Snowy prince・55「共に」
バスルームを出ると、ユノはカップを片手に窓辺に立って
山の方角を眺めていた。
時折目を細めては顔を左右に揺らし、遠くまで見ようとしていて
何か探しているのかと、少し気になる。
「ユノ、どうかしたの?」
声を掛けながら隣に立ち、同じように視線を向けてみるけど
特に何も変化はなく、いつもと同じ景色。
何をそんなに見ているのかと不思議に思い、
間近に寄って顔を覗き込むと、煩わしそうに口を尖らせて顔を引いた。
「お!なんだよ。びっくりした。」
「何をそんなに見てるのか、ってば。」
「あぁ、あの岩山のてっぺん当たりと、その向こうの山さ、すごく光ってるだろ?どうして?」
「あ~あれはね、この国では多くの宝石が採取出来るんだけど、多くの山は部分的に丸ごと原石なんだよ。それが太陽に反射して光ってるんだ。」
「原石?、、、丸ごと?じゃぁ、この国の山は宝の山って事だな。」
「(笑)、けど、誰でも勝手に採り放題って訳じゃない。山は全て城の所有だし、管理してるのは石を操る種族の本家。両方から許可を貰わないと山には入れないんだ。」
「、、、へぇ。」
簡単な説明を話すと、ユノはふんふんと頷きながらベッド脇のソファーに移動した。
そして、カップを傾けながらやっぱりなにか考えてるようで
僕は少しだけ距離をとってベッドに腰掛け、もう一度ユノに問いかけてみた。
「ユノ?、、、なに考えてる?」
「ん?、、あ(笑)別に何でもない。あ、チャンミンも何か飲む?」
「え、、、?あ、あぁ、ユノはなに飲んでるの?」
「ホットチョコ。」
「ぶっ(笑)、、、じゃ、僕はコーヒーをお願いします。」
まだ付き合いが浅いと言っても、きっと僕は誰よりも
ユノの変化に敏感だ。
様子が変だと分かるからこそ問いかけてるのに
それでも答えてくれないってことは、今は話したくないんだろう。
思慮深いユノの事だから、いくら問い詰めたところで、
ある程度自分の中で折り合いがつくまでは誰にも、何も話さない人だ。
それに、万が一にもユノは僕が悲しむような事はしない。
だから今は、いずれユノが話してくれる時まで待とうと思い、
若干、腑に落ちないのは否めないけれど、このまま見過ごすことにした。
ユノはそんな僕の気持ちを知ってか知らずか、
特に気にするわけでもなく、そこら辺にあった本を読みはじめた。
僕はと言えば、こんな風に穏やかに過ごす朝は
恐らく生まれて初めての事で、、、
誰かと一緒に迎える朝の心地よさに浸りながら、
ぼんやりとユノを見つめていた。
ちょうどコーヒーを飲み終える頃だった。
ゲストルームのドアをノックする音が聞こえ、返事をすると
一番最初にミノが姿を現し、続けて使用人たちがワゴンに朝食をのせてやってきた。
手際よくミノが彼らに指示を出し、テーブルの上には次々と豪華な
料理が並べられていき、その様子を見ながらミノは、
改めて僕らの前にやってきて、胸に手を充て挨拶をした。
「おはようございます。おふたりとも、昨夜はよく眠れましたか?」
「おはよう、ミノ。」
「おはよう。、、、ミノ、何だか顔つきが変わったな。すっきりしたような、そんな感じ。」
「、、、えぇ。色々あったけど、知らないままよりは知っていた方がずっと良いと思ったし、、、両親を大切に思う気持ちは変わらないから、、、。」
「、、、そう。良かった。ミノ、良い顔してるよ。」
「元々イケメンだけどね(笑)、、、それより、チャンミンはなんだか蕩けそうな顔してるな。昨夜ちゃんと眠ったの?」
「、、、ぶっ(笑)」
「な!なに言って、、!やっ、僕は何も変わってないよ!」
「ふぅ~ん?、、、ベッド、ひとつしか使った形跡ないけど?」
「え、いゃ、違うよ!それは、僕が風呂でのぼせちゃって、ユノがついててくれて、、、ちょっ、ユノも何とか言ってよ!」
「あははは(笑)、そうだ、その通り(笑)」
「(笑)まぁ良いさ。チャンミンこそ、今まで僕が見た事ないくらい良い顔だよ。幸せそう。」
「うん、、、、ミノ、ありがとう、、、。」
「さ、支度が整ったようですよ。二人とも、テーブルへどうぞ。」
やっぱりミノは唯一の、僕の大切な親友だと改めて感じた。
同性でありながら僕とユノが愛し合うという事に対して、
こんな風にさらりと受け入れてくれるんだもの。
閉鎖してしまったら、ミノとも二度と会えなくなってしまう、、、。
とても、、、
とても寂しい。
前を歩くミノの背中をみていると決心が揺らぎかけて
喉がくぅ、と小さく鳴って涙が出てしまいそうになる。
あぁ、これはまずいな、と思ったとき
ユノは僕の手をとり、きゅっと握りしめた。
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
あ。やばい。
いつの間にこんな時間。
ハングル教室いってきまーす。
そして、明日からちょいと福岡へ行って参ります←突然(笑)
ちょっと事情がありまして、明日と明後日、ウネ婚に行くんです…
トンと比べると、申し訳ないほどに熱量の差が……
そんな事はさておき、
やばい
(((( ;°Д°))))ハングル遅れる!
とにかく、いってきまーーーす←(早く行けよ!)

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