【狭山の丘のソファー席 ~桃色席種レビュー'23~】 | 監督のささやき戦術

 8月15日に足を運んだ、ベルーナドームでのイースタンリーグ公式戦

 世間はお盆時とはいえ、やはり二軍戦。ましてや10時30分プレイボールという特殊事情もあってか、好きな席選び放題だったのをいいことに、1試合で2種類のちょっと変わった席種を試してきたこの試合

 前回紹介した『auじぶん銀行フィールドビューフロント』と行ったり来たりしながら観戦した、もうひとつの席種を簡単に紹介させていただく。

 

 

 1試合2席種欲張りチャレンジのふたつめの席種はこちら。

 3席種が設定されているベルーナドームのフィールドゾーン『auじぶん銀行フィールドビューエリア』の、『auじぶん銀行フィールドビューソファ』である。

 

 遠目から位置を説明すると……

 フィールドエリア内の外野寄りの最後列に位置するオレンジ色のシートが『auじぶん銀行フィールドビューソファ』。

 つまりこの試合では、一塁側『auじぶん銀行フィールドビューエリア』内の最前列である『フロント』と最後列の『ソファ』と、狭い範囲にある2種類の席種を同時に試したというわけだ。

 

 シートはこのようになっている。

 その名のとおり座面背面が大きなクッションになっているソファー。足元はウッドデッキ風になっている。

 2021年の誕生当時は背もたれも座面と同じブラウンだったが、『auじぶん銀行』がネーミングライツを取得した2022年7月から『au』のコーポレートカラーであるオレンジに変更され、ひときわ存在感を放つようになった。

 席種名には入っていないが、ここは2席1組販売のペアシートとなっていて、一塁三塁両側にそれぞれ2列×4組の16席ずつ、合計32席が用意されている。

 

 2列目から見た1列目の席の背面。

 目の前の木目の壁にちょっとしたカウンターやカップホルダー付けたら便利そうに思えるが、それだと2列目だけの特典になってしまうからだろうか、潔いまでに何もない。

 ご覧のとおりカップホルダーは金属製の肘掛け部分の穴。テーブルはついていないが肘掛けの幅がまあまああるので、バランスに気をつけさえすれば弁当なども置けないことはない。ちょっと怖いが……。

 

 今回座った前列からの眺めはこんな感じ。

 『フロント』に比べれば当然フィールドからは遠くなるが、高低差はほとんどないのでフィールド感は十分にある。

 球団HPでは「※グラウンド内一部に見切れがございます」と但し書きがされているこの席だが、確かに防球ネットの太い部分などが目に入りはするものの、ポールや柱などのあからさまな障害物があるわけでもなく、正直なにを指してのことなのかちと分からない。

 強いて言うならば……

 スコアボード方面の視界に多少の邪魔が入るくらいか。

 この日はかなり空いていたので全然気にならなかったが、なんせ高低差が少ないエリアの最後列なので、満員だったら目の前の席の人の後頭部でフィールドが見えにくくなるかもしれない。そういうことを言っているのだろうか?

 

 グラウンド方面には何かの見切れがあるらしいが、フィールドエリアの外野寄りという位置ゆえのちょっとした特典といえるのは……

 『ブルペンかぶりつきシート』ほどではなく、投手も遠い側にいるが、ブルペンの中を間近でじっくり観察できること

 ブルペンキャッチャーに推しがいる人にはいいかもしれない。

 

 この席種だけではなく、『auじぶん銀行フィールドビューエリア』内の全席種、いやほぼ全球場のフィールド席種に言えることだが、スタンドの最前、どころかスタンド外のフィールドにあるがゆえに、どうしたって面倒なのは飲食物の買い出しやお手洗いなどの外出。ましてや飲食店がスタンド外周に沿って並ぶベルーナドームはなおさらだが、ライオンズはしっかりそこをケアしているのが素晴らしい。

 2020年から試験導入し、2022年から本格稼働となった『ライオンズグルメ モバイルオーダー&座席お届けサービス』

 その名のとおりスマホから頼んだ飲食物を席まで運んでくれるというサービスは、『auじぶん銀行フィールドビューエリア』内の全席種が対象。

 この日は二軍戦ゆえ休止中だったが、いつかの機会に並ばずスタグルを楽しむ王侯貴族ごっこに興じてみたいものだ。

 

 

 『auじぶん銀行フィールドビューソファ』の席としての評価だが、パーソナルスペースが広く、クッションの効いたソファも座り心地がよく、くつろいで過ごすにはとても良い環境

 だが、結構大きく傾いている背もたれに深く身体を預けたりすると、ただでさえ低いグラウンドレベルの視点がさらに下がってフィールドがかなり見えにくい

 居住環境と観戦環境とで評価がはっきり分かれる、どういったニーズの人にお勧めできるか分からない不思議な席種。珍しい席種ではあるが、魅力的かと問われるとちょっと疑問、というのが個人的感想。

 今季の一軍戦開催時のお値段は、1席4500円~6300円(FC前売価格)の4段階変動制。フィールドということもあってそこそこのお値段だが、席種がかなり豊富にあるこの球場、その金額出すんだったら他にもっといい席あるよ、と正直思う。

 ちなみに二軍戦のこの日は2席で2000円。その金額であれば何の文句もない。

 

 

 一軍戦最高値設定日換算で3席合計20400円の席に、わずか3500円で潜入調査が叶い、球場席種愛好家として大満足だったこの日。

 今回のフィールド席種ふたつを加え、全11種となったベルーナドームの席種調査リストは以下の通り(名称や情報はすべて当時)。

 

 ①『ネット裏スペシャルシート』(2015.5)

 ②『L'sダイニングシート』(2016.9)

 ③『ふらっとリビング』(2017.9)

 ④『セブンイレブン・ダグアウトテラス』(2018.4)

 ⑤『パーティーテラス(ベンチタイプ)』(2020.11)

 ⑥『コカ・コーラ ダグアウトトップシート』(2021.7)

 ⑦『THERMOS ステンレスカウンター』(2022.3)

 ⑧『ネット裏テーブル4』(2022.8)

 ⑨『キリン一番搾りパノラマウッド4』(2022.11)

 

 平成令和の大改修のおかげで、まだいくつも残っている未踏の席種。これからも機会を見つけて積極的に攻めたいと思う。

 

 

 自分以外であまり力説している人を見かけないが、各球場の様々な席種も野球観戦の魅力。

 どの球場のどの席が好きか、なんてことを語らう野球飲み会でも、引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。