【武州八王子のレジェンド再始動 ~桃色行脚'19~】 | 監督のささやき戦術

 野球人としての復活の道のりを歩み始めたばかりの、球史に残る不世出の大打者に会いに行ってきた、先日の休場日の話をさせて頂く。

 

 

 向かった先は、東京都下の緑に囲まれたこの球場。

 昨年5月以来二度目となる、東京都八王子市のダイワハウススタジアム八王子である。

 

 この日、この球場で行われていたのは、一言で言えば野球教室だったのだが、目的は野球を教ることはなく、純粋に見物。

 野球教室に参加する野球少年の父兄でもないのになにしに来たのかを説明すると、『レジェンドベースボールフェス』と題されたこの野球教室の主催は、「野球を通じての社会貢献」を標榜する、グリーンシードベースボールファンデーションという名の一般財団法人。

 その代表を務める、PL学園から西武ライオンズに入団し、広島カープなどでも活躍された野々垣武志さんに賛同する、PL野球部OBを中心とした多くのプロ野球OBが、八王子の地に大集結すると聞きつけ、勇躍馳せ参じたのである。

 

 

 メディアでも散々報じられたので、皆様もよくご存知であろう。この日の主役だった、PL野球部OBを。

 ちびっ子の中だとひときわ目を引く巨体の持ち主は、PL学園時代には甲子園で数々の伝説を打ち立て、プロ野球では通算2122安打525本塁打を記録した、清原和博さんである。

 2016年に覚せい剤取締法違反で逮捕、有罪判決を受けて以降は表舞台から姿を消していたが、かつての仲間たちの支えもあって、先日の沖縄のイベントや、この前日の神宮での『ワールドトライアウト』など、少しずつ野球にかかわる場を増やしてきている清原さん

 この日のイベント出演も、かつて清原さんの秘書兼運転手を務めていた野々垣さんの尽力によって実現したそうである。

 「生清原」にお目にかかるのは、現役引退以来初なので、バファローズ時代以来11年ぶりとなった。

 

 フィールド内3か所、キャッチボール、守備、ティーバッティングに分かれて開催されていた野球教室。

 その中で、ティーバッティングを担当していた清原さん。入れ代わり立ち代わりやって来る野球少年たちを相手に、長い時間立ちっぱなしで指導に当たっていた。

 

 

 PL野球部OBを中心に、多くの元プロ野球選手が指導に当たっていたこの日。元プロじゃないけど馴染みのある方がひとり。

 背番号44番にいい色(当スタジアム基準)のシューズを履いているこの方、PL学園時代に甲子園出場経験を持つ漫画家という異色の経歴で知られる、人気漫画『バトルスタディーズ』の作者、なきぼくろさん

 

 『バトルスタディーズ』は、自身の経験をもとに描かれた、PLならぬ「DL学園」を舞台にした高校野球漫画

 なので、ここぞとばかりに店から持参。

 この夏の関西独立リーグ・堺シュライクスのクラウドファンディングに参加して手に入れた、DL学園ユニを。

 何かの拍子になきぼくろさんにサインを貰う機会でもないかと淡い期待を抱いて持ってきたのだが、残念ながら野球教室に出ずっぱりだったため、その機会は生まれず。

 

 

 多くの元プロ野球選手が集まる場でも、やはり目が行くのはかつて我がご贔屓イーグルスに在籍していた方々

 この日の八王子にいたのは、3人の元犬鷲戦士。

 懐かしい初代モデルのユニを着て参加していたのは、球団創設時から3年間、二軍コーチを務めた清家政和さん

 

 あまり知られていないが、実はこの人も犬鷲OB。

 2008年の1年間だけイーグルスに在籍していたキャッチャー、木村一喜さん

 木村考壱朗と名乗っていた短いイーグルス時代、出場機会は少なかったものの、同い年の選手なので印象に残っている。

 

 そしてなんといっても元監督

 清原さんの前の年の西武ライオンズのドラ1、デーブ大久保こと大久保博元さん

 2016年に新橋の『肉蔵でーぶ』でお会いして以来、久々にお目にかかった。

 

 

 野球教室の合間に、ステージでトークイベントも行われる。

 司会はドラフト会議でお馴染みの関野浩之さん

 PL学園の清原さんの後輩、特に同時代を過ごしている方々のビビりながらのエピソードトークがとても面白かった。

 

 

 野球教室のプログラムが終了した後に行われた、元プロによるデモンストレーション

 一番の歓声となったのは、やはり清原さんの出番。バッターボックスに立った清原さんに向かって投げたのは…

 入来祐作さん

 

 野村弘樹さん

 

 そして橋本清さんの、PL学園の後輩3投手。

 30年以上前の高校の上下関係がいまだに生きているPL文化がリアルに見て取れて、見ている分には非常に面白かった。投げてる方は冷や汗ものだったかもしれないが……

 

 

 イベントの最後に、参加者、関係者、観客に感謝を述べる清原さん。

 

 サプライズで用意された、息子さんからのメッセージの入ったTシャツを手渡され……

 清原さんの胴上げをもって、5時間近くに及んだ『レジェンドベースボールフェス』はフィナーレを迎える。

 

 

 薬物中毒のことは聞きかじりの知識しかないが、悪いこと、ダメなことだとどれだけ頭でわかっていても、あれだけ再犯率が高い薬物犯罪。きっと清原さんも、かつての過ちのツケと、肉体的にも精神的にも戦い続けているのであろう。

 こうやって支えてくれる、表舞台へ再び導こうとしてくれるかつての仲間、そしてそれを待ち望んでいる我々ファンの存在を、どうか片時も忘れず、野球で受けた恩は野球で次代に返して行く心構えで、プレイヤーではない野球人・清原和博としての第二の人生を切り開いてほしいと、切実に切実に願っている。

 

 

 野球を通じての社会貢献、という考え方からか、これだけの豪華メンバーを集めながらも、参加費無料だった『レジェンドベースボールフェス』は、素晴らしいイベントであった。

 野球でメシを食うものの最末端にぶら下がっている当スタジアムも、ただ享受するだけでなく、些少なりとも何か野球を通じて社会貢献できる存在でありたいと、決意を新たにしたこの日のダイワハウススタジアム八王子であった。

 

 そんな高邁な思いも、まずは皆様の支えがあってこそのちっぽけな当スタジアム。

 細くとも長く続けてゆくことで、野球界になにがしかの恩返しをしてゆきたいと願う当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。