【下総のミスター球場 ~桃色行脚'19~】 | 監督のささやき戦術

 まだ見ぬ未踏の球場を求めて千葉まで出掛けてきた、日曜日の休場日の話をさせて頂く。

 

 

 普段あまり馴染みのない京成線に揺られ、やって来たのはこの球場。

 ご存命の個人名が冠された珍しい球場、長嶋茂雄記念岩名球場である。

 

 チーバくんでいうと目玉の真下あたりに位置する千葉県佐倉市の、岩名運動公園内にあるこの球場。

 元々は『岩名運動公園第一野球場』という、いかにも自治体の球場然とした名称だったが、当地出身の球界のスーパーレジェンド、ミスターこと長嶋茂雄読売ジャイアンツ終身名誉監督が佐倉市民栄誉賞に輝いたのを記念し、2013年に現名称に改められたそうである。

 

 最寄り駅は京成線の佐倉駅。そこから徒歩で25分とそこそこの距離があるのだが、この日は駅と球場を無料のシャトルバスがつないでおり、アクセスは非常に良好であった。

 

 

 この日この球場で行われていた試合はこちら。

 ロッテ二軍浦和マリーンズの千葉県内主催試合のひとつで、今季の最終戦。対戦相手ジャイアンツ二軍。

 ここ佐倉での浦和マリーンズの主催試合は今年で3年連続三度目だが、いずれも相手はジャイアンツ。球場名的に、当たり前と言えば当たり前であろう。

 

 ちなみに浦和マリーンズの千葉県内開催は、未踏の球場へ赴くいい機会ということもあって、これまで船橋習志野秋津(現第一カッター球場)浦安柏の葉ゼットエーボールパークと参戦してきて、今回で6球場目。すっかり「千葉を愛するマリーンズファン」ようになってきた。

 

 

 初めて訪れた球場は、隅々までつぶさにチェック。

 何か所かに掲出されていた、球場周辺案内。細かなタイムテーブルが親切である。

 

 こちらがフィールドの全景。

 フィールドサイズは両翼92メートル、中堅120メートル。内野は黒土で、外野はきれいに刈り込まれた天然芝。LEDと思しき電球が入った6基の照明塔が球場を囲んでいたが、この日はデイゲームだったため、どの程度の光量があるのかは不明。

 上掲の写真からもお分かりの通り、自然あふれる公園の中に建つ、青々とした豊かな緑に囲まれた球場である。

 

 開場は1974年となかなかの老舗球場なのだが、2016年に1年がかりで大改修工事を行ったため、古めかしさはまるでない。

 それどころか、内野のメインスタンドはどこもかしこもかなりきれいで、バリアフリーのスロープや車いす席なども完備する、小振りではあるが今どきの近代的な地方球場という風体であった。ビフォーを知らないが、恐らく改修というよりも解体新造レベルの工事だったのであろう。

 ただこの球場、立派なスタンドに予算を使いすぎたのか、スタンド外周に対しての防球ネットがほぼ皆無と言っていいレベルだったため、恐ろしい数のファウルボールが球場外の茂みに飛び込んでいた。外にいた人、大丈夫だっただろうか……?

 

 メインスタンドは全席ベンチシート

 この試合は全席自由であったが、一応指定席販売できるように座席番号が振られていた。

 収容人員数は2000名とのこと。

 

 メインスタンドの両側には、芝生の内野席が。

 ご覧の通り、結構狭い。収容人員数は不明。

 

 外野も両翼とも芝生席。遠目に見てもさほど広くはないのは十分伝わってきたが…

 実際に行ってみたら、想像以上に狭い

 「こりゃ場外ホームラン乱発の構造だな……」と思った通り、この試合唯一飛び出したホームランは、悠々場外へと消えていった。逆にスタンドに着弾させる方が難しそうである。

 

 調べたところによると、球場全体の収容人員数は7000名とのこと。メインスタンドが2000名だとすると、内野と外野の芝生席で5000名を収容することになるが、本当だろうか……?。現に8割以上埋まっていたこの日でも客数は2665名だったのだが……。気になるところである。

 

 この球場で最も目を瞠った設備は、何と言ってもこのスコアボード。

 この規模の地方球場では破格の、フルカラーLEDの立派なスコアボード。さすが伊達にミスタープロ野球の名を冠していない。

 

 上掲の写真の試合前の諸注意の文字が、『スターウォーズ』のオープニングのように下から上にスクロール表示されていたので、ひょっとしてと思ったら……

 写真ではまるっきり伝わらないと思うが、なんとこのビジョン、フリーボードでフルカラーの動画にも対応しているハイスペックさなのであった。

 もっともその機能が活用されたのは、試合前のこの「佐倉市の魅力紹介」的映像だけで、試合中の演出などは一切なかったが。

 

 一方、プロ野球を開催する球場と考えると、ちと貧弱と言わざるを得ない設備だったのはこれ。

 ファウルグラウンドに設けられたブルペンは、ご覧の通り一人用

 左右同時にスタンバイさせる、などということが出来ないのは少々問題がある気がする。

 

 この球場には、他の球場にはないちょっと珍しい施設が併設されている。

 長嶋茂雄「記念」岩名球場、という名乗っているだけあって、どうやらこの球場内には長嶋氏の事績を称える施設があるらしい。

 らしい、というのは実物を見ていないから

 どうやら不定期にしか公開されていないようで、恐らくキャパの問題なのであろう、この日は大勢の人が集まるにもかかわらず、残念ながら非公開だった展示室とやら。ぜひ見てみたかった。

 

 

 球場のある岩名運動公園は、陸上競技場やプール、テニスコートなどもある立派な公園だが、飲食売店などは見当たらず、あるのは飲料の自販機のみ。

 公園周辺は見渡す限りの水田地帯で、近くにコンビニの類もなさそうだったが……

 この日は球場外周に多種多様な飲食売店が出店していたので、食べるものに困ることはなかった。

 

 この売店もそうだが、球場周辺には地元の方々と思しきボランティアスタッフが結構とんでもない数いて、手分けしてせっせと運営にあたっていた。

 前述の無料シャトルバスなども含め、地域が一丸となって年に一度の浦和マリーンズ主催試合を盛り上げようという意欲がうかがえる、手作り感あふれる運営の様子は、とても好感が持てるものであった。

 

 

 小ぶりではあるが非常に立派な設備を有する、自治体の規模を考えればちょっと信じがたいハイレベルな地方球場であった、ここ長嶋茂雄記念岩名球場。恐らく巨額の費用がかかったのだろうが、その改修予算が議会を通ったというところから、佐倉市民の郷土の英雄長嶋茂雄氏に対する強いリスペクトがひしひしと伝わってくるようであった。

 そんな長嶋茂雄記念岩名球場で観戦した、浦和マリーンズと読売ランドジャイアンツのイースタンリーグ公式戦の話は、また次回に。

 

 

 やってる競技は同じなれど、ひとつとして同じものがない野球場。ゆえにどこのどんな球場に足を運んでも、ワクワクさせられるものである。

 何度足を運んでもワクワクする、と思って頂きたいと願う当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。