Snowy prince・49「共に(ミノVer.)」
どこから気持ちの整理をつけていいのか
自分自身に折り合いのつかない日々が続いている。
まさしく、混乱を極めたこの数か月。
もし僕があの時、チャンミンを城の外へ連れ出さなければ
僕たちの暮らしは何も変わらずに済んだのではないかと
幾度となく自問自答を繰り返した。
ただ、
王国の存続が厳しい状態だという事は
誰もが懸念していたのは事実。
王族や、城関係に就業している者達だけでなく
国民全員が、だ。
けれど、
この王国はとても特別で、
誰もが自発的に、命に代えてもここを護ろうと誓い
誇りに思える大切な域(エリア)。
一見、文明の止まりを感じさせるほど穏やかに見えて、
実際は人間界の何倍もの科学技術を兼ね備えている。
もちろん、悪人が一人も居ない訳ではないけれど
恐らく地球上でもっとも過ごしやすい環境ではないかと
胸を張って言える。
だけど、、、
ユノさんが現れた事で
全てが急激に変わって行ってしまったのも事実、、、
彼に初めて遭遇した時、
いくらチャンミンを助けてくれたとはいえ、
最初から嫌な予感しかしなくて
僕は彼に対しての警戒心が解けないでいた。
むしろ、親しみを覚えるなんて事、
絶対にしてはならないとさえ思っていた。
特に、、、
チャンミンがユノさんに接する態度や
彼を見る視線が変化していくのに気付いてからは
一刻も早く引き離さなければ、と思い、焦った。
今思えばそれは
嫉妬だったんだろう、、、
長い間ずっと、チャンミンと一緒に居て
全ての事を共有してきたのは僕。
誰よりもチャンミンと親しいのは僕だったんだから。
チャンミンは知らないだろうけれど、
僕は親父に言われたから
チャンミンと友達になったんじゃない。
まだ僕たちがただの顔見知りだった頃。
植物を操る種族の長兄として生まれた僕は
親父の仕事にくっついて城に来ることが多く、
こっそりと花壇の片隅で、花を咲かせる練習をしていた。
どう見ても不揃いな花しか咲かなくて
自分自身に腹が立ち、
とうとうある日、癇癪を起こして花を踏み散らした。
そこへ偶然、チャンミンが通りかかったんだ。
咄嗟に僕は木の後ろに隠れて様子を見ることにした。
あんな不細工な花はきっと
王子にだって笑われるだろう。
その花を咲かせたのが僕だなんて知られたくない、って思ったから。
無残に荒らされた花壇の一角に
たった一輪だけ残っていた、不格好な花。
チャンミンはそれにゆっくりと手を差し伸べて、
「わぁ、、、なんて可愛い花なんだろう」
と呟き、その花にキスをしたんだよ。
その瞬間、涙がぽろぽろと零れた。
いくら長兄であっても、
どんなに努力したって僕には無理なんだと、
情けない気持ちでいっぱいだったから。
親族でさえ僕を、嘲笑っていたんだもの、、、
僕は自分の存在理由を見失いかけてた。
そんな中で唯一君だけが
僕の花を認めてくれたんだよ。
あの時、僕がどれほど君に救われたか
きっと真面目に説明したって、
「大袈裟だ」って笑うんだろうな(笑)
けど、
あの瞬間から僕は
自分の命に代えてでも、君を護っていくと決心したんだ、、、
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
アメ限が続いていますが
こちらではこのように、ミノの心情を綴っていこうと思います。
先日からコメントのお返しが出来ていなくてすみません

今夜中にリコメしたいと思ってます(;´・ω・)
ごめんなちゃい~~~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。


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