Snowy prince・14「芽生え」
ミノがここを出てから数時間が経ち、
その間にユノは何度も、
窓の外を見回していた。
「ユノ。」
「、、、ん?」
「窓の外、何か気になるの?」
「あぁ、いゃ、ほら、さっきの奴らがもしまたここに来たら、と思ってさ。用心するに越したことないし。」
僕も不思議に思っていたのだけど、
奴らはユノが現れた瞬間に
まるで煙のように消えて、あれっきり
気配すら感じない。
「そっか、、、でも、大丈夫だと思う。」
「なにが大丈夫~、だよ。ま、安心してろ。こう見えておれは、テコンドーが超絶に得意なんだ。誰であろうと、お前に指一本触れさせやしないから。」
「(クス)ありがとぅ。頼もしいよ(笑)、ね、ユノ。こっちに座ってくれる?、、、ユノは既に読んだろうけど、これ、もう一度僕と一緒に読んでくれない、、、かな。」
軽く握りしめた僕の両掌は、
じっとりと汗ばんでいた。
柄にもなく緊張してる。
ユノに変なやつだって思われないかと、
言ってしまった後で心配になって、
動悸が止まらない。
自分から声を掛けるなんて事、
慣れてないから、、。
「はい。承知しました、王様。では、お隣に座らせて頂きます。」
「あ、、、足は踏まないでね(笑)」
「うるせーよw」
あぁ…ホッとした。
ユノには「心配無用」だったらしい(笑)
そして僕らは並んでベッドに座り、
夜が明けるのも構わないで
母が残したという「日記」を
1ページずつ読み進めた。
「最初は、お前の両親が出逢った頃のことが綴られてるんだ。読んでみて。」
「出逢いか、、、そうだ。どうして二人は出逢ったんだろう。王は代々、城の敷地内からは出てないはずなんだけど、、、」
「いゃ、お父さんは何度か人間界に来てる。毎回公爵と共に、って書いてあるから、もしかしたらミンホのお父さんかもしれないな。」
「、、、そう。知らなかった、、、。それで2人は森で出逢ったんだね。母は、薬草を摘みによく森へ来ていたのか、、、。」
「そうらしい。二人は一目で恋に堕ちた、って、、、。まさに赤い糸、、、だな。」
「母は森で薬草を収穫する間、テントを張って泊まり込んでいたんだね。」
「あぁ。そして、君のお父さんと次の約束をしては、一緒に過ごしていたらしい。」
「、、、へぇ、、、公爵がよく許したな」
「先を読むと分かるけど、一時の遊びだと思って目をつぶってたらしい。公爵は近くの山小屋に滞在してたって。」
「あ、ミノが言ってた。あちこちに王国の山小屋があるって。」
「そしてある日、王は彼女に王国の事を打ち明けた。全てを受け入れた彼女に王はプロポーズ。彼女の返事はもちろんYES。それでまず公爵に相談したものの、案の定猛反対。」
「そうだろぅね、、、。」
「でも、王の決心は揺らぐ事なく、彼女意外とは結婚しない。許してくれないなら一生独身を貫く、とまで言ったそうだ。」
「、、、つまり、力を継承する後継ぎを断つ、って事?」
「だな。その後は大変だったみたいだぞ。王国に人間を連れ帰っただけでなく、結婚するというんだからな。そもそも前例がない。」
「、、、確かに。」
「過去を捨てて、人間であることを一生隠し通すなら、という条件でようやく婚姻を結ぶことを許された。」
「ひどい話だね、、、。お母さん、、、可哀そうに、、。」
その後は、城での暮らしぶりが
日を追って記録されていた。
城の中で差別はあったものの
王の愛さえあれば
それらは深刻な事ではない、
と書かれていて
両親の愛の深さが伺えた。
「なかなか子供が出来ず、周囲からの風当たりは相当厳しかったんだな。でも、10年目にしてようやく子宝に恵まれた。二人の喜びようが目に浮かぶよ。」
「僕の事だね、、、。だけど、やっと幸せになれたのに、どうして追い出されなければならなかったんだろぅ、、」
「そこで、さっきのページに続くんだ。次、めくって。あぁ、、その前に、」
ページをめくろうとする僕の手を、
ユノが包むように握りしめ、
その動きを止めた。
「??ん、なに?どうしたの??」
「これから読む部分は、俺とお前だけの秘密だ。絶対に誰にも言うな。特にミンホには。いいな。約束して。」
落ち着いた声ではあるけど、
その分、真剣さが伝わる。
さっきまでの柔らかい表情も
ガラリと変わった。
それに、こんなに至近距離で言われると
動揺するばかりで、考える余地もない。
「、、、ん、うん、わかった。約束する。」
そう応えると、
ユノは小さく頷いて、ゆっくりと手を離した。
僕はページをめくり
一行ずつ読んでいった。
「、、、待ってよ。お母さんを追放したのは、、、ミノのお父さんの指示?、、、信じられない。こんなの嘘でしょぅ??」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
は~い(*^-^*)
ばんは忘れないうちに、
一気に書いてしまいました。
今日も長くてごめんなさい

じわじわ読んでください←
今日はずーーーっと
頭の中にDIRTが繰り返し流れてまして…
汚れたまま君を抱いて
めちゃくちゃになってしまいたい
自堕落に奈落で愛して
a Diamond in the Dirt
アメ限で上げます(笑)
本日も
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