【信濃の国のロングゲーム ~桃色行脚'19~】 | 監督のささやき戦術

 ぼやぼやしていたせいで話題の鮮度がすっかり低下してしまったのも気にせず、長野オリンピックスタジアムの『TOKYO SERIES in NAGANO(仮称)』を観戦してきた、『海の日』の休場日の話を簡単にさせて頂く。

 ※球場編はこちら

 

 

 3年ぶり7回目となるスワローズの長野主催。

 対戦相手はジャイアンツであった。

 勝手に来ておいてこんなことを言うのもなんだが、わざわざ東京から長野の地までやって来て見る試合が、日常的によく見る東京の2チームというのは、正直なんかちょっと残念感がある

 

 

 試合開始前のフィールドに現れた巨大菌類たち

 この異形の者たちは、この試合の冠スポンサーであり、ご当地長野市に本社を置く大手総合きのこ業(そんな言葉があるかは不明)ホクトのマスコット、『きのこ組』という方々らしい。

 

 こいつらをぼんやりと眺めているうちに、「そういえば、長野オリンピックのマスコットもなんかこんな感じの異形の集団だったよな……?」などというどうでもいいことに思い当る。

 何となく姿はうすぼんやりと思い描けるものの、名前が出てこない。ググるのも老化を認めるようでしゃくなので、意地でも思い出してやろうと記憶の引き出しの奥底をひっかきまわしていたのだが、プレイボールの声とともにそんな記憶との格闘自体を忘れる。

 

 

 この日のマイシートは一塁側内野のS指定

 めったに来られない球場だから奮発した、というわけではなく、チケットを取るのが遅かったので、自由席と高い席しか選べなかっただけである……。

 

 上掲の写真でもお分かりの通り……

 内野フェンスがめちゃくちゃ低いこの球場

 ゆえに視界はとても良好だったのだが、その抜群の見やすさの代償として、右打者が打席に立った際にはえらい緊張感が漂う席であった。

 

 

 スワローズの先発は、ベテラン左腕石川投手

 結果、ジャイアンツのオーダーには右打者がずらりと並んだため、一塁側内野スタンドの緊張感をより一層高めることとなった。

 

 ジャイアンツの先発は、4年目の桜井投手

 今季プロ初勝利を含む4勝を上げている、売り出し中の若手右腕。見るたびに背番号が違うことでもお馴染み(?)

 

 

 数年に一度とはいえ、ここ長野で定期的に主催試合を行っているスワローズ。それが当地におけるファンの拡大につながっているのか……

 一塁側、そしてライトスタンドには、神宮と見まがうほどの傘の花が咲いていた

 

 ただ、球場内の反対側に目をやると……

 オレンジタオルもそれに負けないくらい翻っていた

 というか、体感的には4.5:5.5くらいでジャイアンツファンのほうが多かったように思えた。自分も地方出身なのでよく分かるが、やはり地方でのジャイアンツの人気はいまだ根強い。

 

 5回終了後に、長野の夜空に花火が打ちあがる

 この夏の『球場花火はじめ』を、まさか長野の地で迎えることになろうとは……。

 

 

 5日も前のことゆえ、試合の詳細はばっさり割愛するが、スコア的には互いに取ったり取られたりのシーソーゲームの展開。ただし、9回までで両チーム合わせて22安打11四死球、9投手がマウンドに立つという乱戦模様では、さくさく試合が進むはずもなく……

 9回を終えた時点で既にプレイボールから3時間40分に達していたが、試合は決着つかずで延長戦に突入……。

 場内アナウンスでは、親切にも長野駅発東京行きの新幹線の終電時刻が案内される。ただ、この時点では多分もう間に合わなかったと思われるが……。

 

 延長10回はともに無得点。鳴り物が自粛となった22時過ぎ、11回に入るタイミングで、こうなりゃとことん最後まで付き合ってやろうじゃないのと、投げ売りを始めていた飲食売店で食料を新たなビールを仕入れ、席に戻ったタイミングで……

 10回から回跨ぎで投げていた五十嵐投手が、痛恨の送球エラー……。ジャイアンツに勝ち越し点が転がり込む。

 さらには直後に亀井選手にホームランを浴びて、試合が決する。

 両軍合わせて26安打12四死球3エラーが響き、4時間33分というなかなかなロングゲームとなった試合は、ジャイアンツが勝利を収める。

 試合が長すぎたおかげで、10回くらいで長野オリンピックのマスコットの名前が『スノーレッツ』だったことを唐突に思い出すという副産物を得る。

 

 神宮でも22時を過ぎたらだいぶスタンドが閑散としてくるが、たまにしか見られないプロ野球だからか、そして地方らしく車で来ている方が多かったためか、この試合の長野オリンピックスタジアムは、22時半過ぎのゲームセットの時点でも、かなりの数の観客が残っていたのには驚いた。長野出身の現役プロ野球選手は少ないが、信濃の国の野球熱の高さがひしひしと伝わってくる光景であった。

 

 

 こうして、初めて訪れた長野オリンピックスタジアムで、わりと見慣れた東京対決を過剰なまでに満喫してきた先日の『海の日』の休場日。

 やはり初めての球場は、いつどこへ行ってもワクワクさせられるものである。そのワクワク感を求めて、今後も西へ東へあちこち出没して回りたいと思う。

 

 

 夏野球真っ盛りで、皆様もあちこちの球場に足を運ぶ機会が増えていることであろう。

 その中のひとつの目的地として選んで頂きたいと願う当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。