Snowy prince・161「Snowy」
活動休止に向けて、ここのところずっと
毎日いくつもスケジュールを掛け持ちしていた僕たちは
正直、体の限界をとうに超えていた。
それでもこうして、
分身を創る為に最大限のエネルギーを振り絞る事が出来るのは、
みんなに対する愛情に他ならない。
過去にあれほど人間に対して嫌悪感を抱き、
警戒していたのが嘘のようだ。
僕たちは王国へ戻ってしまうけれど、
ずっと
ずっとみんなと繋がっていたい。
そしてまた再び、ここで会いたい、、、、
そんな思いを込めて、僕たちはひたすらに
粘土人形に効き手を翳(かざ)し、
ありったけの力を集中させた。
ふたつの人形は次第に人型になっていき、
等身大になる頃にはどちらが本物か分からない程に
精巧な造りとなった。
「ストップ!!ストーーーーっぷ!!そこまで!」
「、、、、ハァ、、何、、、もぅ、、、良いの、、、か、、、!!」
「!!、ユノ!」
ヒニムに返事をした瞬間、ユノは膝から崩れ落ちた。
僕とヒニムは咄嗟にユノに駆け寄り身体を支えたが、
ユノの呼吸は乱れ、眉間に皺を寄せて辛そうな顔をしていた。
始めてにも関わらずやり直しが利かないたった一度の作業だったから、
きっと、僕の予想以上に気を遣っていたのだろう。
「すごい汗、、、起き上がらないで僕にもたれてて」
「あぁ、、、ごめん、力が抜けた、、、ストップって、、、出来上がったのか、、、?」
「見事に完成よ。これ以上やったら本人よりも大きくなっちゃう。象ぐらいにw」
「(笑)、そりゃ困るな、、、で、、、上手く出来てる?」
「心配要らない。そっくりだよ」
「そうだね。初めてにしては上出来。どこから見てもキミのまんまだよ」
「あ、、、、ほら見てユノ。人形が目を開けるよ、、、命が吹き込まれた証」
「、、、我ながら怖いくらいそっくりだな、、、。なぁ、これ、見分けつく?」
「僕は本物のユノを間違えたりしない。、、、絶対にね」
「はいはいはい。イチャこらは後でなさい。、、、因みに彼ら、本物とまったく同じではないよ。もしそうだと、この人形が万が一魂を持ってしまった時に困るからね」
「そうならないために前以ってホビットが術を掛けてるけど、、、どこかが微妙に違ってるんだよ」
「、、、例えば?」
「んー、、、身長だったり体形だったり、つむじの向きだったり、、、」
「ホクロが有るか無いか、とかね」
「俺、チャンミンの体中のホクロの位置知ってる。きっと本人も知らない場所にあるヤツもね(笑)」
「えっ!どこ!?」
「教えて欲しいなら、次にお前を抱いた時、ひとつずつ数え、」
「はいはいはーーい。黙れーーーー(怒)、、、ったく。どうしてもお仕置きされたいようだね、あんた達、、、」
最後はいつもと同じくヒニムに小言を言われてしまったけれど、
分身の出来栄えは完璧だった。
人間界へ来てからの僕たちの記憶や習得した技術は全て
分身に取り込まれているから、今後は何も心配要らない。
「なぁ、、、彼ら倒れたままで、またすぐに目を閉じたけど、、、」
「うん、それで良いんだよ。今はまだ完全に目覚めてはいない。目を開けたのは一時的な事なんだ」
後はここを発つ時にフゥっと息を掛けてやれば、
彼らは機能し始める。
そうしてその夜、疲れ果てた僕たちは
ブランケットもかけずにそのまま眠ってしまったらしい。
翌朝目覚めたのは正午近くだった。
「、、、おはよぅ、ヒニム」
「あ。やっと起きたね。体はどう?」
「ん、大丈夫。僕は慣れてるから。けど、」
「あんたの王子はまだ目が覚めないらしいね(笑)、ま、もう少し寝かせてやりましょ。、、、今までずっと過密スケジュールだったけど、もぅ仕事はオフだし、明日にはここを発つんだから、、、。今日はゆっくりしていよう」
「、、、、ん。そうだね」
僕は寝ているユノの頭をそっと撫でた。
王国へ戻った僕たちには、やらなければならない事がたくさんだ。
その前に、せめて今日ぐらいはなにもしなくても良い一日。
そんな日もたまには良い。
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
Snowyペンのみなさま
今回もお読み下さりありが㌧ございます

今回のお話しの中で、
「本物と分身はどこか違う」というところがありましたが、、、
違うんですよねぇ~( ̄▽ ̄)
特に分かり易いのはやっぱりチャンミンよね。
ユノと一緒に居る時と居ない時では
雰囲気が全然違う。
なんていうか、、、、
表情の柔らかさというか、、、、
ま、要するにユノの隣だと
僕、
身体も心も愛されてます
幸せオーラ全開
テヘペロ(´>∀<`)ゝ
ってことですかな:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
漏れ漏れバレバレ萌え萌えホミンちゃん
シアワセ幸せ~



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