【元侍と新侍 ~桃色行脚'15~】 | 監督のささやき戦術
 列島が悔し涙に濡れた「プレミア12」準決勝第1試合の日。

 その日の日中、かつての侍と新しい侍に会いに行った話をさせて頂く。


 11月19日の正午頃、桃色の不審者が出没したのはここ。
有楽町駅前
 お買い物中のマダムや昼休みに入ったサラリーマンなどでごった返していたここ、左奥に小さく看板が見えるが、有楽町駅前なのである。

 これから街頭演説でも始まるのかというような人垣の向こうにあったのは…
ステージ
 割と小さなステージ

 ここでこの日開催されていたのは、こういうイベント
イベント
 来る11月22日の「いい夫婦の日」に花を贈りあおう、だから花を買おう、という趣旨のイベント。主催は切り花の輸出が主要産業の一つだというコロンビアの大使館だそうである。

 花を愛でるような高尚な精神はもちろん持ち合わせておらず、こんな野球のやの字もないようなイベントにわざわざ早起きしてやって来た理由は、登場が予告されていたかつての侍戦士に会うためであった。

 全く興味の沸かないファッションショーや、コロンビアの切り花産業がいかにすごいかという駐日大使の長い話などに30分付き合い、ようやく登場となったその男とは…
ゲスト
 メジャーリーガー、川﨑宗則選手である。

 なんでも、「花が似合う理想の夫婦」という、いまいち捉えどころのない選考基準により、川﨑選手が「第2回いい夫婦の日に花を贈ろうアワード2015」を受賞し、この日の登場となったそうである。
表彰
 こちらがその表彰の様子

 
 この前日、たまたまネット上で発見した「有楽町駅前にムネリン現る!!」の情報。
 平日の昼間は空いているとはいえ、ホークスファンでもなければ、特別川﨑選手が好き、というわけでもない
 そんなわけで、「早く起きられて、なおかつ天気が良かったら、行ってみないでもない…」程度のモチベーションだったのだが、結果的に早く起きられて、なおかつ天気も良かったため、この日のメジャーリーガー見物と相成ったのだった。

 
 どの程度広く告知されていたのかは分からないが、きっとそこそこの数のホークスファン、ムネリンファンが押しかけているのではないかと推測しつつやって来たものの、実際には一目でそれと分かるファンは、ほんの4、5名といったところ。

 報道のカメラは結構な数が出ていたものの、人垣の大半は「なんかよく分からないけど、人がたかってるから足を止めてみた」という風情の買い物中のマダムや、「え!?、あれ川﨑じゃね??」と驚いてスマホを構えるサラリーマンなどであった。

 そんな状況ゆえ、逆に数少ない一目でそれと分かるムネリンファンの方々は、ご覧の様な「かなりガチ」という方ばかりなのであった。 
ムネリンファン


 たぶん野球の事をあまり知らないと思われる女性司会者と、川﨑選手のトーク風景。
トーク中
 正直、噛み合っているとは言い難いやり取りであった。

 日本語、英語、スペイン語を織り交ぜて、テンション高めに早口で喋るその姿は、MLBで人気者になった川﨑選手のトークそのもので、個人的には非常に面白く、生で見られた事に地味に感激したのだが、大多数のオーディエンスには全く響かなかったようで、「誰こいつ…?」という薄ら寒い空気に満ちたトークタイムは、最後に川﨑選手が奥様への愛と感謝を叫んで終了
 いまだ明確になっていない自身の去就などはもちろん、そもそも野球の話自体がほぼ出ることもなく、川﨑選手が壇上にいたのは正味10分程度であった。

 わざわざ早起きしてまで行く価値があったかと問われると、そこは力強く肯定はできないが、現役メジャーリーガーにお目にかかるなどそうそうある機会でもなく、珍しい体験ができたという意味では、まあ満足であった。どうせ暇だったわけだし

 アメリカで挑戦を続けるのか、日本に凱旋するのか、川﨑選手の来季がどうなるのかは現状まだ情報が入ってきていないが、有楽町駅前で会った(一方的に)仲となったので、今まで以上に応援させて頂きたいと思う。


 とまあこんな感じで、有楽町でかつての侍ジャパン戦士を見てきたのだが、そのついでに一駅隣で新入りの侍ジャパン戦士にも会ってきた話を、続けざまにさせて頂く。

 有楽町から、散歩がてらてくてく歩くこと約10分。次なる目的地は東京駅八重洲地下街であった。

 巨大ダンジョンのような地下街を、若干迷子になりながら奥へ奥へと進んでゆくと…突如エンカウント!!
たまべヱ
 どこが顔なのか判然としないこいつは、今回の「プレミア12」から突如登場した侍ジャパンのマスコット、「応援侍たまべヱ」とかいうやつである。

 この日の13時に東京八重洲地下街のTBSショップに出没するという情報を入手し、ことのついでに見物にやって来たのである。

 イラストではもふもふした感じに描かれていたが、着ぐるみは結構硬質であった。

 たまべヱの出没を狙って来ていたと思われる物好き(自分含む)は、たぶん5名くらい。あとはたまたま八重洲地下街を通っていたら異形のモンスターに出くわした…、という体の方ばかりで、お世辞にも人気者オーラを放っているとは言えなかった…

 ちなみに、「応援侍」と名乗りながら侍ジャパンの試合会場に全く姿を現さない事が悪評を呼んでいるこいつ、「プレミア12」の準決勝日韓戦が開催されたこの日も、活動はこの八重洲地下街の徘徊のみ。特に販促も宣伝もなし。
 決勝と3位決定戦が行われた本日は東京タワーへ、そして「プレミア12」も終わっている明日は幕張のイオンモールに出没するそうで、まったくもって何のために存在しているのかが不明なマスコットなのである。

 ひょっとしたら次のWBCの頃には存在がなかったことにされているかもしれない珍マスコット、野球好きの端くれとして、一目だけでもお目にかかれて良かった。他人に自慢できる類ではないが…。


 そんなわけで、無駄に早起きをして珍しい方々にお目にかかってきた今週の木曜日。
 シーズンオフの野球ロスの症状が変な副作用を巻き起こしていると言えなくもない、謎の野球ネタ拾い2連発であった。
 今後もバカバカしいことほど積極的に精力的に、首を突っ込んでゆきたいと思う。


 たまべヱの応援も虚しく、もしくはたまべヱがちゃんと現地で応援しなかったからか、侍ジャパンは銅メダルで初開催の「プレミア12」を終えた。
 
 プロ野球閉幕後のビッグイベントも終了し、いよいよ本格的シーズンオフに突入する来週からも、引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。