Snowy prince・164「Snowy」
じわじわと大きくなったブルーホールは、
ちょうど僕たちの背丈ほどになって広がりを止めた。
来た時には気付かなかったけど、
このブルーは、あのジュエリーの色と同じだ。
たったひとつの「母のブルー」。
「さ、、、帰ろう」
「次に来るのはいつになるかな、、、それまでしばしお別れ」
「本当に、、、毎日必死で駆け抜けた数年間だったね」
「、、、またそんな湿っぽい顔して。大丈夫。またみんなに逢えるんだからそんな顔しないの。、、、で、誰が最初にここに入る?」
「僕は一番最後にします」
「そう、、、。じゃぁ、僕からお先に」
「じゃ次は俺ね。チャンミン、すぐに来いよ。待ってるから」
ふたりともそう言って、順にホールへと姿を消していった。
一人残った僕は、必ず王国を再建して戻ってくると、
初めて来た時と変わらない真っ青な空を見上げて誓い、
自分に言い聞かせるように小さく頷いて、
ゆっくりとホールへ体を預けた。
吸い込まれるような感覚を通り過ぎ、
吸い込まれるような感覚を通り過ぎ、
出てきた場所は、間違いなく王国へと続くあの森の中。
空気も、匂いも、静けさも、
人間界とは全く違う。
マイナスイオンの効果だろうか、
空気も澄んでいてとても心地いい。
無意識に両手を広げて、大きな深呼吸をした。
ヒニムは王国に残してきた猫ちゃん達にとても会いたがっていたから、
てっきり、早く城へ向かおうと僕たちを急かすと思っていたのだが、
意外にも静かで何も言わない。
きっとこれはヒニムなりの優しさ。
彼のさりげない気遣いには、いつも頭が下がる思いだ。
人間界での暮らしはストレスばかりではなかったけれど、
ここに来て安堵とも似つかわしい疲れを感じたのは否めない。
僕たちは全身を癒すように、しばらくそのままここに居たのだが、
ふと、ユノが思いがけないことを口にした。
「、、、あのさ。今までの俺の人生、人間界で暮らしてきた時間の方が長いと思うんだけど、、、、こっちに戻ってきてすごくホッとしてる。懐かしいっていうか、、、」
「へぇ、、、。それは、ここがキミの故郷になったっていう証拠だね」
「、、、そうか。そう言う事か。、、、なるほどなぁ(笑)」
「なんだか嬉しそうだね」
「ん?うん。帰る場所があるっていうのはやっぱり嬉しいし、幸せだと思う」
「ふ(笑)分かったような事言っちゃって。俺ってカッコいい事いうなぁ~なんて思ってたりして。おかしいね~チャンミン(笑)」
「え、、、あぁ、(笑)でもユノは本当にカッコい、、、」
「すとーーーっぷ。君に話を振ったのが間違いだった。っとに"ユノ大好き人間"なんだから」
「クク(笑)、それはとても良いことだな」
ユノがSnowy王国へ来てから随分色んなことがあり、
僕たちは結ばれて、事実上ユノも「王」になったけれど、
今までユノは、どこか遠慮がちに一歩引いていたように思う。
だけど、さっきのユノの言葉を聞いてユノの想いを知り、
僕の方こそとても嬉しく、幸せな気持ち。
そして一刻も早く僕たちの王国へ戻りたくなり
咄嗟に「早く帰ろうよ」と、ヒニムではなく僕が二人を急かした。
「チャンミンたらなに急に。、、、嬉しそうな顔しちゃってまったく(笑)けど、そうだね。そろそろ戻ろう。森の夕暮れは早いから」
下ろした荷物を再び背負い、さぁ出発、という時に
僕たちを包みこむような強い風が吹いて
僕たちを包みこむような強い風が吹いて
空に向かって渦が巻き上がったと思ったら、
目の前に突然ミノが現れて、ひっくり返りそうに驚いた。
目の前に突然ミノが現れて、ひっくり返りそうに驚いた。
「うわっ!ミノ!」
「なにそれ。うわっ!じゃないし」
「もしかして迎えに来てくれたのか?」
「ええ。山道はしんどいだろうと思って、既に帰国している風使いに頼み、風を借りてお迎えに上がりました」
「めっちゃ気が利くじゃない。めっちゃ使える良い子♡」
「よくわかったね。僕たちがここに居るって事」
「僕がなんの一族か忘れたの?(笑)、植物が僕に伝えてくれたんだよ。さ、みんなが首を長くしてお戻りを待ってるよ。さぁ、3人とも早くこれに乗って。ほら、早くはやく」
「めっちゃ気が利くじゃない。めっちゃ使える良い子♡」
「よくわかったね。僕たちがここに居るって事」
「僕がなんの一族か忘れたの?(笑)、植物が僕に伝えてくれたんだよ。さ、みんなが首を長くしてお戻りを待ってるよ。さぁ、3人とも早くこれに乗って。ほら、早くはやく」
再会を喜ぶ隙も与えられず、僕たちはミノに急かされすぐに風に乗った。
それもそのはず。
借り物の風は、制限時間が決まっているのだ。
僕たちは瞬く間に王国の大門へ到着し、
ミノの合図によってゆっくりと門が開かれると、
僕たちの帰国を出迎えるため、
Snowy達が集まってくれていた。
僕たちの帰国を出迎えるため、
Snowy達が集まってくれていた。








