【桃色動物愛護・前編】 | 監督のささやき戦術

 3月のある日、当スタジアムの郵便受けに捻じ込まれていた一通の封書

 

 その封筒は、よくよく存じ上げているプロ野球団のもの。

 ところが、宛先に記された名前には見覚えがない…

 

 確かに住所は当スタジアムのもの。そして自分は高橋だが、この昭和のファンシーショップ的センスのダサい名前は何だ……?

 …と8秒ほど思案した後、唐突に思い出す。そんな名前の奴を生み出していたことを……

 

 例によってむやみと冗長になるが、その至極くだらない顛末を開陳させて頂く。

 

 

 届いた封書の中身はこれ。注目すべきは左上。

 ニーズに応じた幅広い価格レンジ、女性や子供などの属性などに応じて、カテゴリの細分化が進むファンクラブ業界も、ついにここまで来たか……と、リリース時にごくごく狭い界隈を騒然とさせた、オリックスバファローズが昨オフ発足させた新カテゴリ、『Bsわんにゃんクラブ』

 届いた封書の差出人は、その発足したてほやほやの新団体であった。

 

 その『Bsわんにゃんクラブ』とやら、ご存じない方のために簡単に説明しよう。

 ……とか偉そうに言ってみたが、説明せずともおそらくその名から容易にお察しの通り、球界初の「ペット専用」ファンクラブカテゴリである。

 「わんにゃん」と銘打たれてはいるが、対象は犬猫のみに限定されているわけではなく、入会資格は「バファローズファンのペット」とあるのみなので、どうやら種類は問わない模様。ウサギやハムスター、フェレット、文鳥、ミドリガメ、ミヤマクワガタなど、わんでもにゃんでもなくても入会できるようである。

 だが、「申込は飼い主がしてね」とHP上あるので、ペットが自らの意思で申し込むのはNGらしい。仮にそんな賢さとバファローズ愛を持つペットがいたとしたら、今すぐ名誉会員として崇め奉るべきだと思うが……。

 

 いやはやしかし、ペットも家族の一員といわれて久しいが、よもや球団公認のファンの一員として数えられる日がやってくるとは……と、世の犬猫たちもさぞや感涙にむせんだに違いない。

 

 

 そんな『Bsわんにゃんクラブ』の発足がリリースされたのは、昨年10月。

 NPB12球団のファンクラブを筆頭に、ホークス二軍やイーグルスの『チーム宮城』、『TOHOKU SMILE CLUB』、女子プロ野球から、果ては『ニッポン放送ショウアップナイターファンクラブ』まで、手当たり次第片っ端からファンクラブに入りまくっている者としては、新設、しかも「球界初」のファンクラブカテゴリと聞いて、黙っていられるわけがない

 検討1秒で即座に入会を決意したはいいものの、すぐに根本的問題点を突きつけられる。それは……

 

 ペットなんて飼ってない……

 

 という厳然たる事実。

 ペットどころか、観葉植物のひとつも置いていない無味乾燥な自宅。自分以外の生物といったら、生ゴミの中で勝手に芽吹いたニンジンのヘタくらいのものである。流石の桃色的厚顔無恥をもってしても、「ペットはニンジンのヘタです」とは到底言えない

 

 もちろん、入会に際して血統書や鑑札の提出が求められるわけではないので、架空の「脳内ペット」でも申し込みができてしまうのだが、グッズを手に入れたいがために、子供じゃないのにキッズクラブに入会したり、女性じゃないのにレディースクラブに申し込んだりするような、ルール無視のファンクラブ道は歩まないと自らを勝手に律している身としては、無ペット状態で『わんにゃんクラブ』の門を叩くなどという非道な真似はできない……

 かと言って、『わんにゃんクラブ』に入会したいがためにペットを飼い始めるなどという超本末転倒、例えるならば「ゼクシー読みたいから結婚する!!」と言い出すような愚挙には出られない。そんな動機で飼われるペットが気の毒だ。

 はてさてどうしたものか……?(諦めるという選択肢は、既に思考の埒外であった)

 

 

 結論から言えば、こうして書類が届いているように、そんなクソどうでもいい葛藤の果てに、我がペットを『Bsわんにゃんクラブ』の栄えある1期生の末席に潜り込ませることに成功

 そのペットの名が、冒頭の書類の宛先である「高橋りり~ず」様なのである。

 

 その高橋りり~ずがどこの何者なのかは後述するとして、まずは念願叶って入会できた『Bsわんにゃんクラブ』の詳細をレポートさせて頂く。

 

 

 『Bsわんにゃんクラブ』の年会費は2500円(特典、送料込み)。

 年収2500円以上を稼ぐペットはほとんどいないと思うが、自分で払うペットも多分いないので、会員本人は特に気にもしないであろう。

 

 バファローズの人間用のファンクラブと同じく、先に会員証などが届き、少々遅れて特典グッズが届くという二段構えの配送であった。

 最初に届いた物一式がこれ。

 会員証とファンクラブガイド、そして1枚入っていたチラシは「ペット保険」のものであった。

 

 ちなみにファンクラブガイドは人間用のものと全く同じであり、残念ながらペットに読ませるための配慮などは一切なされていない。飼い主が責任もって読み聞かせろ、ということなのだろう。

 こちらが会員証の拡大

 緑地に肉球マークがあしらわれている、デザインとしてはシンプルなもの。

 裏面には会員番号と名前の記入欄、そしてバーコードが。

 

 この「Bsわんにゃんクラブ」は、一切のポイントプログラムから除外されており、来場ポイントやグッズ購入ポイントなどを貯める事ができないのだが、このバーコードは一体……?

 

 オンラインのファンクラブマイページもちゃんとあるのだが、これも人間用のそれと全く同じで、お気に入り選手が選べたり、観戦勝率や貯まりもしないポイント履歴などが確認できたりする。

 この辺の人間用と大きく異なる会員としての特典や作法、ペットにちゃんとわかるように説明できるか、自信がない……。

 

 

 『Bsわんにゃんクラブ』の入会特典グッズは、「Bs spirits2016オリジナルドッグウェア」というその名の通りの犬用の服と、「BsCLUB2016ペット用オリジナルプリントクッション」という小型のベッド的なものの2種類が用意されている。

 

 大小2種類から選ぶ「プリントクッション」に対し、「オリジナルドッグウェア」のサイズ展開は、SS~LDという聞きなれないサイズまで、人間用をはるかに上回る驚異の10種類

 サイズ表の横に参考の犬種が記載されているのだが、高級犬には明るくないもので、「SDサイズ→カニヘンダックス」とか言われても、サイズ感が全く分からない

 

 だからというわけではないが、選んだのは「BsCLUB2016ペット用オリジナルプリントクッション」の方。

 どうせならこっちを選ばにゃ損、という舌切り雀のいじわるばあさん的せこい発想で、迷わずLサイズをチョイス。届いたのはこちら。

 HPに記載されているサイズによると、外径43センチ、内径35センチ。 

 

 裏面はこんな感じ。

 もうちょっと硬質なものなのかと勝手に想像していたが、予想以上に柔らかかった

 寝心地は良さげではあるが、残念ながら試すことはできない。

 

 

 『Bsわんにゃんクラブ』の概要、届いたものの紹介、そして何より入会までのクソどうでもいい葛藤の話に稿を割きすぎて、既にだいぶ冗長となってしまったので、実際にこの「BsCLUB2016ペット用オリジナルプリントクッション」を高橋りり~ずちゃんに与えてみたレポート、そもそも謎のベールに包まれたその会員ペット、高橋りり~ずちゃんとは何者なのか?、に関しては、(皆様特に興味もないのは百も承知の上で)後編で

 

 

 ちなみにこの「BsCLUB2016ペット用オリジナルプリントクッション」は、今現在は当スタジアムに置いてあるので、あまりいないとは思うが、実物を見たうえで入会を検討したいとなどという方は、ぜひお手に取ってご覧頂ければと思う。

 

 そんなファンクラブグッズの珍品を見物がてらにでも、引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。