ホミン小説Snowy prince・132「始動」 | 東方神起小説 Lily♡ホミンの香り

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ユノとチャンミンがいる限り
みんなと一緒に「We are T!」






Snowy prince・131「始動」





ーーー「ユノを離したくはない。これからはずっと傍に居てほしい」


王妃様の正直な思いを打ち明けられたが、
僕はあまり驚かなかった。
両陛下のお気持ちはとうに察していたし
むしろ納得と共感しかなかったからだ。

だけど、、、


「お気持ちは分かっていました。だけど、王妃様。、、、僕はいつも、ユノの意志と選択を尊重してきました。今までも、これからもずっと、、、

ーーーもちろんそうね、、、分かってる。DNA鑑定の結果が出て、間違いなく陛下の血を受け継いでいる事が明確になっても、あの子はあなたと一緒に行ってしまうのでしょうね

「、、、王妃様にとって、ヒチョル氏はどんな存在なのですか」


そう聞くと、王妃様はため息交じりに小さく笑って、
ヒニムのように美しい深紅の薔薇を摘みながら
ぽつりぽつりと、話し始めた。


ーーーあの子にもあの子の母親にも、、、心から感謝しているわ、、、少し悔しいけれどね

「、、、、、、」

ーーー結果的にわたくしが産んだ娘は、身分を放棄する形で外国へ嫁いでしまったのですから

「ユノのお父様と出逢って恋に堕ちて、、、」

ーーー(笑)、そう。、、、だからね、ヒチョルがいてくれるからこそ、わたくし達は救われているの。あの子がいる限り、王室滅亡の道は無いのだから


この国の王位は昔から世襲君主制だ。
長子相続であるから、陛下とは直系でなければならない。
幸か不幸かの巡りあわせの元、その立場にあるのはユノとヒチョル。
彼らもまた、お互いの存在を知って幾度となく葛藤を繰り返している事だろう。


「王妃様は、王位をどのようにお考えなのですか」


不躾で野暮な質問だけれど
核心はこれに尽きる。


ーーー陛下に委ね、従うつもりよ。

「ヒチョル氏を選んだとしても、ですか」

ーーー、、、異議はないわ。ヒチョルほどの適任は居ないと思ってる。ただ、

「ただ?」

ーーーユノは娘によく似ているの、、、だからどうしても贔屓してしまう。だめね

「いけない事はありません。、、、色んな事がもっと早く上手くいっていたら、僕達はこんなに遠回りしなくて済んだのでしょうね、、、」


そう言うと、王妃様は僕の手を取り
優しく撫でながら言った。


ーーーあなたにも辛い思いをさせてしまっているわね、、、ごめんなさい。だけど、過去があるお陰であなたはユノと出逢い、真実の愛を手に入れた。それは何よりも大切で尊い事ですよ

「、、、僕の事、怒ってらっしゃらないのですか」

ーーーおかしな子ね。腹を立てる要因などなにもないでしょう?むしろ逆だわ。、、独りぼっちだったユノの傍に居てくれて、感謝しているんですよ。、、、ありがとう、Prince


涙が出そうだった。
王妃様の温かい手に気が緩んだのもあるけれど、こんなにもユノを愛し、ユノの為に頭を下げてくれる「家族」が居るという事が、
何よりも幸せだと思ったからだ。


「王妃様、、、お礼を言うのは僕の方です。あなた方が王女様をお許し下さらなければ、ユノは存在しなかったのですから。僕はユノと出会って人生の全てが変わった。彼を最も尊敬しています」

ーーーそして、最愛の人。ね?クスクス、、、ユノをここへ閉じ込めてあなた達を引き離そうだなんて、一瞬でも考えたわたくしは浅はかだった

「王妃様は僕のライバルだったという事ですね(笑)」

ーーーそう言われればそうね(笑)、、、ねぇチャンミン。王国を再建するまで陛下と一緒にここで待っていますから。、、、また遊びに来てくださるかしら

「もちろん!もちろんです王妃様。必ず、、、」



それから僕たちは、他愛のないお喋りをしながら
様々な品種の薔薇を摘んでブーケを作ったりして過ごした。

そのうちにヒニムがやって来て、もうすぐ昼食会だから
本館に戻るようにとだけ言って、これからユノを呼びに行くからと
あっという間に居なくなった。



ーーー本当に忙(せわ)しい子ね。、、、空間を移動させる力を持っているのだから利用すればいいのに、あえてあぁして走り回るのよ

「ヒニムらしいです」

ーーーふふふ(笑)、チャンミン、いま作ったブーケ持っていきましょう。陛下とユノにお土産ね



幾つもの美しいブーケを両手いっぱいに抱えて
僕たちは両陛下のプライベートルームへ戻ると、
公務を終えた陛下を始め、ユノもヒニムも既に集まっていた。


ーーーあら。みんな早かったのね

ーーーあぁ、わたしも今来たところだ。チャンミン、妻の相手をありがとう

「いえ、僕の方こそ、」

ーーーユノ、あなたときたら今朝は本当に顔も出さずにあちらに行っていたのね

「えぇ。一刻も早く進めたくて、、、。チャンミンをお任せして申し訳ありません」

ーーー構やしないさ。妻の顔をご覧。まるで少女のようだ(笑)

ーーーやめて下さいな(笑)、、、それで、どうなのユノ

「およそ8割は結果が出ています」

「、、、ユノ」

ーーーそれで、、、どうなんだね。お前が納得する結果は出ているかね

「、、、全てが明確になった訳ではありませんが、」

ーーー今分かってる事だけで良いから、早くおっしゃい!


そこに居たみんなが驚いた。
穏やかな王妃様が、思わず声を荒げてしまったのだから。


「、、、ユノ、分かってる事、言ってほしい」

「言わないと王妃様ぶっ倒れちゃうよ」

「、、、今の段階でも既に王族である事は間違いないと思われます。更に俺は、あなた方のDNAと合致する部分が多い。即ち、直系であると言える」

「、、、そうか、、、、そうだったんだねユノ。ユノにとっては火の力を持っているからというだけで甘んじるのではなく、明らかに直系であるという事実が重要だったんだね」

「そう、、、。火の力を持っていて俺の出生に深く関わった人、、、俺の母だと思っていたあの人との決着を付けたかった、、、」







つづく



※ユノが最初に母親だと思っていた女性についてのお話しはここで書いています。
Snowy37→★


※その後、石の長(つまりユノの祖父)と一緒に山に籠り、本当の両親の事、出生の真実を知ったのはこちらです。
Snowy76→★





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長いね

読むの大変だよね

ごめんね(´Д`;)


でも、ここに来てくれて、いつも読んでくれて
ありがとう(*´ω`*)
いちご






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