秘密#23「Confession」
ユノがきっぱりと言い放った事で、
当事者であるドンへとヒョクチェは呆気にとられ、
チャンミンは少しの間の後で
口の先を尖らせてぷーーーっと、
勢いよく息を吹き出して笑った。
なにがそんなにおかしいのか、とユノが尋ねたが、
特にこれといった理由はない。
強いていうなら、緊張が解けた、といったところか。
「クク(笑)、、、ごめん。ユノさんが、、、じゃなくて、ユノがあまりにも大真面目な顔して力説するものだから、なんだか可笑しくて(笑)」
「あ!、、、なんだよそれ。ひどいなぁ」
「ごめん(笑)、、、、でも、今言ったことは正論だね」
「表向きはね。けどそんなのは所詮、綺麗事だよ、、、」
ヒョクチェは一言だけそう呟いて口を噤んだ。
確かにユノの言葉は一見、
教科書に載っていそうな当たり前の事。
命が芽吹いたところには様々な「愛」の形があり、
例え同性同士であろうと、
誰かを愛する権利は皆んなが持っているはずである。
けれど、実際にはそれが難しい世の中なんだと、
ドンへは声を荒げ、
ヒョクチェは小さな溜め息をついた。
ところがユノは全くこだわりが無いようで、
ふん、と鼻で笑ってふたりに質問を投げかける。
「なぁ、ふたりとも。さっきもきいたけど、何をそんなに気にしてる?、、、恋愛は異性同士でなければならないなんて誰が決めた。固定観念に囚われてるのは、自分たちじゃないのか?」
すると、ユノの目論みに触発されたのか、
ドンヘがぎこち無く話し始めた。
「、、、俺さ、自分で言うのもなんだけど、結構モテるわけ。、、、あ、女性にだぞ?」
「わかってる(笑)」
「実際に付き合った事もあるけど、気持ちがしっくり来ないというか、二人きりになると話しが弾まないし楽しくなくて直ぐに別れて、、、誰と付き合っても同じことの繰り返し」
「それでChloeは君の事を心配してたんだな」
「そ。俺って実は暗い性格だったんだよね。人見知りだし」
「けど、Chloeとはすごく仲良しだよな」
「あいつは恐ろしいほどフレンドリーだから(笑)、良いライバルでもあるし、最も信頼出来るやつだよ。、、、それで、初めてShimLeeに行った時にヒョクと出逢ってから、俺は少しずつ変わっていった」
「あ、ねね、ドンへさん。あの日は僕も居たんだから、そこ飛ばさないでよ」
ドンへの声が少し震えている事に気付いたチャンミンは、
上手い具合いで冗談交じりにそう言った。
ドンへは、そうだ、そうだった、と笑って
ひょうきんに眉をピクピクとさせながらふぅっと息を吐き、
ゆっくり続きを話したいが喉が渇いて仕方ないと言い、
珈琲を淹れてほしいとチャンミンに頼んだ。
「了解。明日の朝用にと思ってモカを持ってきてたんだけど、今が良いタイミングだね」
「それじゃぁ、珈琲を待ってからドンへの話を聞こうか」
「ううん、キッチンでもちゃんと聞こえるから大丈夫。話しを続けてて」
そう言ってチャンミンは立ち上がりざまに、
隣に座っているヒョクチェの肩をぽんぽんと叩いて
キッチンへ向かった。
すると、それまで俯いていたヒョクチェが顔を上げ、
小さな声ではあったが、ぽつぽつと話し始めた。
「、、、あの日のこと、よく覚えてる。ドンへは最初の5分間はちっとも喋らなかった。だから僕はどうにかして声が聴きたくて、、、あぁ見えて結構必死で話しかけたんだよ(笑)」
「上手かったよ。俺を引き出すのが(笑)」
「どんな話題で硬いドンへを打ち解けさせたのか興味あるな」
「それはな、」
ユノの疑問を晴らすように、
ドンへとヒョクチェは時折キッチンのチャンミンを振り向きつつ、
出会いから親しくなるまでの事を
あれこれと話して聞かせた。
とても他愛ない内容ではあったが、
ユノもチャンミンも微笑ましいふたりの姿に
顔がほころんだ。
そして、そろそろ何故付き合う事になったのかを話す頃になった時、
良い香りの珈琲と共に、
チャンミンが席へ戻って来た。
「みなさんお待たせ致しました。モカマタリ、という名前の珈琲です。珈琲伝説の元となった事で有名なんだよ。ワインのような芳醇な甘みと花の香を感じられるアロマのような一杯をどうぞ召し上がれ」
さすがに常連客なだけあって、
珈琲の味わい方を知っている彼らは、
まず香りを吸って一度落ち着き、
それから丁寧に一口目を口に注ぐ。
「あぁ、、、すっごく美味い。これは上等なモカだな。全く酸っぱくない」
「お見事。良いモカは甘いんだよ。ユノ、酸っぱいのとか苦いのは苦手でしょう?だからこれは良いと思ってさ」
「、、、なぁ、お前たちも俺たちと同、」
「なっ!!ちょ!、」
何かを言いかけたドンへの口を
咄嗟にヒョクが抑えたので、
想定外の事には身構えていなかったドンへは
そのまま後ろにひっくり返って、
反動で少し珈琲をこぼしてしまった。
「あーーー!もぅなにやってんの!」
「ホントだよ、まったく!、ユノさんのブランケット汚した!ったく、、、自分で拭いてよ!」
「新しいの買ってくれても良いけど(笑)、、、それより、何か言いかけてたような気が、」
「僕も思った。なんだろ?」
「あぁ、えっと、大したことじゃなくて、その、ほら、どうして僕たちが付き合うことになったのか、って事をさ、ね、ド・ン・へ!」
ヒョクチェはドンへの脇腹を
肘で強めに小突いた。
煽られて慌てたのか、
ドンへは余計な事を言ってしまったらしい。
「あ、そ、それだ。えっと、つまりだな、要は俺が押し倒した!」
「えっ!」
「、、、いきなり核心かよ、、」
「、、、、ドンへったら。ストレートすぎデショ、それ、、、」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
こんばんは
そして、
おはようございます
いつもの予約投稿
(o´・∀・`o)ニコッ♪
ゆっくりとお話しが進んでいますが、
今後に繋がる大切な夜を過ごす4人なのぅ![]()
連日TILLのグッズと
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やっぱり
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