秘密#2「Prologue」
「あ~良い香り。朝はやっぱりShimLeeのカプチーノに限る。っていうか、もぅこれ飲まなきゃ仕事にならないって感じ」
会社まではそう遠くないのだけれど、
テイクアウトした時は、いつも到着する頃には飲み干してしまう。
彼の淹れる珈琲はわたしにとって、もはや欠かせないのだ。
「さて。そろそろ行かなくちゃ」
地下駐車場に停めた車から降りてエスカレーターに乗り込んだ。
フロアのボタンを押し、ドアが閉まりかけたその時、
見知らぬ男性が駆けこんできた為に、
ドアはもう一度開いてしまった。
「、、、あっ、失礼。乗ります。すみません」
「いいえ、大丈夫です。 どうぞ。何階ですか?」
「15階にお願いします」
「、、、15階」
ここは支店といえども本社の次に社員が多く、
全ての男性社員を把握しているわけでは無いけれど、
ひと目で上等だと分かるスーツに身を包んだイケメン社員が、
果たしてうちの支社に居ただろうか。
思いつく限りの男性社員を一瞬にして思い浮かべてみるが、
やはり見覚えが無い。
「あの、15階と言えば私の勤め先のフロアなのですが、失礼ながら社内でお見かけした事が無いような気がするのですけれど、、、」
少々不躾な問いかけと分かっているが、
気になるのだから仕方がない。
「あぁ、うちの会社なんですね。、、、そうだよなー、、、社長や会長の写真しか飾られてないよな、普通、、、(ブツブツ)」
「え?ごめんなさい、聞き取れなくて、、、今なんて、」
「あっ、いえ。 初めまして。私は本日からこちらに所属になりました、ユノと申します。どうぞよろしく」
ふむふむ、なるほどね。
本日からなら見おぼえがないのも当たり、、前、、、
ん?本日から?
そう思った瞬間、全身に汗が噴き出した。
彼は普通の社員ではない。
そう。
目の前にいるこの品の良さそうな彼は「彼」だ。
「あ、、、あの、それではもしかしてあなたは、」
ーーーポ~ン
「?、着きましたけど、降りないのですか? そうだ。申し訳ありませんが、支社長室がどこにあるか教えて頂けますか?」
「あ!、、、え、えぇ、はい。ご案内します。どうぞ、こちらです」
驚いた。
彼は今日からやってくると聞いていた、
この巨大グループの御曹司!
そうに違いないと確信した。
社内には歴代の社長のお写真しかないし、
実際それもじっくり眺める事なんてしないから
まったく気づきもしなかったが、
「あ、、、あの、それではもしかしてあなたは、」
ーーーポ~ン
「?、着きましたけど、降りないのですか? そうだ。申し訳ありませんが、支社長室がどこにあるか教えて頂けますか?」
「あ!、、、え、えぇ、はい。ご案内します。どうぞ、こちらです」
驚いた。
彼は今日からやってくると聞いていた、
この巨大グループの御曹司!
そうに違いないと確信した。
社内には歴代の社長のお写真しかないし、
実際それもじっくり眺める事なんてしないから
まったく気づきもしなかったが、
言われてみれば社長と似ている気がする。
これは一言お詫びをしなければと思い、
支社長室に入る前、振り返ると同時に頭を下げた。
「あの、あなたは社長のご子息でいらっしゃいますね。先程は大変失礼致しました。無礼をお許しください」
すると彼はわたしの肩に手を置いて、
頭を上げて下さい、と言う。
そして、ちっとも偉ぶる事も無く、
落ち着いた様子で声を掛けてくれた。
「どうか気にしないで下さい。正直、僕の事を知らない人が殆どだと思うし、僕は今日からこちらでお世話になる身。あなたの後輩になります。ところで、お名前を教えて頂けますか?」
「あっ、申し遅れました。わたしはChloe。企画室のマネージャーを務めさせて頂いております」
「Chloeさん。どうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願い致します」
私たちは軽く握手を交わした。
ーーーコンコン
「どうぞ」
いつもながら我が支社長は、社員の誰よりも早く出社している。
今日も既に席に着き、書類に目を通していた。
「失礼します。支社長、ユノ様をお連れ致しました」
「おぉ、ユノ君。久しぶりだね。待ってたよ」
「ご無沙汰してます」
「さぁ座って。あぁ、Chloeくん。下の喫茶店に珈琲を3人分頼みなさい」
「あ、私は結構です。いま飲んできたばかりですから」
「あ、僕は結構です。いま飲んできたばかりなんです」
咄嗟に返した返事が偶然にも被ってしまい、
思わず顔を見合わせた。
「おや(笑)、それでは、わたしだけ頂くとしようか。それから、Chloeくんはこのままここに居なさい。実は、君のところにユノ君をお願いしようと思っているんだよ」
「え?、、、でも、ユノ様は後継者の身ですのに、、、」
「いいえ。あくまでも今の僕は平社員に過ぎません。ですから、様付けはやめて下さい。あ、ちなみにChloeさんはおいくつなんでしょう?僕は1986年、2月生まれです」
「フ、フフフ。、、、その質問が多少イラッと感じる年齢、、、とでも言っておきます」
「ユノ君や、、、それ以上言うてやるな。Chloeくんは30代半ばを大幅に超えた、彼氏もいない独り身なんだから」
「ちょ!!支社長ーーー!言っちゃってるじゃないですか! 勘弁してくださいよ、ったく、、、」
「(笑)、じゃあ人生に於いても僕の先輩ですね。どうか気兼ねなく"ユノ"と呼んでください。頼りにしてます。Chloeマネージャー(クス)」
そう言われても、
「はいわかりました」なんて直ぐには言えなかった。
御曹司は支社長の下に就くものとばかり思っていたのだから。
わたしの部下にだなんて予想もしていなかった。
しかも、しょっぱながコレ。
とてもフレンドリーな彼と、KYな支社長のお陰で
ストレートに打ち解けはしたけれど、
突然の指令に対しての戸惑いは否めない。
後の社長になるこの人物を、わたしごときが預かるのは、
緊張もするし荷が重い。
とはいうものの断るわけにはいかないのだから、
こうなったらしっかり仕事してもらうしかない。
そんな風に色々考えていると、
支社長とユノ氏の会話は全くアタマに入って来なかったのだが、
そろそろ始業時間も迫っていたので、
一つ下の階にあたる企画室へ向かう事にした。
「さ。ここがあなたの職場になる、我が企画部です」
「へぇ。明るくて眺めのいいフロアですね。なるほど。やはり、どちらかというと女性が多い」
「(笑)、そうね。朝礼の時に、あなたをみんなに紹介します」
とはいっても、
長身でイケメンの彼は既にみんなの関心を集中させたようだ。
朝の賑やかなフロアが、一瞬にして沈黙した。
ただ普通に立っているだけなのだが、
彼には華があるというか、、、人目を惹く。
女性社員たちの騒めきは次第に大きくなり、
男性社員は探るような視線で押し黙ったままだ。
「、、、予想以上の反応ね。朝礼までまだ少し時間があるから、とりあえず会議室に行きましょう。先にわたしの補佐を務めて貰ってるサブマネージャーを紹介するわ。先ずはその人から仕事を習うと良い」
「、、、女性?」
「ふ(笑) 残念ながら男性よ。、、、サブマネージャー!会議室Aに」
「承知。いま行きます」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
こんにちは( ̄▽ ̄)
あれっ!?
と思った方もいらっしゃるでしょう。
そう。
前回はヒチョル氏に出演して頂いたのですが、
今回はまず、ドンへ氏登場です。
「あは。僕忙しいから断っちゃった。そもそもリリィってギャラくれないし」
や、やかましい!
おだまりっ!!!
いまこの時点で、
Chloe、ユノ、チャンミンに続き、
ドンへが主要人物に入ってきました。
さぁ、どうなっていくか、、、、
(ФωФ)フフフ・・・
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「さ。ここがあなたの職場になる、我が企画部です」
「へぇ。明るくて眺めのいいフロアですね。なるほど。やはり、どちらかというと女性が多い」
「(笑)、そうね。朝礼の時に、あなたをみんなに紹介します」
とはいっても、
長身でイケメンの彼は既にみんなの関心を集中させたようだ。
朝の賑やかなフロアが、一瞬にして沈黙した。
ただ普通に立っているだけなのだが、
彼には華があるというか、、、人目を惹く。
女性社員たちの騒めきは次第に大きくなり、
男性社員は探るような視線で押し黙ったままだ。
「、、、予想以上の反応ね。朝礼までまだ少し時間があるから、とりあえず会議室に行きましょう。先にわたしの補佐を務めて貰ってるサブマネージャーを紹介するわ。先ずはその人から仕事を習うと良い」
「、、、女性?」
「ふ(笑) 残念ながら男性よ。、、、サブマネージャー!会議室Aに」
「承知。いま行きます」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
こんにちは( ̄▽ ̄)
あれっ!?
と思った方もいらっしゃるでしょう。
そう。
前回はヒチョル氏に出演して頂いたのですが、
今回はまず、ドンへ氏登場です。
「あは。僕忙しいから断っちゃった。そもそもリリィってギャラくれないし」
や、やかましい!
おだまりっ!!!
いまこの時点で、
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さぁ、どうなっていくか、、、、
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