンの香り

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ユノとチャンミンがいる限り
みんなと一緒に「We are T!」

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#51「Contact」

 
 
 
寝室に入り、ユノが上着を脱ぎかけると
チャンミンがすかさず後ろから手を添えたので
ユノは照れくさくなったのか
袖から抜く手がまごついて裏返しになってしまった。
 
「ぷっ(笑)、小さい子みたい」
 
もちろんその言葉は揶揄うような意味はなく、
どちらかといえば「カワイイ」という気持ちで
ふいに出た言葉だったのだが、
ユノはとても恥ずかしくなり、
オタオタと言い訳をした。
 
 
 
 
「あ、いゃ、あの、違う。いつもはちゃんと綺麗に脱いでるんだけど、その今日はたまたまどういうわけか上手くいかなくて、ほんと、信じて」
 
「ん?あぁ、そうなんだ。それなら良かった(笑)、毎日いちいちひっくり返して仕舞ってるなら手間だろうな、って思っただけw」
 
ユノが思う程チャンミンは気にも留めていないようで
手際よくスーツを整えてハンガーに掛けた。
すると、いつの間に近付いていたのか、
ヒチョルがユノの背後に立っており、
耳元でいきなり呟いた。
 
 
「毎日チャンミンに脱がして貰えば良いんじゃない?」
 
「うっわ!!びっくりした!、、、っだよ急に!」
 
「、、、ふふん。照れちゃって(笑)、ねぇ、着替え済んだなら早くご飯にしようよ~」
 
「あぁ、お待たせしてごめんなさい。すぐ温め直すね。じゃ、ユノも早く来てね」
 
「チャンミンってほんと、可愛くて良い子だね~♪」
 
 
そう言いながらチャンミンの肩を抱き、
寝室を出ていく二人の姿を後ろから見ていたユノは
ふいにまた、デジャヴのような感覚になり、
無意識に口を突いて出た独り言にハッとして
スウェットズボンに片足を突っ込んだまま
動きを止めた。
 
ユノは「いつもヒニムはチャンミン贔屓なんだから」
と、確かにそう言ったのだ。
 
「、、、いつも?、いつもってなんだ?俺とヒチョルは今日会ったばかり。しかも、なんで俺ヒニム、って言ったんだろ、、、」
 
昼間、Chloeやドンへから聞いた話を
照らし合わせる様に過去の記憶を探るが
確信が掴めないままボンヤリとしていた。
 
 
「ユノ、まだ着替え終わらないの?、、、っていうか、変な顔(笑)」
 
「こら。変ってなんだ(笑)、すぐ行くよ」
 
この間から度重なる妙な感覚を
いま説明したとて何も解決するわけでなし、
ユノは何事もなかったように食卓へ向かった。
 
テーブルにはたくさんの料理が並べられていて
どれも彩りが良く美味しそうな香りを放ち
もちろん味も申し分なく、ユノとヒチョルは取り合いをするほど
勢いよく頬張った。
 
そして、ある程度お腹が落ち着いた頃
ヒチョルが見計らったように「それはそうと、、、」と
ユノに向かって話題を振った。
それは、昼間にChloeが掛けて来た電話の内容についてだ。
 
 
「ユノ。あなた、昼間めっちゃ機嫌悪かったんだってね。なんでもアレでしょ?僕が超悪者だーー、って疑ってたとか。ほんっと失礼。バカね」
 
「ええ?ヒチョルさんが悪者?ユノったらそんな事考えてたの?」
 
「あ、いゃそうじゃなくて、その、、、だって、正体がわからないからさ。やけに馴れ馴れしいし」
 
「!!、なにその言い草!相変わらず頭が固いのね!、、、まぁいいさ。もうすぐいかに自分が馬鹿だったか、って事がわかるはずだし」
 
「さっきからなんだよバカバカって!じゃぁ聞くけど、お前って何者?それに黒い靄の正体を教えろ。それから、あんたとChloe、ドンヘ達との関係は?」
 
捲し立てる様に問い詰めるユノに対し、
ヒチョルは一切動じる事もなく、
相変わらずもぐもぐと食事をしながら
淡々と話し始めた。
 
 
「まず僕とあの子達、、、Chloeやドンへは前々からの知り合い。っていうか、僕が雇い主だったって言った方が良いのかも」
 
「へぇ。ヒチョルさん、社長さんかなにか?」
 
「んふふふ(笑)、可愛いねチャンミン♪、それから、ある程度の事はChloeから聞いたと思うけど、いまはそれ以上の事は説明してあげられないの。でも、もうひとつだけ、僕から良い事を教えてあげる」
 
「、、、良い事?」
 
「この間から君たち、何度もデジャヴを感じてるでしょう?脳の誤変換という場合もあるけど、君たちは違う。実際に体験してるんだよ。例えば僕と君たちふたりは、以前とても親しい間柄だった。、、、もう何百年もの間ね(笑)」
 
「また訳の分からない事言って、、、。これが良い事なのか?」
 
「もちろん良いに決まってるでしょ。大ヒントだよ!黒い靄が僕の仕業だと思ってたみたいだけど、僕が引き止めてるぐらいだっつーの!、、、でも正直、今のままだと、あといくらも抑えきれないんだけどね。だから早く君たちが結ば、、、、あ、なんでもない」
 
「ん?何か言いかけた?」
 
「あ、う、ううん、何でもない。あ、これ誰も食べない?じゃぁ、僕が全部頂くね」
 
それまで饒舌だったヒチョルが急に口ごもり、
誤魔化すように料理を口いっぱいに押し込んで
モゴモゴと呻き声を上げ始めた。
 
「ちょっと、ヒチョルさん大丈夫?、ほら、お水飲んで」
 
 
 
チャンミンが慌てて差し出した水を
ヒチョルは手を振って要らない、という素振りをし
吐き出さないように口を抑えながら席を立って、
もう帰るというサインを出した。
 
「え?ヒチョルさん帰っちゃうの?まだお料理残ってるのに」
 
「話の途中だぞ。、、、あぁ~あ、都合の悪い事でも言いかけたとか?また俺たちに秘密か?」
 
ヒチョルは自分の胸をどんどん、と叩き
口の中のものを少し飲み込んでから
ユノを指さして大袈裟に答えた。
 
「そう!その通り!さすがユノ!勘が良いわ!、、、ってなわけで、僕はそろそろ帰るね。チャンミン、今日は一日お付き合いしてくれてありがと♪久しぶりに一緒にいられて嬉しかった♪じゃ」
 
ヒチョルは慌ただしくそう言って
バタバタと玄関に向かった。
 
チャンミンは見送るために、
ユノは引き止めようとしてヒチョルを追う。
まるで逃げる様に玄関を出ようとしたヒチョルだったが、
どういうわけか開きかけたドアを一度閉めて、
ふたりに向かいあった。
 
「余計な事かも知れないけど、、、チャンミンは明日にでもここに引っ越してらっしゃい。あの黒い靄は、あなたが独りになる時を狙っているんだから」
 
「え、、、でも、」
 
「まぁ、わざわざ僕が言わなくても、多分、今夜中にそう決める事になるとは思うけど、念のためにね(笑)、じゃぁね、また明日の朝~~」
 
「は。明日の朝また来るつもりかよ」
 
「、、、引っ越して来いだなんて、何言ってんだかね」
 
チャンミンは両肩をすぼめて、
呆れたような仕草をしながらユノを見た。
 
「あぁ、、、いゃ、、、うん、、、でも、きっと俺も同じこと言うと思う」
 
「え??」
 
「(笑)、ね、それより珈琲淹れてよ。ちょっと疲れたから、スッキリするやつ」
 
「はいはい(笑)、じゃぁ、アメリカーノが良いね」
 
 
ユノはチャンミンの頬にキスをして
ぎゅっと抱き締めたまま廊下を歩いた。
チャンミンは歩きにくいから離してと身を捩るが、
なお更、力を込めてやった。
 
にわかに信じがたいこの状況や、
得体の知れない不気味な物から
チャンミンを守りたいという心の表れでもあっただろう。
 
 
─────
 
ヒチョルが帰ってからふたりは、
食事の後片付けをしたが、終わった頃にはもう
夜の11時を回っていた。
 
チャンミンは時計を何度もみながら
そろそろ帰らなきゃな、と思い、そわそわし始めた。
今までならば、なにも躊躇うことなく
じゃあね、と言って帰っていたのだが
今はなんだか帰りたくない気分だ。
 
かといって
さすがに二晩も泊るなんて図々しいだろうし、
翌日は早朝から店もあるのだから、と
自分できちんと、家に帰る理由はわかっている。
 
それに何より、ユノは自分を引き留めようとしていないし、
むしろ無関心らしく、リビングで珈琲を飲みながら
ノートパソコンを開いていた。
きっと仕事の続きだろうから、
邪魔をしないように、やはり今夜は帰ろうと思った。
 
「ユノ、忙しいところごめん。もう遅い時間だし、僕そろそろ帰るよ」
 
「え!なんで!」
 
「なんでって、、、」
 
「だめ。帰らないで」
 
ユノはチャンミンの手を引っ張って
自分の隣に座らせた。
 
 
 
「でも、そろそろ帰らなきゃ、」
 
「嫌だ。いーーやーーだ」
 
「着替えが無いよ」
 
「俺とサイズ同じだろ?俺の着れば良いよ」
 
「明日は店も開けなくちゃ」
 
「俺の料理教室もあるんだから、一緒に出れば良い」
 
「、、、そんなに泊まってほしい?」
 
「あったりまえ」
 
「じゃあ泊まろっかな」
 
「ほんと!?やった!!」
 
 
ユノの喜びようときたらなかった。
チャンミンに飛びついて鬱陶しいぐらいに
顔をぐりぐりと押し付けてくる。
照れくさいやら嬉しいやらで、
チャンミンは少し大袈裟に抵抗してみせた。
 
「あぁ~~汗臭い!離してーーーお風呂はいってーーー」
 
「、、、じゃ、一緒に入ろうぜ」
 
「ええーーーーー!」
 
 
ニヤリと笑うユノに対し、
チャンミンはしてやられた感で
頭が真っ白になった。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
 
 
 
くぅ姉
LOVEありが㌧♪
 
 
 

 

 

 

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