【神宮の杜の秋王者 ~桃色行脚'19~】 | 監督のささやき戦術

 毎年、行くと「ああ、今年も野球の季節が終わるな……」と寂寥感を覚える、晩秋の風物詩的大会を観戦してきた、先日の水曜日の日中の話をさせて頂く。

 

 

 向かった先は、気付けばおよそ3か月のご無沙汰となっていたこの球場。

 木々が色づき始めた神宮の杜の、明治神宮野球場である。

 ずいぶん久々にこの辺にやって来たので、行きの道中、外身だけ見ればもう出来上がっている新国立競技場や、草野球場に忽然と現れた陸上トラックの姿にビビる。

 

 この日の野球は、学生たちの祭典。

 全国各地区の秋季大会を勝ち上がってきた高校、各地区の連盟の秋季リーグを制した大学などが出場する、『明治神宮野球大会』

 

 1970年から毎年開催され、今年が記念すべき第50回大会。

 観戦に足を運んだのは……

 今大会最終日最終戦、慶應義塾大(東京六大学)VS関西大学(関西五連盟)による大学の部決勝

 中京大中京が優勝を飾った午前中の高校の部決勝のあと、13時プレイボールで行われた一戦。

 スタメンはこちら。

 

 ちょくちょくリーグ戦を見てたり、今年で言えば7月8月の侍ジャパンでも見た顔が多いので、何となく馴染みがある慶應大に対し、お初にお目にかかった関西大

 なので、整列を見て少々驚くことに……。

 え…?これ同じチーム…??と……。 

 

 創部が1888年の慶應大、1915年の関西大と、ともに100年を超える歴史を誇る老舗野球部

 昨今のカラフルでデザイナブルなトレンドなどどこ吹く風の、長き伝統がにじみ出ているかのような濃紺とグレーのトラディショナルなユニフォームが、見事に丸被り

 細かい違いは、当たり前だが胸マークと、背番号の数字フォント、そしてここ。

 濃紺に赤白ラインと、ユニ同様こちらもぱっと見は同じに見えるストッキングだが、白い線が2本なのが慶應大、1本なのが関西大であった。

 そんなささやかな判別方法も、スタンドからだとカメラのズームを効かせてようやくわかるレベルなので、目視している分には同じユニのチームが紅白戦をやってるようにしか見えなかった。

 

 

 同学史上最多となる、同一ドラフトで4選手が指名された慶應大

 その4人衆のひとりが、試合開始早々輝きを放つ。

 今秋のドラフトでドラゴンズの4位指名を受けた、キャプテンで4番キャッチャーの郡司選手が、初回最初の打席で、逆風の中レフトスタンドに2ランホームランをぶち込む。

 さすがはこの秋の東京六大学リーグの三冠王、という打棒であった。

 

 投げる方では、プロを志望しながらも悔しい指名漏れとなってしまったこの左腕が光った。

 寒空の下での半袖とダイナミックなフォームが印象的だった左腕エースの高橋佑樹投手が、関西大打線を完璧に抑えこむ。

 

 例によって出勤前の時限観戦であったため、現地で見られたのは45分ほど、3回終了まで。

 この時点で一人の走者も許していなかった高橋投手だったが、そのパーフェクトピッチングはなんと7回まで継続。

 残念ながら決勝での大記録達成はならなかったものの、初回の郡司選手の2点を守り切る3安打完封の快投を見せ、慶應大が優勝した瞬間は、店のモニタで見届ける。

 

 個人的には、我がご贔屓イーグルスがドラフト3位で指名した津留崎大成投手を見られなかったのは、残念だった。

 

 

 そんな感じで、晩秋の気持ちよく晴れた(風は冷たかったが)神宮で、学生野球をつかの間楽しんできた先日の水曜日。

 スケジュール的に、恐らくこれが今季最後の球場での試合観戦となったこの日。今季も終わった感をしみじみ味わいつつ、今年も潰れずにシーズンを乗り越えられた僥倖に、神宮の空の下、ひとり秘かに天に感謝。そして来年ものんきに野球観戦が楽しめる日々を過ごすべく、商売を頑張りたいと思う。

 

 

 今日明日で多くの球団が「ファン感」を終えると、いよいよ本格的なオフに突入するが、当スタジアムにはオフシーズンはなし。

 年がら年中オンシーズンの当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。