ホミン小説Snowy prince・78「愛」 | 東方神起小説 Lily♡ホミンの香り

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ユノとチャンミンがいる限り
みんなと一緒に「We are T!」







Snowy prince・78「愛」




全ての話を聞き終えて、気が付くと長に抱き着いていた。
痩せ細った長の体はとても小さくて、
少しでも力を込めると折れてしまいそうで、それがまた切なかった。

「もっと、、、もっと早くに逢いたかった、、、」

「待っておったよ、ユノ。赤ん坊だったお前がこんなに大きくなって、勇敢で聡明で優しくて、立派な男に成長して戻ってきてくれた。自慢の孫だ、、、」

「おじぃ、、、ちゃん、、、爺ちゃん、、、」

「ヨシヨシ、ワシの可愛い孫。ユノや。」

「爺ちゃん、、、」

家族に縁のない環境で生きてきた俺にとっては、
とんでもなく照れくさくて、呼び辛い。
けれど、こうして「家族」を固有名詞で呼ぶことは
憧れでもあったのだから、正直、とんでもなく嬉しい気持ちでいっぱいだった。


「爺ちゃん、、、やっぱり一緒に山を、」

「ユノ(笑)、さっきも言うた通り、ワシにはもう、体力も時間も残っておらんのだよ。」

「置いてけないよ。、、、それに、せっかく逢えたのに、また俺を一人ぼっちにするの?」

「お前にはシム様がいらっしゃるのだから、何の心配もしておらん。、、、それに、ユノならわかるだろぅ?ワシは妻を愛している。もう二度と離れたくはない、、、。」

「でも、、、、」

「ほら、そんな顔をするな。こうしてお前に逢えたのだから心残りはない。ワシはずっとここから、城にいるお前を見守っているよ。お前のお婆ちゃんと一緒にな。」


そう言いながら、長は「お婆ちゃん」の石像の前に立つ。
それから、うんうんと頷きながら石肌を優しく撫でた。


「ユノ。もぅ時間がない。早くしないと今日中に城へ戻れなくなるぞ。、、、さぁ、ワシを妻の隣で眠らせておくれ。」

「そんな、、、俺、、、辛いよ、」


膨らんだ涙がこぼれて落ちる。
ギュッと目を瞑っていても、
次々と頬を伝い流れた。


「こっちへおいでユノ。、、、まったく(笑)そんなに泣くんじゃない。泣き虫なところは赤ん坊の頃のままじゃな(笑)、、、ワシはな、最期にお前に逢えて、本当に幸せに思っておるよ。」


涙が止まらなかった。
愛する人の傍に居たいという気持ちは、誰よりも分かる。
ましてや、自分の最期が分かっているのなら尚更だ。
長の願いを叶えられるのは俺しかいない。
俺に全てを託してくれたのだから。


「爺ちゃん、、、ありがとう。俺を待っててくれて、、、」

「ユノ。お前が幸せになる事をみんなが願っているよ。我が国王シム様と、必ず幸せに添い遂げておくれ、、」

「あぁ、、、分かってる。、、、さようなら、爺ちゃん、、」


やり方なんて分からなかったけれど、
「力」が勝手に俺を導いた。
何かに引っ張られたように掌を長に向けると、
淡い光が長の全身を包み込み
一瞬で石に姿を変えた。

石像となって並んだ二人の顔が、なんだかとても幸せそうに見えたから、
本当は寂しくてたまらないけれど、少し安心した。

それから俺は、長に教わった通りに作業場と山小屋を整理し、
出発の準備を進めた。



「さて、、、と、俺はそろそろ城に戻るよ。必ずまた逢いに来るからね。爺ちゃん、婆ちゃん。」


二人に別れを告げて、いよいよ城に向かって一歩を踏み出した。

「チャンミン、待っててくれよ。必ず今夜中に戻るから。」

俺にはどうしても、
今日中に戻らなけれなならない理由があるんだ。


━─━─━─━─━─


ユノの気配を感じたせいか、今日の僕はとても気分が良く、
公務も捗って、予定よりも早めに切り上げる事が出来た。


「お疲れ、チャンミン。今日は随分と機嫌が宜しいようで。」

「あぁ、ミノ。今日は褒めてくれる?仕事が早く終わるなんてすごくない?」

「何言ってんだ(笑)僕はいつも褒めてるだろ?、、、にしても、今日は本当によく頑張ったね。」

「だろ(笑)」



「でも、明日もまだ国民はたくさん来るんだし、明後日はいよいよ閉鎖式、、、これからが大変なんだから。ずっと寝不足みたいだし、今夜は早めに寝ろよ?」

「うん。でも、、、、なんだか今夜、ユノが帰ってくるような気がするから、起きて待っていたいんだ。」


根拠はないけど、本当にそんな気がしてた。


「じゃぁ、ユノ先生の食事とかお風呂とか、支度しておこうかな。」

「そうだね、、、何時(いつ)になるのか分からないけど、、、食事だけは一応頼むよ。」

「どこかまで、馬で迎えに行こうか?」

「ううん、良い。迎えに行ったとしても、多分ユノは断って、自分の足でここまで戻ってくると思う。僕の所まで、自分の足で。」

「そっか、、、そうだな。ユノ先生、頑固なところあるから(クスクス)」

「ほんと(笑)」


僕は、部屋のバルコニーから
ゆうべ光が浮いていた山を眺めながら、
ユノの帰りを待ちわびた。





つづく




゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 




いつもコメントやいいね、そして、
お立ち寄りくださる皆さま
ありが㌧ございます


いよいよここまでやってきました~
ユノサイ


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